医業経営・法律系

サイエンス漢方処方セミナー Ⅱ-5  この科にこの1本、不足を補う、病床療養、COVID-19感染症予防・治療における漢方

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■講師 井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
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【セミナー概要】
漢方薬を診療に使いたい医師は多いのであるが、実際に使おうとしたときには、サイエンスに基づかない理解しにくい古典的運用法がネックとなる。歴史的にみると試行錯誤で出来上がった漢方薬が先で、古典的運用法は後付けに過ぎない。
古典的運用法によらないで漢方薬を処方することを邪道と非難し認めない漢方の専門家も多い。しかし漢方薬は最近の研究で、薬理学が従来想定していなかった超多成分の全く新しいタイプの薬剤であると考えないと、漢方薬を服用したあとに患者の中で起こることを説明できないことが明らかになりつつある。
これを踏まえて、今回の医療技術セミナー(シリーズ?-1〜5)では、サイエンス漢方処方という新しい切り口で漢方薬を認識し、新しい運用法によって全ての医師が漢方薬を的確に処方できるようにしたい。
皆さま、奮ってご参加ください。
 

 
井齊偉矢先生の『サイエンス漢方』31テーマについては、スキルアップのホームページ上(右側の上から2番目)で公開中。スライドデータも自由にDLできます。10:00-10:55この科にこの一本
漢方薬は変調を来した身体のシステムを平常状態に戻す応答を引き出す薬剤ですので、臨床の診療科で漢方治療のニーズのない科はありません。今回は、この科にひとつだけ漢方薬を推奨するとしたら何がいいかという観点でお話ししてみます。新薬による治療ではなかなか上手くいかない場面が登場しますので、漢方治療のご経験に乏しい先生は、まずこれから使ってみて下さい。
 
11:00-11:55不足を補う漢方薬
新薬は作用点にピンポイントで効く攻撃的な薬剤ですので、免疫力が落ちた、食欲がない、微小循環が悪い、血が足りない、乾燥しているなどの、色々なものが不足した病態には効果的な治療体系が組めません。これに対して、漢方薬は不足してバランスが崩れた状態を、自力で回復させる応答を引き出す薬剤ですので、不足を補う処方が多数用意されています。
 
12:30-13:25療養病床における漢方薬の役割
療養病床は医療費が丸めですので、特に薬剤費は低く抑えることを考慮しなければなりません。その点では、漢方薬は1日薬価の平均が89円ですので、積極的に漢方治療を取り入れることは医療経済的にもメリットがあります。病態としては認知症の割合が増えているのでその対処法をまず述べて、次いで便秘、食欲不振、尿路感染症、排尿障害、フレイル、肺炎を取り上げます。
 
13:30-14:25COVID-19感染症予防・治療における漢方薬の役割
「傷寒雑病論」編者の張仲景は一族を襲ったpandemicを契機に漢方薬による治療法を確立しました。1918-20年のスペイン風邪では、日本において有益な漢方治療の記録が残されています。今までの知見はCOVID-19感染症にも十分応用が可能です。漢方薬を使った予防、治療、ワクチンによる副反応対策、post-acuteCOVID-19syndrome対策について解説します。

セミナー要綱

セミナーNO. 664
開催日 2021年6月20日 10:00〜14:30
講師 ■井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
診療科目 医療法律系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■6月20日(日)に開催しました第664回医療技術セミナー『サイエンス漢方処方セミナー?-5この科にこの1本、不足を補う、病床療養の漢方、covid-19感染症予防・治療における漢方−漢方薬の作用機序を数理で解明、東洋医学とは本質的に異なる斬新な運用法』は、盛会裏に終了しました。
講師には、いつものようにサイエンス漢方研究会理事長で、日高徳洲会病院院長であります井齋偉矢先生をお招きしました。
井齋先生におかれては自らのサイエンス漢方処方の領域の研究業績を広い心で惜しげもなく世に広く普及することを希望されて、現在までに32テーマまで、ご自分のホームページ(HP)上で公開されており、スキルアップのHPでも了解を得て公開させていただいておりまして、自由にDLしていただけるようになっております。スライドを見てみると、全ての公開内容がカラフルできれいなイラストで作成され、症状と漢方薬の用法等、きれいにまとめられており、素晴らしい内容です。
これまで開催しました1つ目の企画(?)のシリーズでは、すでに2回開催されております(#5472019年4月28日漢方概論・速効性、多愁訴、#5632019年8月25日風邪・インフル、老年症候群、CommonDisese)。
次に、2つ目(?)の「サイエンス漢方処方」シリーズでは、1回目の企画となりましたのは、#6092020年7月19日『循環器、腎臓、整形外科と痛み』を取り上げました。2回目は、2020年11月8日、#622『消化器科と神経内科、女性特有の疾患と訪問診療』を行いました。3回目の企画は、#614『呼吸器科、耳鼻咽喉科、アレルギー、がん』を取り上げ、2021年2月14日に開催しました。結果的には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2回と3回の順番が変わってしまいました。4回目の企画では、これまで取り上げ切れなかった領域と、その後追加された領域の㉚泌尿器科、㉙精神安定・憂鬱解消、?外科、?未病の概念と漢方、について取り上げ解説をお願いしました。
 
今回の?の5の企画では、「この科にこの1本」「不足を補う」「病床療養」「COVID-19感染症の予防・治療における漢方」の4つを取り上げました。
「この科にこの1本」
眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、小児科、整形外科、外科、循環器科、呼吸器科、消化器科、総合診療・・・と、各領域の症状と方剤についての解説が行われました。
「不足を補う」
胃腸科機能低下を補う、血液の不足を補う、高血圧、生命力の不足を補う、血液以外の体液成分の不足を補う・・・漢方薬のラインアップ
「病床療養」(主として長期療養を必要とする入院患者を対象)
この講義は、本邦初めての講義である・・・とのことでした
認知症/せん妄、認知症/幻視・幻聴、弛緩性便秘、食欲不振、尿路感染症・排尿障害、フレイル、血管の老化による下半身の衰えの緩和、
いろいろな肺炎、について症状と方剤についての解説が行われました。
「COVID-19感染症の予防・治療における漢方」
新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスの予防効果を応用、治療と予防に漢方薬を併用する治療法、新型コロナウイルスの副反応に対する漢方薬の活用、について解説が行われました。
 
質疑では、会場からもネット受講者からもたくさん質問が届き、
井齊先生は楽しそうに、丁寧に答えられておりました。
 
次の企画による開催は、11月21日(日)に、テーマ「冷え」「脳神経外科」他、を中心に開催予定です。皆さま、ご期待ください。

■講師 井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
<略歴>
75年北海道大学医学部卒業。同年北海道大学第一外科に入局し現在同門。医学博士。専門は消化器・一般外科、肝臓移植外科。
88年から3年間、オーストラリア・シドニー大学オーストラリア肝移植ユニットで肝臓移植の臨床および実験に従事。帰国後、独学で漢方治療を本格的に開始。12年にサイエンス漢方処方研究会を設立し、現代医学にのみ立脚した「サイエンス漢方処方」の普及に努めている。
07年より北海道日高郡・医療法人静仁会静仁会静内病院院長。
18年9月1日病院名を医療法人徳洲会日高徳洲会病院に変更。
 
最新刊として『新型コロナと速攻!漢方』(青春出版社;2021.9)が、あります。

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