医業経営・法律系

実地医家のための 従業員トラブルは経営に潜むリスク!

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病院・クリニックを危機に陥らせた事例から学ぶ3つのポイント

■講師 弁護士 谷口 彰 先生(横浜りんどう弁護士事務所)
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【セミナー概要】
病院・クリニック経営は医師だけでは成り立ちません。医療事務、看護師など、職員・従業員を雇う必要があり、病院経営は潜在的に従業員トラブルのリスクを抱えています。
日本の労働関係法は従業員を手厚く保護しており、その手厚さは医師の先生方の想像を遥かに超えています。そのため、ふとした従業員とのトラブルが、経営を揺るがせるような、予想できない結果になることがあります。
「過去にトラブルがないから大丈夫」「当院は上手くコントロールできている」と油断している先生ほど大きなトラブルに遭いやすく、決して他人事とは言えません。
今回のセミナーでは、どんな従業員トラブルが起こりうるのか、どうしたら予防できるのか、起きてしまったらどう対処したらいいのか、弁護士がお伝えします。

10:00 ~ 11:45
日本の従業員保護の手厚さ
従業員トラブルが起こる原因
こんな従業員に要注意
まとめて労働組合に加入された事例
同僚と喧嘩ばかりで仕事しない看護師の事例
患者クレームが頻発する勤務医の事例

セミナー要綱

セミナーNO. 785
開催日 2024年4月28日 10:00~15:00
講師 弁護士 谷口 彰 先生(横浜りんどう弁護士事務所)
診療科目 医業経営・法律系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■4月28日に開催しました第785回医療経営セミナー『従業員トラブルは経営に潜む大きなリスク-病院・クリニックを危機に陥らせた事例から学ぶ3つのポイント』は盛会裏に終了しました。
講師には、横浜りんどう法律事務所 弁護士 谷口(やぐち)彰先生をお招きしました。谷口弁護士をお招きするのも初めてですし、医業経営領域の課題を取り上げるのも久しぶりでした。似たような領域で、“従業員教育”をテーマを取り上げたのは、『病院長のための①クレームを事前に察知出来る職員養成術、②病院経営が驚くほど変わる8つのステップ』((株)ウイ・キャン濱川博招先生;#460:2017年11月)でした。
谷口先生が法律の世界でも、医療と法律を繋ぐような世界に特化されてきているのは「医師家系の女性と結婚されたことを契機に医療業界に関心を持ち、病院関係の従業員トラブルに関わられることになり、労働トラブルの最前線で、数年で100件以上に関わり解決に導いた経験を持つ」との自己と実績紹介です。

講義の組立ては以下の通りでした。
・日本の従業員保護の手厚さ
・従業員トラブルが起こる要因
・こんな従業員に要注意
・まとめて労働組合に加入された事例
・同僚と喧嘩ばかりで仕事をしない看護師の事例
・患者クレームが頻発する勤務医の事例
事例① 父が開業してから50年の歴史ある精神科。建物も老朽化しており、暗い。従業員100名ほど。新規患者が増えない状況を改善するべく当時の事務長にも相談せず、「外部コンサルを雇い」。従業員の賃金カット、大規模修繕を企図した。が、事務長は転職し、従業員の反発を招き、労働争議化。労働組合から激しく攻められる。結局、病院は売却された。
この事例のポイントは、①従業員の雇用条件はそうそう変えられない。→変えれば辞められる
経営再建や変革には従業員の理解を得るべし。その為には、まず事務長の理解を。事務長やスタッフとまず真摯に向かい合うべきという点がポイント。
事例② 医師家系の理事長、親のクリニックで修行を積み、地縁が無い別の場所で独立・開業し、3年。
経営が安定してきたところで、事業の拡大を狙い、これまでの少数精鋭のスタッフに加えて、経験豊富な看護師を採用。ところが、「前のクリニックではこうしていた・・・」とこだわり(すぎて)、前からのスタッフの間で、1名を除き気が合わなくなった。患者の前でも口論が始まるという状況にまでなってしまった。
結局、新しい看護師と同調するこれまでのスタッフ1名の2名を解雇。その後。猛反発を受け、裁判闘争へ。裁判の結果、敗訴し解雇の取り消しと過去に遡っての2年判の給与の支払い。
事例③ 臨床・研究の両面で実績を残した総合病院の院長。50台にして一念発起して無縁の過疎地に移転するも20年。従業員200名にもなり、実績も出来ていたところで、医師向け転職エージェントを通じ 「都市部での生活に疲れて居て、残りの医師人生を地方で穏やかに過ごしたい」との以降をもつ医師を雇用。ところが、この医師は、始業時に診察室にいないことが多く、言葉遣いも悪く、患者への態度が乱暴。同僚の医師や看護師への態度も悪く患者からのクレームも頻発した。スタッフも疲弊していくので、退職を申し渡し。いったん平和的に退職した(かに見えた)。その後、意外な反撃、「未払いの残業代を払え」との内容証明郵便が届く。「年俸制だから残業代は無い」と対立。結局、常勤医師の勤怠管理をしていなかったので、・・・。多額の和解金を支払うことになった。

お話を縷々お聞きしていて、多くのスタッフが必要な病院やクリニックの経営でのトラブルも、一般的な人間社会のトラブルも、“人間関係”というキーワードが重要な点では、そう変わらないのだな・・・と思い知りました。事業を支えるうえで、片腕に当るはずの事務長を無視したりするのも、破綻の一因になり得るようです(この点だけは、当日の講師の論調とは違い、主宰子の意見でありますので、質疑の時間に申し述べさせていただきました)。また、看護師さんやリハビリ、検査・・・等々の多くのスタッフを信頼し、いろいろと相談しながら経営や経営改善を進めていくべきなのだ・・・と,あまりにも当たり前の思いを抱きました。事例③の医師の勤怠管理の有無は盲点でしたね。

この日の受講者は、地方からの来られておられましたが、講義についても質問を熱心にされるとともに、講義が終わっても、別室で相談をされておられました。

■弁護士 谷口 彰 先生(横浜りんどう弁護士事務所)
 
<略歴>
10年 東北大学法科大学院卒業・司法試験合格
13年 東証プライム上場企業の労務顧問
19年 労働組合と使用者との紛争解決機関へ出向
23年 弁護士法人横浜りんどう法律事務所に参画
<活動>
千葉県経営者協会・平成29年度労務法制委員会セミナー講師
<紹介>
労働トラブルの最前線で、数年で100件以上に関わり、解決に導いた経験を持つ、見た目や仕草に反して中身は骨太な弁護士。
医師家系の女性と結婚したことを契機に医療業界に関心を持ち、病院関係の従業員トラブルはもちろん、事業承継、不動産トラブル、患者対応、個人情報管理などに関わる。

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