精神・神経科系

日常診療での 摂食障害-治療と支援のミニマムエッセンシャル

s00773
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■講師 鈴木真理 先生(跡見学園女子大学特任教授/一般社団法人日本摂食障害協会 理事長)
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【セミナー概要】
やせや過食を主症状にする摂食障害は今やありふれた病気になりました。コロナ禍で世界でも日本でも患者数が約2倍に増加した神経性やせ症は死亡率が高いので、注意すべき疾患です。神経性過食症の患者数は神経性やせ症の5~10倍と想定され、うつ状態や不登校・欠勤が起こることもあります。過食性障害は男女同等にみられ、治療抵抗性のメタボリック症候群として診療されている可能性があります。
本講座では、プライマリ・ケアや学校医・産業医業務で摂食障害を抱えた方の支援のポイントについて概説し、日本の治療環境の現況やエビデンスが示されている治療法を紹介します。一般診療、学校、事業所で摂食障害に遭遇した場合のミニマル・エッセンシャルをお伝えしたいと思います。
皆様、奮ってご参加ください。

10:00~12:00 摂食障害のプライマリ・ケア
12:00~12:30 昼食
12:30~14:30 摂食障害の治療と支援体制

午前は、①病型と病態、②ストレスコーピングの回避としてのやせ願望や過食(自制できないむちゃ食い)の心理、③主として身体管理が重要である神経性やせ症のプライマリ・ケア(診断、鑑別診断で注意すべき疾患、臨床症
状、心理と行動、心理教育、合併症治療)、④過食と排出行為の問題、⑤小児、アスリート、妊娠と出産、高齢者について症例提示して解説します。
午後は、①エビデンスが示された治療法、②日本の専門施設での治療、③学校でできる支援、④就労者への必要な配慮 ⑤家族の心理教育とエンパワメント、⑥摂食障害治療支援センター設置運営事業について紹介します。

セミナー要綱

セミナーNO. 773
開催日 2024年3月31日 10:00~14:30
講師 鈴木 真理 先生(跡見学園女子大学特任教授/一般社団法人日本摂食障害協会 理事長)
診療科目 神経内科
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■3月31日(日)に開催しました第773回医療技術セミナー『日常診療での 摂食障害-治療と支援のミニマル・エッセンシャル』は盛会裡に終了しました。
講師には、跡見学園女子大学心理学部臨床心理学科 特任教授、政策研究大学院大学 名誉教授、一般社団法人日本摂食障害協会 理事長であります鈴木眞理先生をお招きしました。肩書きには出てきませんが、東京女子医科大学内科、あるいは内分泌疾患センターで約20年にわたり「摂食障害」の診療に携わられ、かつ ライフワークとされておられる研究者・医師です。また、正反対の概念であると思える「過食症」も含めて『摂食障害』として捉えていただくのが普通のようで、お話をいただきました。キーワードとしては、「心の病気」「思春期「神経性やせ症」「成長曲線」「ダイエット・ドカ食い」等が挙げられるかと考えますが、最近?高校の保健体育の教科書でようやく取り上げられたそうです。今回のセミナー企画の切掛けは、朝日新聞で『摂食障害』について2023年夏に取り上げられたことですが、メディカル・コア時代の2006年に取り上げていますので鈴木先生は18年ぶりのご登場です。終了した後に届いたあるネット受講者からの評価も「今日の講師は本物でしたね!大阪の精神科の医師が参加され高評価をされておられましたが、私も素晴らしかったと思う」とのご意見でした。
今回のセミナーの講義の組立ては以下の通りでした。「症例」も随所にあり分かりやすい講義でした。

午前:摂食障害のプライマリ・ケア
1.標準体重の計算方法、20歳代女性のやせ過ぎ、体脂肪の重要性
2.摂食障害の病型
3.過食性障害と夜食症候群、ストレスコーピングとしての過食
4.神経性過食症の症状の悪循環
5.神経性やせ症の診断基準
6.やせ願望の心理、行動異常、ミネソタ研究
7.神経性やせ症の臨床症状と検査所見
8.神経性やせ症のプライマリ・ケア、身体的入院と労作制限
9.重篤な合併症(低血糖性昏睡、Refeeding症候群、低K血症、感染症)
10. 後遺症(低身長、骨粗鬆症、骨軟化症、無月経)
11.(女性)アスリートとRED-S

午後:摂食障害の治療と支援体制
1.欧米の摂食障害治療施設
2.摂食障害のエビデンスが示された治療法
3.神経性やせ症の外来診療 心理教育的アプローチ
4.神経性やせ症の外来での栄養指導
5.摂食障害の薬物療法
6.学校との連携
7.心理的支援の内容
8.家族への支援
9.摂食障害と就労
10.摂食障害のリカバリーとは
11.摂食障害に対する国の支援と社会的資源
12.中学生の神経性やせ症症例検討会
13.摂食障害と窃盗

付録 回復者のアンケート
質疑では以下の質疑が行われましたが、ここでは一部の質問のみを記し、回答を希望される方、興味ある方はDVDないし動画をお買い求めいただきまして、ご確認下さい。
Q1.下垂体腫瘍精査のための下垂体MRIは造影が必要ですか? Q2.摂食障害の患者の男女比はどういう状況でしょうか? 「過食」の方も教えてください。どちらも年齢を重ねると軽快していくものでしょうか? Q3.女性の長距離ランナーのSTさんを見ていると心配になるのですが? 他にもたくさんおられるように思うのですが。

■講師 鈴木真理 先生
(跡見学園女子大学特任教授/一般社団法人日本摂食障害協会 理事長))
 
<略歴>
79年3月 長崎大学医学部卒業
  4月 佐賀医科大学(現佐賀大学)病理学
81年4月 東京女子医科大学 内科2練士研修医
83年6月 東京女子医科大学 内科 2 助手
85年5月 医学博士取得
85年7月 米国 サンディエゴ ソーク研究所 神経内分泌部門留学
87年7月 東京女子医科大学 内分泌疾患総合医療センター内科助手
99年11月 東京女子医科大学 内分泌疾患総合医療センター 内科准講師
02年4月 政策研究大学院大学 保健管理センター教授
20年4月 現職(現在に至る)
<著書>
「乙女心と拒食症」(インターメディカル)、「内科医にできる摂食障害の診断と治療」(三輪書店)、「ダイエット障害」(少
年写真新聞社)他 多数

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