内分泌代謝内科系

実地医家のための 糖尿病の合併症と関連疾患

s00770
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糖尿病診療の目標到達術を習得する

■講師 能登洋 先生(聖路加国際病院内分泌代謝科 部長)
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【セミナー概要】
糖尿病の診療の目標は,単に血糖コントロールを良好にすることではありません。糖尿病の合併症を予防し糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLを達成・維持することです。そのためには,血糖だけでなく血圧・脂質代謝や体重のコントロールも必要となります。
さらに,糖尿病では合併症(網膜症・腎症・神経障害・動脈硬化性疾患)だけなく歯周病・がん・認知症など糖尿病と併存することの多い関連疾患も同時に包括的に管理することも重要です。また,これらの関連疾患と糖尿病には相互関連性があることも判明してきています。
高齢糖尿病患者が増加している昨今,どのようにして診療目標を達成・維持したらいいのか,実地的な最新知見を解説します。そして,近年期待されている抗肥満薬についても紹介します。

午前の部(10:00 ~12:00 )
・糖尿病の現状
・糖尿病合併症
  網膜症
  腎症
  神経障害
  動脈硬化性疾患(心不全を含む)
・糖尿病関連疾患
  感染症 歯周病
午後の部(12:30 ~14:30 )
・糖尿病関連疾患
  老年症候群 認知症 うつ病 がん 骨粗鬆症 非アルコール性脂性肝疾患
・抗肥満薬

セミナー要綱

セミナーNO. 770
開催日 2024年3月10日 10:00~14:30
講師 ■能登洋 先生(聖路加国際病院内分泌代謝科 部長)
診療科目 内分泌科代謝系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■3月10日(日)に開催しました第770回医療技術セミナー『実地医家のための 糖尿病の合併症と関連疾患-糖尿病診療の目標到達術を習得する』は盛会裡に終了しました。
講師には、聖路加国際病院内分泌代謝科 部長 能登洋先生をお招きしました。今回で4回目でしたが、これまでの実績は ①『糖尿病治療のエビデンス-その正しい読み方と使い方』(#694;2022年6月)、 ② 『都市伝説エビデンスを斬る!』(#717;2023年1月)、③『内分泌代謝疾患の診療(糖尿病除く)』(#743;2023年9月)でした。能登先生は、エビデンスやデータに強く、「糖尿病・ヒューマンデータ学会」理事としてもご活躍のようです。なお、糖尿病と同じ領域に、伊藤病院内科部長渡邊奈津子先生の『甲状腺疾患の診かた』(#755;2023年11月)があります。
今回の講義の組立ては以下の通りでした。

1.糖尿病総説  糖尿病学会からは「診療ガイドライン」が2024年4月に公表される予定!
2.日本の現状
3.糖尿病合併症 
   網膜症  単純網膜症、増殖前網膜症、増殖網膜症
   腎症   正常アルブミン尿、微量アルブミン尿、顕性アルブミン尿
        DKD(糖尿病関連腎臓病)  透析
        心血管イベント 3.2倍、心血管死 5.9倍、腎イベント 22.2倍
   血糖管理、血圧管理、脂質管理 尿酸管理 
   神経障害  末梢神経障害、触覚・振動覚、Charcot関節、鷲爪趾、槌趾、感染症・壊疽、疼痛
   心血管疾患   大血管症、
   食後高血糖是正 治療薬GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、   
4.糖尿病関連疾患 
   感染症、歯周病、老年症候群、認知症、うつ病、がん、骨粗鬆症、
   非アルコール性脂性肝疾患(NAFLD→MASLD)
   抗肥満薬
「糖尿病」とは、膵臓から分泌されるインスリンが十分に働かないために高血糖が持続する疾患であり、高血糖が長期間放置されると、血管が傷害され心血管疾患や網膜症・腎症・壊疽などの慢性合併症につながりやすい。また、著しく高い血糖はそれだけで昏睡などを起こすことがある(急性合併症)し、また、「低血糖」も昏睡などを招く。「糖尿病は万病の元」といわれ、アルツハイマー 4.6倍、がん死亡 3.1倍、心筋梗塞 2.1倍、脳梗塞 1.9倍のリスクを伴い、繋がる。日本では、糖尿病が強く疑われる者の割合(20歳以上)は、男性で19.7%、女性で10.8%(厚生労働省、2019年発表)とのこと。高血圧や高脂血症と並ぶ生活習慣病です。直接的に「糖尿病」では死なないけれど、合併症や関連疾患で命をおとすことにつながり、糖尿病患者の死因の第一位はがん(肺がん、肝臓がん、膵臓がん) 38.3%、2位が感染症17.0%、3位が血管障害(脳血管障害、虚血性心疾患) 14.9%ということです。
質疑では以下の質疑が行われましたが、ここでは一部の質問のみを記し、回答を希望される方、興味ある方はDVDないし動画をお買い求めいただきまして、ご確認下さい。
Q1.食後高血糖の改善は意味が無いのですか? Q2.コロナの患者さんで、血糖値120前後、重症の方の方がステロイドが入る・・・とも聞いたことがあるのですが、いかがでしょうか? Q3.治療で最初の薬剤選択ですが、ビグアナイドよりはDPP-阻害薬が使われるのですか? その際お好みの薬剤は? 使い方はいかがでしょうか? Q4.アルファGIですが、先生の感触はいかがでしょうか? また、グリニド剤の使い方についてご意見は? Q5.「診療ガイドライン」が色々とあり活用させていただいておりますが、参考文献があまり上げられていないように思いますが、いかがでしょうか? Q6.フォシガー10mg処方中のアルブミン尿ある糖尿病の方で治療開始後数年経ちeGFRが低下してきたとき(たとえばeGFR15以下)フォシガーは継続して良いですか? 中止しない方が良いですか? Q7.山間部で開業している者ですが、80歳でも若い層になる患者さんですが、糖尿病でリウマチ性多発筋痛症や偽痛風がある方にステロイドを使うのですが、HbA1cが8から9までになるのですが、一時的なものとして放って置いて宜しいでしょうか? Q8.糖尿病患者さんのフラッグスコアーですが、あれは高く出るのでしょうか? Q9.メトフォルミンの使い方ですが、検診などでクリアチニン値が微妙な方がおられるのですが、GFRの低下がある場合、最初からDPP-4阻害薬に変えておいた方が宜しいものでしょうか?  Q10.食事指導についてですが、サラリーマンの昼食についてどう指導されておられますか? どういう風にアドバイスされていますか? Q11.神経症状の治療で、リリカやサインバルタン、新しい薬でタリーゼ等を使われた薬はありますか? Q12.SU剤で少量で使われるグリメピリドないしアマリールはお使いになられますか?  Q13.骨粗鬆症の治療で、海外では活性型ビタミンD剤が入手できルようですが、使われませんか?  Q14.硬膜症の治療ですが、あまり早急に治療すると問題が出る・・・と聞いたことがあるのですが、どういう問題でしょうか? Q15.食後高血糖(たとえば180-220)、HbA1c 6.5以下、FBSほぼ正常か少し高めの方に治療介入は必要ですか? 必要な場合はどの薬が良いですか?

■講師 能登洋 先生(聖路加国際病院内分泌代謝科 部長)
<略歴>
93年 東京大学医学部 卒業
東大病院内科 研修医
94年 米国ニューヨーク州ベス・イスラエル医療センター内科 研修医
97年 東京厚生年金病院内科 医員
98年 東大病院糖尿病代謝内科 医員
03年 米国テキサス州テキサス大学サウスウェスタン医療センター内分泌代謝内科臨床 フェロー
06年 東芝病院代謝内分泌内 医員
09年 国立国際医療研究センター糖尿病内分泌代謝科 医長
14年 聖路加国際病院内分泌代謝科 医長
16年 聖路加国際病院内分泌代謝科 部長

<資格・学会>
医学博士
東京医科歯科大学医学部臨床教授
聖路加国際大学臨床教授
日本内分泌学会専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本糖尿病・ヒューマンデータ学会 理事
米国医師免許, 米国内科専門医
米国内分泌代謝糖尿病専門医
米国内科学会上席会員(FACP)

<著書(抜粋)>
・レジデントのための内分泌代謝教室〈米国専門医に教わる全13章〉.日本医事新報社.2021年
・最新 糖尿病診療のエビデンス(改訂版).日経BP.2019年.
・スッキリわかる!臨床統計はじめの一歩 改訂版 羊土社.2018年.
・ 2週間でマスターするエビデンスの読み方使い方のキホン すぐにできるEBM実践法.南江堂.2013年.

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