■講師　井口正寛 先生
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【セミナー概要】

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■1月28日（日）に開催しました第768回医療技術セミナー『脳神経内科を学ぶひとのために』は盛会裡に終了しました。
講師には、フリーランサーの井口正寛先生をお招きしました。初めてのご出演です。伺ったこれまでのご経歴では日本大学医学部卒業、東京女子医科大学と福島県立医科大学の脳神経内科で最終 助教を経てフリーランサーに昨年１１月になられたようです。現在はCare　Netを始めとして3点の著書を持って活躍されておられる他に、沖縄県立中部病院等で腕を磨かれている・・・との事でした。スキルアップセミナーでは、この「神経内科」領域では、黒岩義之先生（横浜市市立大学名誉教授）、吉井文均先生（東海大学名誉教授）、福武敏夫先生（亀田総合病院）、清水俊彦先生(東京女子医科大学)、眞鍋雄太先生（神奈川歯科大学）といった方々にお願いし続けておりますが、新たな充実した企画が今後増えることになりました。
当日の講義の組立ては以下の通りでした。
１． 一次性頭痛を極める
片頭痛－世界における偏頭痛の有病割合、問診のポイント、好発年齢、原因仮説、発作時の脳内で起きていること、典型的な片頭痛患者のイメ―ジ、治療薬（頓用、慢性）、発作予防薬、
ＣＧＲＰをターゲットにした抗体医薬、妊婦の偏頭痛、授乳中の偏頭痛
緊張型頭痛－両側性、分類、反復性頭痛の年間有病率、慢性緊張型頭痛の年間有病率、治療、イメージ
三叉神経・自律神経性頭痛－一側性、頭痛と同側の自律神経症状を伴う、群発頭痛とイメージ、急性期治療、予防治療、発作性偏側頭痛、SUNCT/SUNA
その他の一次性頭痛－一次性咳嗽性頭痛、一次性運動頭痛、性行為に伴う一次性頭痛、寒冷刺激による頭痛、睡眠時頭痛、頭蓋外からの圧力による頭痛、一次性穿刺様頭痛、貨幣状頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、一次性雷鳴頭痛、お天気・気圧の変化による頭痛、診るコツ、red　flag
可逆性脳血管攣縮症候群（RCVS）、
２． シンプルに考えるしびれの診察
しびれの意味と使われ方、大事なことは局在を考える、脳病変、顔面、上肢、下肢、四肢遠位・末梢神経、片側上下肢、体幹、バラバラ、頸椎症、下肢・末梢神経障害、腰椎症、四肢遠位、脊髄病変
午前の講義は、まとまった なかなかの素晴らしい内容でした。
３． 神経診察の原著（の世界）探訪－錐体路兆候とは？BarreとMingazzini―軽微な上肢麻痺の検出法
Babinski兆候、Charcot（反射）と三浦謹之助、橋本綱常、吉村喜作、Babinski兆候と芸術・文学・絵画
４．作曲家を苦しめた神経疾患
　　ヘンデル　脳梗塞、メンデルスゾーン　くも膜下出血・脳出血、シューマン　右手の障害、ワーグナー　頭痛、ラヴェル　失語症、ガーシュウイン　脳腫瘍・てんかん、ショスタコーヴィッチ　筋萎縮性側索硬化症、 ベートヴェン　難聴　　
午後の講義は、著名な疾患や兆候、音楽家の経緯やエピソード等を知るにつけ、作品を奥深く理解できるための一助になるような気がいたしました。

質疑では以下の質疑が行われましたが、ここでは一部の質問のみを記し、回答を希望される方、興味あ
る方はDVDないし動画をお買い求めいただきまして、ご確認下さい。
Ｑ１．投稿者自身は群発性頭痛でした。痛み発作は短時間の３時間以内でなく２４時間は継続しました。一定レベルで続きました分類をお願いします。　Ｑ２．雷鳴頭痛を具体的な症状？を教えてください。Ｑ３．手掌の多汗症はどういう原理で起こるのでしょうか？　Q4．冬なのに大量に汗をかくことがある現象は自律神経のいじょうなのでしょうか？　Ｑ５．腰のＳＬＲは何を見ておられるのでしょうか？　Ｑ６．（薬剤の）タリージェは2.5　5　10　15と4剤型ありますが、眠気など予防に、実際どのように開始されますか？　例：2.5mgから開始とか、夕のみとか、朝少なく、夕多く等？　Q７．最後の症例についてですが、つっぱり→症例→上位障害との事。他方、麻痺→同レベルでの障害などとのことで良いでしょうか？　Ｑ８．高齢の女性の慢性頭痛ですが、片頭痛と緊張型が合わさったような頭痛ですが、漢方薬、ロキソニン、カロナール等を飲ませると楽になるようです。どういう薬物療法をされますか？　
Ｑ９．高齢者の頭痛の発作予防で、バルプロ酸等を使うことを学びましたが、詳しい解説をお願いします。　Ｑ１０．ご自身で楽器の演奏をなさいますか？　好きな音楽家、曲がありましたらお教えください。

■講師　井口正寛 先生
 
＜略歴＞
2002年日本大学卒業。東京女子医科大学脳神経内科、福島県立医科大学脳神経内科を経て、現在フリーランス。
＜資格＞
脳神経内科専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医。医学博士。
＜著書＞
「ジェネラリストのための神経疾患の診かた（中外医学社；2020 年）」、
＜編集＞
「Hospitalist 特集：脳梗塞 （メディカルサイエンスインターナショナル；2022年）」
＜訳書＞
「症状や所見からアプローチする めまいのみかた（メディカルサイエンスインターナショナル；2020年）」
＜DVD＞
「Dr 前野のスペシャリストにQ！【神経内科編】ケアネット、2016 年 」など）