総合診療系

輸液・栄養管理を学び直す実地臨床家に必要な輸液・栄養管理の基礎知識 

s00765
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時代は、経験的な管理から科学的根拠に基づく管理へ

■講師 谷口英喜 先生(済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/栄養部 部長)
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【セミナー概要】
輸液・栄養管理は、全身管理の基本です。全ての治療中において、体液異常・栄養障害を早期に発見し、適切な介入を実施することが望まれます。特に、超高齢化を向かえたわが国では医療現場でも輸液・栄養管理はますます重要度が高まりました。本医療技術セミナーでは、日常診療における体液異常・栄養障害への科学的根拠に基づいた対応を学びます。また、急性疾患から緩和ケアまで、病態に応じた輸液・栄養管理に関して概説します。治療をスムースに進められるように、この機会に、科学的根拠に基づいた輸液・栄養管理を学んでみませんか。皆様、奮ってご参加ください。

午前の部(10:00~12:00) 栄養管理
1) 栄養状態の評価法; 従来の評価法から最新の評価法(GLIM基準、SNAQなど) まで解説。
2) 栄養介入法の選択; 経口・経腸・経静脈投与の選択基準について解説。
3) 高齢者の栄養管理;サルコペニア・嚥下障害などへの対応を解説。
4) 手術前後・重症患者の栄養管理;NSTや最新の考え方を紹介。
5) 病態に応じた栄養管理;肝・腎疾患・IBD・緩和ケアなどへの対応を解説。

午後の部(12:30~14:30) 輸液管理
1) 歴史から学ぶ水・電解質補充輸液の選択法;日常診療でよく使う細胞外液補充 液から膠質輸液まで解説。
2) 投与量の設定とモニタリング法;輸液量の決め方と投与中の指標について解説。
3) 電解質を補正するための輸液プラン;電解質異常の補正法について解説。
4) 栄養を補充するための輸液プラン;栄養不良患者への栄養輸液プランを解説。

セミナー要綱

セミナーNO. 765
開催日 2024年2月11日 10:00~14:30
講師 ■谷口英喜 先生(済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/栄養部 部長)
診療科目 総合診療
DVD価格 3,300円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■2月11日に開催しました、第765回医療技術セミナー『輸液・栄養管理を学び直す-実地臨床家に必要な輸液・栄養管理の基礎知識;時代は経験的な管理から科学的根拠に基づく管理へ』は盛会裡に終了しました。
講師には、済生会横浜市東部病院患者支援センター センター長/栄養部 部長であります谷口英喜先生をお招きしました。昨年の7月30日夕刻の『実地医家のための 熱中症・脱水の予防、診断、対処法-子供たち、高齢者のいのちを守水分補給、飲水学』(#760;2023年7月)の開催以来2回目のご出演です。
今回は、ここ30年ですっかり様相が変わってしまったこの領域です。そもそもは、約50年前、外科手術後の輸液には、生理食塩水だけではなくて、亜鉛やカリウム、マグネシウム・・・といった微量元素が必要だ・・・といった認識が急速に広がっていった時代からです。谷口先生は、現在、この領域の治療ガイドライン作成の中心人物であり、斯界のトップランナーのお一人です。谷口先生が,講演の最初にふれられた世界の臨床栄養関連の学会ですが当時、臨床栄養学会、外科代謝栄養学会、静脈・経腸栄養学会等の関連学会がいくつも組織された時代ですが、活動の中心になられた研究者に当時の千葉大学外科(その後高知医科大学へ、最終的には学長就任)の小越章平先生、阪大の岡田正先生等でした。主宰子もこの頃、学会に仕事を得て、この世界を知ったのでした。
当日の講義の組立ては以下の通りでした。

午前の部 「栄養管理」
1) 日常臨床で使用される生化学的検査の“アルブミン値”指標だけでは栄養評価の精度は低い
他に言葉の厳密な使用について解説
1)栄養状態の評価法   栄養アセスメント:考え方、対象等によりいくつも作成されている
            各ツール、これからGLIM基準
2)栄養介入法の選択  経口、経腸、経静脈、他に腸、経鼻十二指腸チューブ、経食道  
If the got works, use it !
3)高齢者の栄養管理  BMI,認知機能障害、サルコペニア・フレイルが加味する要素
サルコペニア、高タンパク、リハビリテーション
4)周術期の栄養管理  サルコペニアと術後合併症、過剰栄養、術後食、肥満患者のリスク、婦人科、
           絶飲食期間短縮、ERAS 
5)重症患者の栄養管理   高エネルギー・タンパクを回避
午後の部 輸液管理
1)歴史から学ぶ水・電解質補充輸液の選択法  リンゲル先生、リンゲル液、細胞外液補充液
                 水電解質補給輸液、細胞内液補充液+栄養素
2)投与量の設定とモニタリング法  
3)電解質を補正するための輸液プラン  
4)栄養を補充するための輸液プラン  栄養輸液、
まとめ:細胞外補充液が最も使用されている。細胞内液補充液では3号液。細胞外液補充液は歴史で学ぶ。血管壁は水電解質とともに通過。非蛋白熱量/窒素(NPC/N)比。浸透圧比3までは末梢輸液が可能。4-2-1ルール:Holiday segarの式。栄養輸液は3号液がベース。
質疑では以下の質疑が行われましたが、ここでは一部の質問のみを記し、回答を希望される方、興味ある方はDVDないし動画をお買い求めいただきまして、ご確認下さい。
Q1.アルブミンの値は採決後急速に変化、低下するとのことですが、どのくらい下がるのでしょうか?
Q2.NASの推奨品はありますか? Q3.ホーエーを含むサプリメントのお奨め品はありますか? Q4.民間療法でも断食療法が、推奨されたりしますが、オートファジーなど、その他の事も含め、断食療法(糖質制限等も)の有用性を示す論文などの情報をお教えください。 Q5.向精神薬のため、食欲が変容して
いる精神疾患患者は経管栄養しか選べません。さらに多くの患者で消化管機能は、低下しています。精神疾患患者に対する特有の栄養方法があれば教えてください。さらに、自己抜去が頻繁に発生します。つまり、精神疾患患者の栄養管理は術後腸管麻痺病態に対する栄養管理と考えていいですか? Q6.リベルサスの体重減少や食欲低下薬はどう評価されますか? Q7.外来の血液検査で高CL血症や低CLなのだけれど元気な患者を見ますが、どう考えれば宜しいのでしょうか? Q8.高K血症はロケルマブを使っています。エンレストを使っている患者さんに使うことが多いです。高K血症の治療で注意すべきポイントをお教えください。

■講師 谷口英喜 先生(済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/栄養部 部長)
<略歴>
1991年 福島県立医科大学医学部卒業、横浜市大麻酔科入局
2011年 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科 教授
2016年 より現職
東京医療保健大学大学院客員教授
神奈川県立保健福祉大学大学院看護領域臨床教授
慶應義塾大学麻酔科学教室非常勤講師
<マスコミ>
脱水症・熱中症・周術期管理の専門家として、テレビ・ラジオなどを中心に多数出演
<著書>
「いのちを守る水分補給 」 評言社 、
「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本(同)、
経口補水療法ハンドブック(同)、 他 多数
<資格>
日本麻酔学会専門医
日本集中治療医学会専門医
日本救急医学会専門医
日本静脈経腸栄養学会指導医
日本外科代謝栄養学会教育指導医

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