整形外科系

実地医家のための今日から使える’’痛み’’の診療

s00758
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病歴聴取 OPQRST の基礎からその一歩先の思考まで

■講師 高橋 良 先生(昭和大学附属東病院 リウマチ・膠原病科 助教)
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【セミナー概要】
今回は、内科外来において、もっとも多い主訴の一つ、『痛み』の病態推論を基本に戻って見直します。
痛みの問診術『OPQRST』 (Onset:発症様式、Provocative/Palliative:増悪/寛解因子、Quality:性状、Region/Related symptoms:部
位/随伴症状、Severity:重症度、Temporalcharacteristics:時間的特徴)をもっとも有効に使用するための思考回路と問診テクニックとは? 患者さんが訴える様々な『痛み』に対して、‘‘なんとなく診療‘‘にならないために、効率的、かつ正確な病態評価のための考え方を提案いたします。内科の先生のみならず、『痛み』診療に携わるすべての先生方、ご参加をお待ちしております。
皆様、奮ってご参加ください。

10:00-12:00 午前の部  12:30-14:30 午後の部
1.痛みの問診の基本 OPQRST
2.狙いを定めた病歴聴取 OPQRST を使いこなす腹痛・胸痛・頭痛・etc…
1 日かけて、総論と各論を行ったり来たりします!

セミナー要綱

セミナーNO. 758
開催日 2023年12月3日 10:00〜15:00
講師 ■高橋 良 先生(昭和大学附属東病院 リウマチ・膠原病科 助教)
診療科目 整形外科、リウマチ・膠原病
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■12月3日(日)に開催しました第758回医療技術セミナー『今日から使える“痛み”の診療-病歴聴取OPQRSTの基礎からその先の一歩先までの思考まで』は盛会裡に終了しました。
講師には、昭和大学医学部附属東病院リウマチ膠原病科 助教であります高橋良先生をお招きしました。今回で4回目のご出演です。ちなみにこれまでのテーマ等ですが、①『血管炎の病態推論 臨床アタマの鍛え方 いわゆる診断基準を斬る』(#685;2022年3月27日)、②『これってリウマチ?!関節診察のロジックとピットフォール』(#709;2022年12月4日)、③『ステロイド薬-使用のコツとピットフォール:怖さを知り,そして克服する。ステロイド使用、医師に課せられること-学べば学んだ分だけ怖くなる!?患者さんのベストライフサポーターを目指す』でした。どれもが、なかなかユニークで斬新な着想による“臨床推論”の展開でした。
当日の講義の組立ては以下の通りでした。

1.「痛み」の問診の基本 OPQRST
Onset:発祥様式  Provocative/Palliative 増悪因子/寛解因子  Quality:性状
Region/Related symptons:部位/関連症状 Severity:重要度 Temporal characteristics:時間的特徴 :
2.狙いを定めた病歴聴取OPQRSTを使いこなす
  神経痛・精神疾患以外はすべて緊急  腹痛・胸痛・頭痛・etc

時間があったので臨時に以下のお話をしていただきました。「3.EBMについて思うこと」
高橋先生は、冒頭 ウイリアム=オスナーの次の言葉 「Listen to the patient, he is telling you the diagnosis.~William Osler ~」(患者の言葉に耳を傾けよ。そこに診断がある)を挙げられ、常に座右の銘としているとのことでした。
主宰子にとって、特に興味深かったお話しは、時間が余ったからと日頃からお話ししたかったお話しをさせてもらう・・・ということでの「EBM(Evidence-based of Medicine) を考える」でした。臨床研究の世界で、一番権威あるjournalといえばNew England J. of MedicineやScience、Natureといったimpact Factorの高いjournalだということになっております。そこに掲載される論文に注目が集まることになるわけですが、そのNew England J. of Medicineに厳しい査読をくぐり抜けてきた評価の高い論文が掲載されたら一斉に注目が集まる、就いてはevidenceがあることになるのですが、逆に、そのjournalに載る論文のデータも結論もある時真逆にひっくり返ることがあり、Evidenceといわれてきた結論・評価もまたひっくり返るわけです。そういう意味で私ら臨床家はやっていられないわけです。結局 評価が変わりえる臨床的なエビデンスではなく、基礎的な部分の評価が固まっている部分をきちんと繰り返し実践することになる・・・訳です、とのことでした。
他に興味深いお話しとしては、患者が救急車で救急外来に運ばれたら、医師が実際に診て診断する前に、ルーティンに色んな検査が自動的に進んでしまう・・・。そこに医師が初めて診ることになり、追加の検査が必要であれば依頼して・・・という段取りになっている。患者さんと費用にとっては高くなり、気の毒な面がある。また、膠原病の外来診察は、1時間で 6~8名の患者をこなすことになり、短時間できちんと診ることはなかなか困難なんです・・・というこぼれ話も聞けました。
次に、質疑では以下の質疑が行われましたが、ここでは一部の質問のみを記し、興味ある方、回答を希望される方は復習用DVDないし動画をお買い求めいただきまして、ご確認下さい。

Q1.(前回のセミナー“ステロイド”に続き、本当に分かりやすい講義をしていただき有り難うございます。聞き逃したのならすみませんが)心窩部痛で、上腹部(腹腔)神経節所属のお話しですが、心筋梗塞などの痛みも同神経節に属しますか? あるいは他の機構でしょうか? Q2.腹膜体制痛と腹壁内病変を取り違う可能性はありますか?(カーネット兆候陽性の場合)。左下腹部の指2本分くらいのかなり限局的な腹部圧痛あり腹筋緊張させると圧痛が増加し、前皮神経絞扼症候群の可能性を考えましたが、CRP4のためCT施行したところ憩室炎でした。Q3.最後の23歳・女性の症例(高安病)で、PET-CT検査をなさろうと判断された決め手は何だったのでしょうか?!一般にPET-CT検査はしないようですが。

■講師 高橋 良 先生(昭和大学附属東病院 リウマチ・膠原病科 助教)
<略歴>
05 年 昭和大学初期臨床研修医
07 年 昭和大学救急医化学科
09 年 昭和大学リウマチ膠原病内科
13 年 日赤医療センターアレルギー・リウマチ科
14 年 昭和大学リウマチ膠原病内科 助教(現職)
<著書>
『本当に使える症候学の話をしよう~とことんわかる病態のクリニカルロジック~』(2020 年、じほう社

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