内分泌代謝内科系

実地医家のための 甲状腺疾患の診かた

s00755
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■講師 渡邊奈津子 先生(伊藤病院内科 部長)
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【セミナー概要】
甲状腺疾患は頻度が高く実地医家の先生方が必ずふれる機会がある疾患です。本講演では、症例を提示しながらわかりやすく解説しクリニカルパールやピットフォールをお示ししていきます。甲状腺機能異常を中心に総復習し明日の診療へお役立ていただけますと幸いです。
近年、バセドウ病治療ガイドライン 2019、甲状腺クリーゼ診療ガイドライン 2017、甲状腺眼症診療の手引き(2020)、甲状腺ホルモン不応症診療の手引き(2023)などが策定されより適正に治療を行うことが可能となりました。また、分子標的薬をはじめとする新規薬剤により薬剤性甲状腺機能異常を呈しうるため、様々な診療科の先生方が甲状腺機能異常の管理を行う場面が増えています。そして、甲状腺機能低下症は、最も頻度が高い一般的な内分泌疾患ですが、その診療では多くのピットフォールが存在します。甲状腺眼症の新規薬剤の展望や、COVID-19と甲状腺疾患、甲状腺疾患とAIなど興味深いトピックスがございます。皆様、奮ってご参加ください。

午前の部(10:00~12:00) 「甲状腺中毒症」
①診断・鑑別のポイント
②バセドウ病の診断と治療 -バセドウ病治療ガイドライン 2019 とその後の課題
③破壊性甲状腺炎―亜急性甲状腺炎と無痛性甲状腺炎を中心に薬剤性を含めて
④潜在性甲状腺中毒症―自律性機能性結節を疑うには

午後の部(12:30~14:30) 「甲状腺機能低下症」
①診断・鑑別のポイント
②甲状腺ホルモン補充療法を最適に行うには―標準治療とピットフォール
③潜在性甲状腺機能低下症はどう管理するか
「トピックス」
甲状腺眼症診療のポイントと新規薬剤の展望、COVID-19 と甲状腺疾患、甲状腺疾患のAI 診断など

セミナー要綱

セミナーNO. 755
開催日 2023年11月19日 10:00〜15:00
講師 ■渡邊奈津子 先生(伊藤病院内科 部長)
診療科目 内科、内分泌代謝内科
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月19日(日)に開催しました第755回医療技術セミナー『実地医家のための 甲状腺疾患の診かた-クリニカルパールとピットフォール』は盛会裡に終了しました。
講師には、東京・原宿にあります伊藤病院内科 部長 渡邊奈津子先生をお迎えしました。初めてのご出演です。伊藤病院は、関西の隈病院と並び、甲状腺疾患の専門病院として評価がつとに高い病院です。同じく伊藤病院からは、2009年に吉村弘先生・向笠浩司先生をお呼びして以来、14年ぶりです(『伊藤病院における甲状腺疾患の診かた-甲状腺疾患の診療のコツとキモ』、2009年;#014)。
当日の講義の組立てですが,以下の通りでした。今回は「機能異常」について。「結節性病変」は次回に
始めに
  触診→びまん性甲状腺腫:バセドウ病、橋本病、びまん性単純性甲状腺腫、先天性疾患の一部
    →結節性甲状腺腫:悪性腫瘍、良性腫瘍/腺腫様病変、低リスク腫瘍、嚢胞
    →有痛性甲状腺腫:亜急性甲状腺炎、急性化膿性甲状腺腫、橋本病急性増悪、身分化癌、嚢胞内への出血

甲状腺中毒症
  1.診断・鑑別のポイント
  2.バセドウ病の診断と治療 薬物療法→抗甲状腺薬の選択  メルカゾール(MMI)、他(PTU)
  3.破壊性甲状腺炎 
  4.潜在性甲状腺中毒症
甲状腺機能低下症
  1.診断・鑑別のポイント 
  2.甲状腺ホルモン補充療法
  3.潜在性甲状腺機能低下症
Topics
  AIによる甲状腺機能異常の予測→ バセドウ病と無痛性甲状腺炎の鑑別法と課題
                 → 甲状腺機能異常の予測
  COVID-19と甲状腺疾患、 COVID-19コロナワクチンと甲状腺疾患
  バセドウ病・甲状腺眼症の新しい治療は?→Teprotumumab
  
甲状腺という臓器は、4cm位の 首の前部の喉の両側に羽を広げた蝶の形で存在する。
甲状腺疾患は、下垂体や視床下部と深い関係があり、甲状腺で合成され分泌されるホルモンの過不足により 生じ、過剰による病態、不足による病態がある。
甲状腺ホルモンは血液中に存在し、血液検査により検査する。抗体検査、Tg、CRP,エコ,核医学検査
症状は、中毒症の場合、倦怠感、暑がり、発汗過多、皮膚疾患・かゆみ、体重減少、イライラ
機能低下症の場合,倦怠感、寒がり、発汗低下、皮膚乾燥、体重増加、非圧痕性浮腫、傾眠
発症率 1,2%  女性に多い  潜在的な患者は多く、遭遇することが多い疾患である

なお、これまでの関連セミナーの開催実績
『内分泌代謝疾患診療のツボ(糖尿病除く)-内分泌代謝疾患の基礎から最先端までを習得する』(能登洋先生、#743)、『実戦甲状腺病診療講座1』(方波見卓行;#129;2011年)、『実戦甲状腺病診療講座2-一歩進んだ甲状腺診療に向けて』(方波見卓行;#313;2015年)、『明日からの診療にすぐ役立つ頚部エコー検査-唾液腺と甲状腺病変、頸動脈のエコー検査を一遍に診る』(杉山高;#072;4時間)『甲状腺エコーの有用性と日常検査に役立つエコー技術』(杉山高;2011年;2時間)、
『サイエンス漢方処方Ⅱ-9 内分泌代謝、他』(井齋偉矢;#722;2022年11月)

質疑では以下の質疑が行われましたが、ここでは一部の質問のみを記し、回答を希望される方、興味ある方はDVDないし動画をお買い求めいただきまして、ご確認下さい。
Q1.バセドー病でメルカゾール12mgヨウ化カリウム50mg投薬してもコントロールできず、メルカ増量する場合メルカの副反応が出やすい時期を過ぎてから増量する場合、この期間はどの位ですか? Q2.下垂体性甲状腺機能亢進、低下を診断するときの甲状腺MRIは造影で良いですか?ホルモン検索は具体的にどのホルモンを調べれば良いですか? Q3.潜在性甲状腺中毒症を早期に発見するためのポイントは? Q4.TSH,FT4,FT3正常、抗TGあるいは抗TPO抗体陽性の患者は橋本病と診断できますか?

■渡邊奈津子 先生(伊藤病院内科 部長)
【専門】 内科、内分泌代謝内科

<略歴>
1997 年 東邦大学医学部卒業
2009 年 東邦大学医学部内科学講座(大森)糖尿病・代謝・内分泌科 助教
2010 年 伊藤病院 内科
2016 年 伊藤病院 内科医長
2022 年 伊藤病院 内科部長
<学会活動>
内科専門医、内分泌代謝科(内科)専門医・指導医、内分泌代謝・糖尿病内科領域指導医、日本甲状腺学会専門医、日本糖尿病学会専門医、臨床遺伝専門医、日本内分泌学会評議員、日本甲状腺学会評議員、日本甲状腺学会理事
<著書>
2023 年 実地医家のための見つける・見逃さない甲状腺疾患の診断, 編著.日本医事新報社, 東京
<受賞>
2016 年 第 45 回七條賞,他

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