総合診療系

サイエンス漢方 処方 セミナーⅡ-10 耳鼻咽喉科 、訪問・施設・在宅 医療 、 外科 、心臓外科

s00753
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■講師 井齋 偉矢 先生(サイエンス漢方研究会 理事長,日高徳州会病院 院長)
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【セミナー概要】
漢方薬を診療に使いたい医師は多いのであるが、実際に使おうとしたときには、サイエンスに基づかない理解しにくい古典的運用法がネックとなる。
歴史的にみると試行錯誤で出来上がった漢方薬が先で、古典的運用法は後付けに過ぎない。
古典的運用法によらないで漢方薬を処方することを邪道と非難し認めない漢方の専門家も多い 。
しかし 漢方薬 は最近の研究で、薬理学が従来想定していなかった、超多成分の全く新しいタイプの薬剤であると考えないと、漢方薬を服用したあとに患者の中で起こることを説明できないことが明らかになりつつある。
これを踏まえて、今回の医療技術セミナー(シリーズ Ⅱ-1~9)では、サイエンス漢方処方という新しい切り口で漢方薬を認識し、新しい運用法によって全ての医師が漢方薬を的確に処方できるようにしたい。皆さま、奮ってご参加ください。

10:00-10:55 耳鼻咽喉科領域で役に立つ漢方薬~お悩みに答えて ~
耳鼻咽喉科の日常診療で悩んでいることを1人の耳鼻咽喉科医に伺いました。例えば「やはり不定愁訴や西洋薬では治療困難な場合ですね。」 回答例「めまいを例にとると、身体動揺感や精神的なものは漢方治療が適しています。五苓散や半夏白朮天麻湯が有用です。特に五苓散 2包の頓服はめまい発作には有用です。
11:00-11:55 訪問・施設・在宅医療 で役に立つサイエンス漢方処方
訪問・施設・在宅の患者さんは、①免疫能が低下しているので応答が悪く定型的な反応を」しない、②胃腸機能が低下しており食思不振と便秘がよく見られる③倦怠感を訴える、などの特徴がある。
漢方治療の目的は①免疫反応をあげる②胃機能と食欲増進③楽な便通④体力・活力アップ⑤気分を明るくする⑥しびれ・痛みの軽減 、などになる。
12:30-13:25 外科領域で役に立つ漢方薬〜お悩みに答えて〜
外科の日常診療で悩んでいることを3人の外科医に伺いました。例えば「 Q8. 胆管手術後の胆汁鬱滞 や、急性胆管炎で悩まされることが少なくないです。ウルソデオキシコール酸などの効果も限定的だと思われます。」 回答例「ウルソデオキシコール酸とは作用機序が全く違う茵蔯蒿湯の併用で胆汁鬱滞が 解消されるだけでなく、胆道への抗炎症作用も発揮される。
13:30-14:25 心臓外科 と漢方薬
心臓外科の日常診療で悩んでいることを1人の心臓外科医に伺いました。例えば「術後の余分な水分を除きたいので、通常は利尿薬を使いますがちょうどよいところで止められません。
また血管内脱水を来して、しばしば血圧低下や不整脈になります。」回答例「水分出納をコントロールする五苓散と心不全に有効な木防已湯を使うと効果的です。

セミナー要綱

セミナーNO. 753
開催日 2023年5月21日 10:00〜14:30
講師 ■井齋 偉矢 先生(サイエンス漢方研究会理事長 ,日高徳州会病院 院長)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■5月21日(日)に開催しました第753回医療技術セミナー『サイエンス漢方Ⅱ-10 お悩みに答えてシリーズ ㊽耳鼻咽喉
科、㉖訪問・施設・在宅医療、㊻外科、⑨心臓外科-漢方薬の作用機序を数理で解明;東洋医学とは本質的に異なる斬
新な運用法』は盛会裡に終了しました。
講師には、日高徳州会病院院長で、サイエンス漢方処方研究会理事長であります井齋偉矢先生をお招きしました。今回
で12回目です。サイエンス漢方シリーズは、身近でめぼしいテーマをピックアップして作ったシリーズⅠが2回、本格的に
取り組んで、途中からは「お悩みに答えて」シリーズに変わったのが全部で10回分です。井齋先生が独自に考案された「
新 サイエンス漢方」シリーズが約51編まで執筆を終了されており、今回でだいたい一通り取り上げが済む・・・という状況
ですが、まだまだ続きます。以降は あまた存在する「診療ガイドライン」ごとの漢方処方シリーズの執筆が始まります。
今回のサイエンス漢方Ⅱ-10の講義の組立ては以下の通りです。

1. 耳鼻咽喉科
Q1.アレルギー性鼻炎の漢方                
Q2.外耳炎の治療の漢方は?
Q3.急性低温障害型感音難聴(内リンパ腫)の漢方   
Q4.高齢者の持続する加齢性めまい・浮揚感治療の漢方
Q5.嗅覚障害と味覚障害のcovid-19、あるいは後遺症の治療と漢方
Q6.副鼻腔所見がないのに後鼻漏感が持続する症状時の漢方
Q7.好酸球性中耳炎・副鼻腔炎。上気道と副鼻腔・中耳・乳突蜂巣上皮の炎症の漢方
Q8.耳鳴り診療で使用される漢方
Q9.アレルギー性鼻炎の漢方を中心とした服薬指導
Q10.しつこい咳。 遷延する乾性咳嗽と、湿性咳嗽の漢方

2.訪問・施設・在宅
  Q1.便秘  Q2.食欲不振  Q3.溜飲  Q4.免疫能低下(虚弱・フレイル  Q5.認知症の行動心理症状(BPSD)  Q6.しびれ・痛み  
他に、診療を支える人を支援するための漢方治療

3.外科
Q1.肝切除の際の血行遮断の肝酵素の上昇、遷延。漢方処方の妙案は?
Q2.乳癌の術前化学療法でしびれや下腿のむくみの治療薬や予防薬は?
Q3.上腹部消化管術後の食事が摂れずに痩せ細っている状況での漢方による痛み対策は?
Q4.乳癌のホルモン療養中の更年期様症状の色んなタイプについての漢方処方の選択と理論は?
Q5.大腸切除後(特に結腸右半切除)で、排便困難、腹部膨満感を訴える患者への漢方治療は?
Q6.乳房手術で、翌日以降のじわじわ出血で、溜まってドレナージ出来なかった血腫の吸収についての漢方は?
Q7.幽門側胃切除術で、残胃排出遅延が在り、経口接種が進まない時の漢方処方は?
Q8.胆管手術後の胆汁鬱帯や、急性胆管炎の漢方処方は?
Q9.外科医の心と体のメンテナンスのために漢方処方を!

4.心臓外科
Q1.開心術術後の心嚢水・胸水。 感染を考慮した漢方処方は?
Q2.術後の鎮痛剤としての漢方処方は?        
Q3.術後の嘔気・吐気に対する漢方処方は?
Q4.術後の食欲低下に対する漢方処方は?      
Q5.ASO術後の下肢のしびれ・冷えに対する漢方処方は?
Q6.コレステリン塞栓症に対する漢方処方は?
Q7.せん妄、中でも昼夜逆転に対する漢方処方は?
Q8.経腸栄養剤投与にともなう下痢への漢方処方は?
 
漢方では対処できない例 :
1.抗血小板薬の補助になる漢方は?
2.胸骨正中切開時の皮膚のケロイドが楽になる漢方処方は?
3.術後の不眠。 睡眠導入が効かない人への漢方処方は?
  
質疑ですが、乾性咳嗽、湿性咳嗽、かぜ症候群についての漢方処方を中心に盛り上がりました。

■講師 井齋 偉矢 先生(サイエンス漢方研究会理事長 ,日高徳州会病院 院長)
<略歴>
75年北海道大学医学部卒業。
同年北海道大学第一外科に入局し現在同門。
医学博士。専門は消化器・一般外科、肝臓移植外科。
88年から3年間、オーストラリア・シドニー大学オーストラリア肝移植ユニットで肝臓移植の臨床および実験に従事。帰国後、独学で漢方治療を本格的に開始。12年にサイエンス漢方処方研究会を設立し、現代医学にのみ立脚した「サイエンス漢方処方」の普及に努めている。
07年より北海道日高郡・医療法人静仁会静仁会静内病院院長。
18年9月1日病院名を医療法人徳洲会日高徳洲会病院に変更。
 
最新刊として『新型コロナと速攻!漢方』(青春出版社;2021.9)が、あります。

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