消化器科系

改訂版 便秘を視覚化することにより顕在化する課題

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便秘の診断に腹部単純X 線を活用しよう!

■講師 西野徳之 先生(総合南東北病院消化器センター長)
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【セミナー概要】
腹部単純X線の診断の有用だが、残念ながら実臨床ではあまり活用されていない。では、腹部単純X線が最も外来診療で役立つ診断は?というと『便秘』の診断なのです。
ガイドラインではあまり重要視されていませんが、腹部単純X線でなければつけられない便秘の診断症例は少なくないのです。
「お腹が痛い、背中が張る、おしっこが近い」などの症状を訴える方が「便は毎日出ている」と言うと通常便秘という診断にはなりません。しかし、腹部単純X線で『宿便』があると便秘かもしれないということで診断的治療をすると「便が以前よりもかなり出るようになった」「先の症状が改善した」と言ってもらえることがあります。この場合、「毎日便が出るのに症状の原因は便秘であった」ということになるわけです。
もちろんCTでも診断はできますが、すべての方にCTを撮影するわけにはいきません。被爆が少なく、安価で有用な腹部単純X線を使いこなしましょう。何よりも『便秘』はcommon diseaseで多くの方が抱えている日常的な病態です。もしかしたら不定愁訴と言われかねないunmet needsを抱えた患者を救うことが出来るかもしれません。
本講演では『便秘』の症例の振れ幅を認識し、便秘のEBMを一緒に考えてゆきます。
世に便秘の講演は数多あれど、これほど臨床に役立つ講演はないと思います。
 
本講演では腹部単純X線の有用性を症例提示を通して紹介し、所見の捉え方、患者の症状と照らし合わせた臨床推論の仕方を解説する。普段読影に慣れていない方にcoachingを目的とした講義を行う。明日からの診療に腹部単純X線を用いて診療に役立てていただきたい。
皆さま、奮ってご参加ください。

■ 講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断りします)
午前の部(10:00~12:00)
『改訂版 便秘を視覚化することにより顕在化する課題―便秘の診断に腹部単純X 線を活用しよう!』
「便秘」を問診だけで診断するのではなく、客観的に画像を用いて診断することで、診断の精度が上がる。
患者の訴える症状が必ずしも病態を表しているわけではない。『便秘』の疾患の振れ幅、鑑別診断、患者の便秘の程度の違いなどを症例呈示しながら解説する。

午後の部(12:30~14:30)
『透視力を鍛える!ここまで読める腹部単純X線診断』
初診時に腹部症状を訴える患者の診察時の腹部X線撮影すると意外な診断に繋がることがある。最新の経験症例を交え、症例の紹介と腹部単純X線の読影の仕方をcoaching する。
結腸癌、肝腫瘍、腸閉塞、ヘルニア、心不全、腹部大動脈瘤、腹部腫瘤、便秘などの症例を供覧します。

セミナー要綱

セミナーNO. 750
開催日 2023年8月20日 10:00〜15:00
講師 ■西野徳之 先生(総合南東北病院消化器センター長)
診療科目 消化器内科
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■8月20日に開催しました第750回医療技術セミナー『改訂版 便秘を視覚化することにより顕在化する課題 -便秘の診断に腹部単純X線を活用しよう!』は盛会裡に終了しました。

講師には、福島県郡山市にあります財)脳神経疾患研究所附属総合南東北病院消化器センター センター長 西野徳之先生をお招きしました。 13回目です。西野先生が一貫して訴えてこられた点ですが、2004年に日経メディカル誌で主宰子も読ませていただきましたが、ただただビックリでしたし、感動を覚えました。「腹部診療に一枚のX線写真を撮って便秘や腸閉塞、大腸癌等の診療に活かす・・・」との主張でした。胸部X線写真を撮る事は常識でしたが、「腹部のX線写真を撮る」事を主張される医師は、あの時代とてもとってもユニークだったと思います。確かに、CTやMRIを備えている開業医さんは多くないにしても、X線の撮影装置はほとんどの施設は備えていて、理に叶っているといえるでしょう。それ以来、 このテーマを軸に、西野先生には、「外来診療は症例の宝庫-診断のブレ 前編・後編、第3弾」(#403、#375、#438)、「肝胆膵疾患の診断と治療」(#577、#302、#243)、「膵癌の早期発見、症状」(#483)、「苦痛のない内視鏡検査-細径胃内視鏡の達人になろう!」(#210)、そして「腹部X線写真画像トレーニング・読影演習」(#265、#077)、「腹部単純X線写真を学び直す」(#519、#750)など、お願いし続けて参りまして、今回のセミナー企画となりました。なお、関連するセミナーとしては、『画像で描く慢性便秘』(久里浜医療センター内視鏡部 水上健先生;#525)がありました。また、便秘の薬物療法については『便秘症の薬物療法』(慶應大・東海大 鈴木秀和先生;#559、#498)もあります。
西野先生には、コロナ直前の2019年11月のセミナー以来の約4年ぶりですが、東京へ出てきたのも講演も4年ぶりです、とのことでした。西野先生のブログ等を拝見すると、『ココまで読める! 実践腹部単純X線診断』( 中外医学社9,720(税込)の他に「『良医となるための100の道標~研修医諸君! 本音で「医道(いのみち)」を語ろう~』(日経BP社 3,024円(税込))があり、人間性の豊かさをうかがい知れるところでもあります。さすがに,北海道利尻島や稚内、根室などで地域医療に邁進されてこられ、苦労を重ねてこられた結果なのでしょう。
さて、講義の組立ては以下の通りでした。

『便秘を視覚化することにより顕在化する課題-便秘の診断に腹部単純X線写真を活用しよう』
午前の部
「便秘」の診断に大切なこと  問診以外に画像診断で行おう!  病態の認識を画像診断で行う!
腹部の撮影の基本は『臥位』で撮影する  便通は有るのに自覚のない便秘症例がいる=『かくれ便秘症』
内視鏡実施前に1枚の腹部写真のX線写真撮影を!    「便秘」は人により千差万別
  20症例  便秘は治療が必要-かくれ便秘の発見 看過すると死に至る-腸管穿孔
       高齢者は便秘になりやすい、  閉塞-癌の存在か?  糞石・宿便の存在
       若い女性-乙女性便秘  高齢者便秘-フレイル便秘―踏ん張りきれない?
       直腸性便秘   弛緩性便秘  各種下剤と薬価  巨大結腸症  頻尿  盲腸下垂
午後の部
  41症例  便秘の振れ幅  パーキンソン+神経疾患  糖尿病  頑固な便秘  Megacolon
       骨折・寝たきり  便秘なの?  浣腸の必要な時
  「心眼」で診る  「心眼」を鍛えれば、誰にだって診れるようになる。 すべては患者さんのために

お話しを聞いていると、横行結腸が便でパンパンに膨らみ下垂している症例、逆に横隔膜を越え食道に達しようとしている症例、盲腸が固い糞石でいっぱいに詰まっている症例、 S字結腸や直腸に便が詰まることにより上がっている症例、遊走腎の症例、等 これでもかこれでもか・・・と時間を越えて61症例というたくさんの症例写真を見せていただくとともに、解説をしていただき、各々の症例の深刻さに驚かされました。西野先生は、こういう症例をたくさん見ておいていただいて、実際に症例に遭遇したときに「気づき」でひらめいて欲しいと訴えられているのだと思います。
質問:午前:Q1.便潜血があった患者さんですが、痔疾でも潜血反応は+になるんですか?Q2.大腸ポリープが見つかったら取ってしまった方が良いですか? 大きさ、個数によりますか?Q3.上行結腸に便が詰まっている症例の場合は詰まった原因は何と考えられますか? Q4.大腸にまんべんなくびっしりと糞石が見つかった場合、良性と考えても良いですか?Q5.主訴が、大腸からの時々の出血で、多発性粘膜症候分についてお教えください。また、出血の原因についてもお教え下さい。
午後:Q1:症例37の画像の中の上部のガス像の原因は?Q2:小腸内の糞便について

■講師 西野徳之 先生(総合南東北病院消化器センター長)
<略歴>
87年 自治医科大学卒業
87年5月-89年5月旭川医科大学第 3 内科研究生(旭川保健所勤務)
89年6月-92年5月市立稚内病院内科―利尻島国保中央病院内科
94年6月-96年9月利尻島国保中央病院院長
96年10月-00年3月新井病院―北成病院
00年4月-9月市立根室病院内科医長
00年10月-郡山市・総合南東北病院消化器センター内科消化器内科科長
07年4月-消化器センター長 (現職)

<著書>
「腹部単純Ⅹ線写真の読影のしかた」(10年、中外医学社)
<資格>
認定医:日本消化器内視鏡学会認定医、日本消化器病学会認定医、認定産業医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医。

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