呼吸器科系

ジェネラリストの ための 胸部単純X線写真読影の 上級編 アートと サイエンス

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■講師 長尾大志 先生(島根大学医学部地域医療教育学 教授)
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【セミナー概要】
今さら胸部X線写真をやり直すの?と思われるかもしれません。胸部単純写真読影なんて、基本中の基本。でも、本当に 「きちんと」読影できているか、確認する機会はなかなかありません。また、今はCT時代、と思われる方も多いかと思いますが、気軽に・繰り返し・すぐに撮れる、1枚パッと見て肺の全貌がわかる、という意味では胸部X線写真に軍配が上がります。 今回の医療技術セミナーの具体的な目標は「陰影の存在を見逃さない」、「○○(場所)に○○影」をきちんと指摘し、かつ、一歩踏み込んだ読影が出来るように、必要な情報と方法をご紹介します。 昨今のキーワード「医療はアートとサイエンスである」と申します。胸部X線写真のアートとは「こんなところまで読めるのか!」という驚きであったり感動 であったり、そしてサイエンスは冷 静に異常影を発見する理論の部 分を指します。 ぜひ先生方の日常臨床のお役に 立てていただきたいと思います。 皆さま、奮ってご参加ください。

セミナー要綱

セミナーNO. 732
開催日 2023年6月4日 10:00〜15:00
講師 ■長尾大志 先生(島根大学医学部地域医療教育学 教授)
診療科目 内科、呼吸器内科
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■6月4日(日)に開催しました第732回医療技術セミナー『ジェネラリストのための 胸部単純X線写真読影のアートとサイエンス 上級編』は盛会裡に終了しました。
講師には、CAREネット等でご活躍中で、Best Teacher賞を何度も受けておられる、島根大学医学部地域医療教育学教授長尾大志先生をお招きしました。10回目ですが、この間いろいろな課題やテーマに精力的に挑戦しつづけていただいて来ました。前回のご講演は、2020年8月下旬でしたが、その年の2月から新型コロナウイルスの感染拡大が始まっており,島根県は”陸の孤島”(長尾先生談)であり、当時は感染拡大が日本で一番遅かったので、ウイルスの持ち込みにも特に厳しかった状況で東京への出張許可が降りないところで、急遽Webセミナーの形で開催させていただいたモノでした。しかも、その年は東京オリンピックの開催予定があり、講演のタイトルも「胸部単純X線写真読影オリンピック」という名前でお話しをお願いしましたが、オリンピックは1年開催延期されるという状況でした。なお、長尾先生は、今年の4月以降、 地域医療教育学センターに移られ、地域医療のやり方と後進の育成にポイントを移されているようです。
 
今回の講義の組立ては以下の通りでした。
■午前の部
胸部X線読影~基本編~(読影のお作法)
 肺の部位の名称、読影の順番、肺の大きさ、無気肺、A-P window,肺門(肺動脈)、心陰影、横隔膜、毛細管現象、Niveauのあるなしの意味,見逃しやすい場所、よく使う線、白い陰影の意味、黒い陰影の意味、等々
 読影演習 17問(前編) 
■午後の部
 読影演習 31問(後編)  
後半の読影演習は、これでどうだ・・・と、ひたすらX線写真と向き合い、受講者に「左肺の“中肺野”の黒っぽい影・・・、右肺の下部の横隔膜辺の真っ白な部分・・・」と言ったように指摘しあい、講師に解説を加えていただき、ある程度の診断をしていただく作業の連続でした。

そもそも、この胸部X線写真の読影は、健康診断時の基本検査としても、あるいは咳や息苦しかったりの具合が悪い・・・という場合にも、聴診と血圧測定の次に調べてみる検査のひとつであろうかと考えます。が、X線写真の読影は診療のイロハのイとはいえ、誰もが端的に読影できるモノではなく、長い間に多くの写真に触れて読みこなして、いろいろと経験を重ねられてX線写真の読影が出来るようになるのであり、今後AIの活躍する余地があるかとは思いますが、“医師にとっては永遠の課題”であると言えるでしょう。“たかが”とは言いませんが、“されど”X線写真で、医療セミナーのテーマはたくさん在りますが、この「X線写真の読影」は、人気テーマの一つであると言えて、腕試しに来られる方が多かったものです。今回は「上級編」と銘を打ちましたので、恐れられたのかも知れません。
今回の症例写真のほとんどは、今回の講演のために集められたオリジナルなデータ写真であるとのことで(長尾先生談)、よくよく写真を見てみると、ある程度典型的な症例の写真が集められ、それもきれいな写真が集められていたように感じました。とにかく、X線写真は、撮影後はフイルムに白黒で残っており、読影作業は、白黒の微妙な陰影を読み取る分けです。今回、長尾先生は「アートとサイエンス」と表現されましたが、主宰子もテキストを作る際に、その微妙な陰影を残すために、暗すぎず薄すぎず・・・と、いろいろとコピーを取って試してみて納得が行った段階で作るようにしております。また、最近は、X線写真と並行してCT画像やMRI画像、時にはPET画像も見せて読影作業をする手法が多くなり、X線写真の陰影を入り口に、CT画像やPET画像により患部等がよりリアルな想像力を働かせられて理解できるようになってきております。

質問:薬剤性肺炎に関して、該当薬剤の服用開始後短期間で発症する例が多いですか?また、どういう薬剤が多いですか?

■講師 長尾大志 先生(島根大学医学部地域医療教育学 教授)
<略歴>
93年3月 京都大学卒業
  4月 京都大学胸部疾患研究所
94年-95年 住友病院内科医員
96年-00年 京都大学大学院博士課程
00年-01年 京都大学病院呼吸器内科医員
01年-02年 KKR京阪奈病院 内科医員
03年-04年 ブリティッシュコロンビア大学留学
05年 滋賀医科大学呼吸循環器内科医員
06年  同  助手(07年:助教)
12年  同  学内講師
15年  同  講師
17年  同  教育医長
20年 島根大学医学部附属病院 病院医学教育センター准教授(6月15日から)
23年  同  教授
13、16年度滋賀医大ベストティーチャー賞受賞
日本内科学会(認定医・専門医・指導医)、日本呼吸器学会(専門医・指導医)、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会(代議員)、日本医学教育学会

<著書>
20年 「Dr.長尾の たのしイイ呼吸ケアQ&A 100: 酸素・血ガス・ドレナージ…現場 ナースのギモンに答えます!」
19年「ぜんぶわかる 呼吸の事典」(監修)
19年「レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室第3版」
18年「呼吸器腹落ちカンファレンス」
18年「レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室第2版」
18年「現場で役立つ呼吸器診療レシピ」16年「まるごと図解 呼吸の見かた」
16年「やさしイイ血ガス・呼吸管理」他、
<ケアネットDVD>
18年 Dr.長尾の「胸部X線クイズ」初級編・中級編・上級編
16年 Dr.長尾の「胸部X線ルネッサンス」
15年 Dr.前野の「スペシャリストにQ!」【呼吸器編】

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