総合診療系

プライマリ・ケアの現場で役立つ一発診断7

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一目で見抜く診断の手掛かり

■講師 中川紘明 先生(福島県立医科大学総合内科)
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【セミナー概要】
忙しい日常臨床の外来では、多くの医師はいくつかのキーワードとなる病歴・身体所見を拾い上げ、時間をかけずに診断していると言われています。
一発診断(直観intuition)は、限られた重要な情報を的確に把握して仮診断し、自分の頭の中にストックされているillness script(重要な情報でまとめられた病気の脚本)と仮診断とが完全に合致しているかを検証するため、診断エラーになりにくいと言われています。しかし、症状・所見のみを取り上げて自分の過去の経験に短絡的に結びつけてしまうと、それは単なる直感(insight)になり、診断エラーにつながります。
本医療技術セミナーでは、今までに経験した症例をクイズ形式で提示し、皆様に一発診断していただこうと思います。また、鑑別診断とその鑑別ポイントについてもお話しし、プライマリ・ケアの外来ですぐに役立つ内容にしたいと思います。
皆様、奮ってご参加ください。

10:00-12:00 一発診断の実際? 
01:「1年前から下痢をしているんです・・・と70歳代女性」
02:「足が腫れているんです・・・と70歳代女性」
03:「首が痛いんです・・・と30歳代男性」
04:「胸が痛いんです・・・と20歳代女性」
05:「胸が痛いんです・・・と60歳代男性」
06:「足がしびれるんです・・・と30歳代女性」
07:「体がぴくつくんです・・・と20歳代男性」
08:「飲み込むたびに音がするんです・・・と40歳代男性」
 

12:30-14:30 一発診断の実際?
09:「喉が痛いんです・・・と50歳代男性」
10:「風邪をひいてから体がふらつくんです・・・と30歳代女性」
11:「足がそわそわするんです・・・と70歳代男性」
12:「震えが止まらないんです・・・と70歳代女性」
13:「爪が黒いんです・・・と70歳代女性」
14:「飲み込みにくいんです・・・と70歳代男性」
15:「眼がチカチカするんです・・・と40歳代女性」

セミナー要綱

セミナーNO. 711
開催日 2022年11月6日 10:00〜14:30
講師 ■中川紘明 先生(福島県立医科大学総合内科)
診療科目 総合診療系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月6日(日)に開催しました第711回医療技術セミナー『実地医家のための プライマリ・ケアの現場で役立つ一発診断7』は、盛会裏に終了しました。
 講師には、福島県立医科大学総合内科の中川紘明先生をお招きしました。今回で7回目です。同じタイトルで2019年11月から(#578)始まり、2020年1月 2回目(#593)、2020年11月(#617)3回目、2021年6月6日(#656)4回目、2021年10月17日(#673)5回目、2022年4月日と続き、今回が7回目に当たります。
 そもそも、ほとんどのクリニックや医院で行われている診療・診断は、患者さんはあそこが痛い、具合が悪い・・・との訴えで通われてくるのであり、初めから何らかの病名を額に貼られてお出でになるわけではないのです。患者さんによっては、前回と同じ症状で○○ではないかとの見当を付けてこられる方はおられるとしても、自己診断は危険だし大体は覆ることになります。医師は患者さんの訴えをよく聞き、何らかの疾患像・診断名をいくつも頭に描かれ(鑑別)、問診や検査等が行われ、疾患名が絞られて行き、最後に診断が確定され、基幹病院あるいは専門病院への紹介や、あるいはそのクリニックでの治療として投薬等が決定されていくわけです。しかも、そうした問診から一連の診療が一人の患者さんに約5分前後の時間しか費やされずに進行していくのです。現実に行われているそうした診療名・手法は”総合診療”と呼ばれているのはご承知のごとくです。この手法でのセミナーの場合、講師の方には呼びかける会場受講者が前提で、講師の呼びかけに答えて大まかな鑑別に挙げられる疾患名をいくつも挙げたり・・・のしっかりした会場受講者が複数で不可欠なのです。

 今回も、いつものように、年齢と性別、症状のポイントを事前に明らかにしておき、当日は検査所見やいろいろな事情を少しずつ明らかにされながら最初に持った印象=一発診断をいくつも挙げて、受講者との問答を中心に、疾患像を描いて、診断されていかれる・・・そんな総合診療の手法で進められました。
 事前に明らかにされていた症状は下記の通りで、14件でしたが、時間が余り急遽2件の質問をつく手下さいました。中川先生によりますと、これまでの6回の症例には連続性や関連性を持たせているし、・・・、半分はご著書で既発表分とは違い、新たな症例を使っているとのことです。
 と、言うわけで今回の症例は以下の通りでした。
01:「1年前から下痢をしているんです・・・と70歳代女性」
02:「足が腫れているんです・・・と70歳代女性」
03:「首が痛いんです・・・と30歳代男性」
04:「胸が痛いんです・・・と20歳代女性」
05:「足がしびれるんです・・・と30歳代女性」
06:「爪が黒いんです・・・と70歳代女性」
07:「飲み込みにくいんです・・・と60歳代男性」
08:「震えが止まらないんです・・・と70歳代女性」
09:「胸が痛いんです・・・と60歳代男性」
10:「足がしびれるんです・・・と70歳代女性」
11:「体がぴくつくんです・・・と20歳代男性」
12:「飲み込むたびに音がするんです・・・と40歳代男性」
13:「立ちくらみがするんです・・・と20歳代男性」
14:「眼がチカチカするんです・・・と20歳代男性」
15:「筋肉痛(胸部、臀部)、微熱、下痢熱・・・と60歳代男性」
16:「四肢の脱力・・・と80歳代女性」

 質疑ですが、会場からの参加はなかなか良いのですが、ネットからの参加は難しい・・という印象です。

 ところで、今回のセミナーから、新生なった「医療技術セミナー 日本メディカルスキルアップ」としての事業となります。
ご期待下さい!!

■講師 中川紘明 先生(福島県立医科大学総合内科)
<略歴>
愛知医科大学病院 総合診療科・プライマリケアセンター

2001年自治医科大学卒業。義務年限終了後も利尻島国保中央病院、市立根室病院などで北海道の地域医療に従事し、2015年9月から愛知科大学附属病院総合診療科・プライマリケアセンターへ。2020年10月から福島県立医科大学の現職へ

<資格>
日本内科学会認定内科医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医

<著書> 
「一発診断100」(文光堂;2011年)
「もっと一発診断100」
(文光堂;2016年)
「さらに一発診断100」
(文光堂;2019年)
「一発診断−あなたはひらめけるか!」
「プライマリ・ケア診療 診断エラー回避術」
「誤診の解体−」

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