実地医家のための 大腸内視鏡検査法の最新潮流
挿入法、診断、治療を中心に
■講師 池松弘朗 先生(国立がん研究センター東病院消化器内科 医長)
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【セミナー概要】
大腸癌の増加に伴い、今後も大腸内視鏡検査の増加が予想される。大腸内視鏡検査は、大腸癌の早期発見や予防に有用な検査であるが、挿入技術、ポリープの検出技術等の面で難易度が高い。さらに、病変を発見した際、リアルタイムでの的確な診断、治療方針の決定、更には安全な治療が求められる。
内視鏡挿入は、痛みの少ない挿入がベストであり、我々は軸保持短縮法を基本に挿入している。内視鏡診断においては、画像の高解像度化、拡大内視鏡や画像強調観察等の機器開発に伴い劇的に向上し、病変発見から質的診断までは、画像強調観察にて診断をし、深達度診断は更に色素拡大内視鏡観察によるpit pattern 診断にて治療方針を決定している。また、治療においても術後出血も少ないCold polypectomyの手技が登場し、小さな腺腫性腫瘍に関しては外来でも安全に切除できるようになった。
今回の医療技術セミナーでは、挿入法、診断、治療を中心に大腸内視鏡検査法について解説します。
皆さま、ふるってご参加下さい。午前の部 10:00〜12:00
1. 苦痛の少ない大腸内視鏡検査を目指して ―挿入法を中心に―
午後の部 12:30〜14:30
2. 見逃し少なく、また的確な治療方針を目指して ―診断・治療を中心に―
セミナー要綱
セミナーNO. | 696 |
開催日 | 2022年8月21日 10:00〜14:30 |
講師 | ■池松弘朗 先生(国立がん研究センター東病院消化器内科 医長) |
診療科目 | 消化器科系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■8月21日(日)に開催しました第696回医療技術セミナー『実地医家のための大腸内視鏡検査法の最新潮流−挿入法、診断、治療を中心に』は盛会裏に終了しました。
講師には、国立がん研究センター先端医療開発センター内視鏡機器開発分野 分野長/東病院消化器内視鏡科の池松弘朗先生をお招きしました。講師にお招きするのは初めてです。
この医療技術セミナーは、9月4日に開催予定のセミナー『上部消化管検査法』(#697;川田研郎/平澤俊明)と対の企画であり、現在の最先端の研究者と施設により、現状と展望を語っていただこうという企画です。
今回の『大腸内視鏡検査法』の領域では、検査・診断治療が最終目的ですが、その前に「挿入」というやっかいなステップが必須で、スキルアップでは、挿入法ではこれまで「水浸法」(後藤利夫先生)、「パワーレス挿入法」(結城美香先生)を取り上げて参りました。今回は新たな先生方に『軸保持短縮法』(工藤進英先生)という挿入手法でのお話をお願いした次第です。『軸保持短縮法』とは、直腸からS字結腸までの挿入するにやっかいな部分を畳込んで”短縮”して、挿入してしまう技法のようです。
今回の講義の組立ては以下の通りでした。
午前の部「苦痛の少ない大腸内視鏡検査を目指して」
挿入法をマスターするために
挿入法の基本 直腸、S字結腸部の突破、用手圧迫、体位変換
フード、挿入困難例、
今後の試み 尺取り虫、バルーン型、スパイラル型、
ソフトロボット、開発中の自動挿入システム
午後の部「見逃し少なく、また的確な治療方針を目指して」
診断 的確な治療方針 存在診断、質的診断、量的診断
見落としの原因 IEETXINBI
AI診断 PIT pattern Using RDI JNET
超拡大内視鏡によるAI診断
治療 内視鏡による治療 IEEによる拾い上げ診断
バイポーラスネアの有用病変
病変の大きさによる治療法 止血法 JCOG1612参加
序章で語られたのは、2020年における大腸癌の「がん罹患と死亡」が、男性では肺癌に次いで第二位、女性で、乳癌に次いで第二位という状況にあり、早急になんとかしないといけない国民的課題であるといえよう。
今回は、この3年来の新型コロナウイルス(・オミクロン株BA型5)の感染拡大第7波が急速に進んでいる状況下で、Webセミナーの形で行わせていただきました。
■講師 池松弘朗 先生(国立がん研究センター東病院消化器内科 医長)