呼吸器科系

実臨床で良好なCOPDおよび喘息コントロールの達成・維持するための治療戦略

s00659
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■講師 杉野圭史 先生(一般財団法人慈山会医学研究所付属坪井病院呼吸器内科、間質性肺炎)
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【セミナー概要】
COPD患者の予後改善の秘訣は、併存症の早期診断・治療と増悪予防・軽減することであり、身体活動性の向上・維持に加え、安定期の患者には積極的に吸入薬である長時間作用型抗コリン薬(LAMA)を使用するべきである.増悪抑制の点から効果が不十分であれば、同じく吸入薬である長時間作用型β2刺激薬(LABA)との併用療法を検討する.
一方、喘息患者は、吸入ステロイド薬(ICS)の登場以降、喘息死やコントロール不良患者の減少をもたらした.さらに近年、高用量ICSだけではコントロール不良な患者や*難治性喘息患者に対して、抗IgE抗体製剤、抗IL-5抗体製剤、抗IL-5受容体α鎖抗体製剤、抗IL-4受容体α鎖抗体製剤の4種類が使用できる.
COPDおよび喘息の安定期治療においては、一般的にステップアップ方式がとられるが、最近ではICS、LABA、LAMAの合剤であるトリプル吸入薬が登場しており、治療開始早期からの良好なコントロールを得る目的で、ステップダウンを意識した治療法も選択肢の一つとなってきている.
このように最新のCOPDおよび喘息診療においては、様々な臨床情報から病態(臨床病型やバイオマーカー)把握を行い、フェノタイプ、エンドタイプを意識して適切なタイミングで治療法を選択することが重要である.
 
*難治性喘息とは、コントロールに高用量ICSおよびLABAに加えてロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放製剤、LAMA、経口ステロイド薬、抗IgE抗体の投与を要する喘息、またはこれらの治療でもコントロール不能な喘息であり、一般的に重症喘息とも呼ばれる.
 
10:00-12:00COPD
1.COPD患者の予後改善には増悪を予防・軽減することが最重要.
2.増悪を繰り返すCOPD患者に対する積極的なトリプル吸入薬の使用.
3.COPD患者の併存症の早期発見とコントロールが大切.
 
12:30-14:30喘息
1.喘息治療において、なぜ今トリプル吸入薬なのか
(喘息の病態と薬剤作用点から考える)
2.トリプル吸入の早期治療介入(ステップダウン治療の可能性).
3.難治性喘息患者に対する抗体製剤の導入と有効性.
 

セミナー要綱

セミナーNO. 659
開催日 2021年6月27日 10:00〜14:30
講師 ■杉野圭史 先生(一般財団法人慈山会医学研究所付属坪井病院呼吸器内科、間質性肺炎)
診療科目 呼吸器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■6月27日(日)に開催しました第659回医療技術セミナー『実臨床で良好なCOPDおよび喘息コントロールを達成・維持するための治療戦略』は盛会裏に終了しました。
講師には、一般財団法人慈山会医学研究所附属坪井病院副院長で、呼吸器科部長、間質性肺炎・肺線維症センター長であります杉野圭史先生をお招きしました。杉野先生は、2020年9月27日に開催しました『実地医家のための間質性肺炎の診断と治療』(#599)以来、2回目のご出演です。
講義の組み立てですが、午前中はタイトル「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」で、午後はタイトル「気管支喘息」でありました。
 
午前の講義とまとめ
COPDは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入暴露することにより生ずる肺疾患であり、「たばこ病」とも呼ばれる。症状的には、徐々に進行する労作時の呼吸困難や慢性の咳・痰を示す。有症率は数%から18%、世界における死因の第3位。日本における有症率は10.9%COPDの併存症としては心不全、睡眠時無呼吸症候群、肺高血圧がある。
・COPD患者の予後改善には増悪を予防・軽減することが最重要
・増悪を繰り返すCOPD患者に対する積極的なトリプル吸入薬の使用
・COPD患者の併存症の早期発見とコントロールが大切
 
午後の講義とまとめ
病態:気道の炎症、喘息発作による気道収縮の繰り返し、
トリプル製剤ICS、LABA(β2)LAMA(持続時間)
難治性喘息へのBio製剤、ステロイド剤の導入
重症喘息に対する抗体製剤と、その特徴
・トリプル吸入の早期治療介入(ステップダウン治療の可能性)
・難治性喘息患者に対する抗体製剤の選択と有効性
 
質疑は、会場からもネット受講者からもたくさん来ましたが、最終盤のトリプル製剤等の薬物治療の場面では大いに盛り上がりました。

■講師 杉野圭史 先生(一般財団法人慈山会医学研究所付属坪井病院呼吸器内科、間質性肺炎)
<専門分野・研究内容>
呼吸器一般、中でも間質性肺炎の診療.
特発性肺線維症の病態ならびに治療に関する研究.
 
<略歴>
1999年3月東邦大学医学部医学科卒業
同付属大森病院にて研修
2004年10月国家公務員共済組合連合会虎の門病院呼吸器内科に出向
2007年4月東邦大学大学院医学研究科博士課程入学
2011年3月東邦大学大学院医学研究科博士課程修了、博士
2013年4月イギリス(ロンドン)ロイヤルブロンプトン病院放射線科に留学
2014年4月東邦大学医学部医学科講師
2017年4月一般財団法人慈山会医学研究所付属坪井病院に出向
2018年1月同間質性肺炎・肺線維症センター長
2019年7月同呼吸器科部長兼間質性肺炎・肺線維症センター長
2020年7月同副院長
 
<所属学会>
日本内科学会
日本呼吸器学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
日本感染症学会
日本肺癌学会
AmericanThoracicSociety;ATS
TheAmericanCollegeofChestPhysicians(CHEST);ACCP
EuropeanRespiratorySociety;ERS
AsianThoracicSocietyofRespirology;APSR
 
<資格>
日本内科学会認定内科認定医・専門医
日本呼吸器学会呼吸器内科専門医、指導医、代議員
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会代議員
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会評議員
気管支鏡専門医
日本感染症学会専門医

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