消化器科系

サイエンス漢方処方セミナーⅡ−3 消化器科/神経内科/女性特有の疾患・便秘/訪問・施設・在宅医療

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漢方薬の作用機序を数理工学で解明− 東洋医学とは本質的に異なる斬新な運用法

■講師 井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
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【セミナー概要】
漢方薬を診療に使いたい医師は多いのであるが、実際に使おうとしたときには、サイエンスに基づかない理解しにくい古典的運用法がネックとなる。歴史的にみると試行錯誤で出来上がった漢方薬が先で、古典的運用法は後付けに過ぎない。
古典的運用法によらないで漢方薬を処方することを邪道と非難し認めない漢方の専門家も多い。しかし漢方薬は最近の研究で、薬理学が従来想定していなかった、超多成分の全く新しいタイプの薬剤であると考えないと、漢方薬を服用したあとに患者の中で起こることを説明できないことが明らかになりつつある。これを踏まえて、今回の医療技術セミナー(?)では、サイエンス漢方処方という新しい切り口で漢方薬を認識し、新しい運用法によって全ての医師が漢方薬を的確に処方できるようにしたい。
皆さま、奮ってご参加ください。
■講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断りします)
 
10:00-10:55消化器疾患の漢方治療
漢方薬は、形態的に壊れてしまっている疾患よりも、形は壊れていないが機能が低下している疾患が得意である。なぜなら、患者さんの能力を精一杯回復させるのが漢方薬治療の本質だからである。この観点から、今回は、口内炎、逆流性食道炎、しゃっくり、神経性胃炎、機能性ディスペプシア、胆嚢炎・膵炎、クローン病、過敏性腸症候群を取り上げる。特に、機能性ディスペプシアは、六君子湯に勝る新薬は存在し得ないので、漢方治療の真骨頂である。
 
11:00-11:55神経内科疾患の漢方治療
神経内科では、一般的に診断は非常に精密であるが、治療はステロイドが中心になることが多い。ステロイドが効けばいいが、効かないと治療法がないことになる。今回は、神経内科領域のcommondiseaseを取り上げる。頭が痛い、顔や目の奥が痛い、目が回る、耳鳴り、しびれや痛み、感覚異常、多彩な神経症状、認知障害などである。頻度が多い割には、神経内科的にも決め手となる治療法に乏しいので、実際の臨床現場で役に立つ。
 
12:30-13:25女性と漢方、便秘と漢方
女性特有の疾患では、往々にしてvenousnetworkが発達している骨盤内に起こる微小循環障害が基本的病態である。女性に特有な症候としては、冷え症、便秘、月経関連症状、片頭痛などがある。女性に頻用される微小循環改善薬としては、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、加味逍遙散、温経湯、桃核承気湯、大黄牡丹皮湯、通導散などがあり、多彩な病態改善に使用される。特に便秘治療薬は多彩であり、今回はアルゴリズムでわかりやすく解説する。
 
新薬の便秘薬は、腸管を無理やり動かして硬い便を無理やり絞り出す作用が多く、便は出ても不快である。これに対して、下剤系漢方薬のエンドポイントは、普通便が楽に出るということなので、患者はいつも快便で気分がいい。便秘を来す原因となる病態によって、多くの下剤系漢方薬が存在するので、今回はアルゴリズムを示して、体系的に治療法を組み立ててみる。桃核承気湯を主に使っている特養では、摘便と浣腸を施行する患者が1人もいない。
 
13:30-14:25訪問・施設・在宅医療
日本の介護の現場が過酷であることは3K(「寝たきりの人の世話や認知症入居者の対応など体力的や精神的にkitsui」「排泄物に触れるなどkitanai仕事が多い」「kikenな感染症に罹患する恐れがある」という3Kとして知られているが、)として知られている。介護者がつぶれて、日本の介護が崩壊しないように、介護者を支えるサイエンス漢方処方にいて解説する。
 

セミナー要綱

セミナーNO. 622
開催日 2020年11月8日 10:00〜15:00
講師 ■井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
診療科目 消化器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月8日(日)に開催しました第622回医療技術セミナー『サイエンス漢方処方?-3−消化器科、神経内科、女性疾患、訪問・在宅』は盛会裏に終了しました。
講師には、徳洲会日高病院院長で、サイエンス漢方処方研究会理事長であります井齋偉矢先生をお招きしました。井齋先生におかれては自らのサイエンス漢方処方の領域の研究業績を広い心で惜しげもなく世に広く普及することを希望されて、現在までに30テーマまで、ご自分のホームページ(HP)上で公開されており、スキルアップのHPでも了解を得て公開させていただいております。自由にDLしていただけるようになっております。スライドを見てみると、全ての公開内容がカラフルできれいなイラストで作成され、症状と漢方薬の用法等、きれいにまとめられており、素晴らしい内容です。
1つ目の企画(?)のシリーズではすでに2回開催されております(#5472019年4月28日漢方概論・速効性、多愁訴、#5632019年8月25日風邪・インフル、老年症候群、CommonDisese)。
次に、今回は、2つ目(?)の「サイエンス漢方処方」シリーズ、3回分のうち最後の企画でありながら、2回目の開催です。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期分が出てしまう等、開催がままならないところで、順番が狂ってしまいました。このシリーズの紹介をしますと、前回の企画?-1は7月19日の開催で(#622循環器科、腎臓疾患、整形外科、痛み)、2つ目の企画は来年2月14日の予定です(#614呼吸器科、耳鼻咽喉科、アレルギー、がん)。
”漢方処方”のテーマは正直申して、熱心な方はおられるのですが、受講者は少ないのが悩みの切なるところです。
 
今回の講義の組立ですが、午前の講義は消化器科、神経内科で、午後の講義は女性疾患、訪問・在宅医療の漢方処方というものでした。
質疑では、会場受講者からは絶えまなく質問が出されましたし、ネット受講者からもいくつか届きました。

■講師 井齊偉矢 先生(サイエンス漢方処方研究会 理事長/日高徳洲会病院 院長)
<略歴>
75年北海道大学医学部卒業。同年北海道大学第一外科に入局し現在同門。医学博士。専門は消化器・一般外科、肝臓移植外科。
88年から3年間、オーストラリア・シドニー大学オーストラリア肝移植ユニットで肝臓移植の臨床および実験に従事。帰国後、独学で漢方治療を本格的に開始。12年にサイエンス漢方処方研究会を設立し、現代医学にのみ立脚した「サイエンス漢方処方」の普及に努めている。
07年より北海道日高郡・医療法人静仁会静仁会静内病院院長。
18年9月1日病院名を医療法人徳洲会日高徳洲会病院に変更。
 
最新刊として『新型コロナと速攻!漢方』(青春出版社;2021.9)が、あります。

ビジターは購入できません。

医師会員、コ・メディカル会員

販売価格  ¥5,500(税込)

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