脳神経内科系(神経内科)

実地医家の日常診療のための 頭痛

s00615
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診療時のピットフォールを見逃さないために

■講師 清水俊彦 先生(東京女子医科大学脳神経外科 客員教授)
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【セミナー概要】
頭痛を主訴にして受診する患者は診療科を問わず、多いとされています。頭が痛いのだから消炎鎮痛剤を処方することは、痛みという主訴の観点から決して間違った治療であるとは言えません。またこれでよくならなかったら専門医療機関を受診してくださいと患者さんに申し上げることも、一次診療として決して誤りであるとは言えません。しかし頭痛の裏に潜んでいるクモ膜下出血や血管解離などの二次性頭痛を放置することで生命予後に重大な支障をきたすケースが決してまれではなく存在します。また一次性頭痛の片頭痛に関しても、純粋な片頭痛として受診するケースは少なく、共存症や合併疾患により頭痛が修飾されており、片頭痛の急性期治療薬であるトリプタン製剤を処方しても、十分な効果が得られない、もしくは月に10回以上の頻度で服用してしまうなど、患者さんのニーズに十分にこたえられていないこともしばしばあるのです。また近年、片頭痛は脳の過敏症状を伴うことも報告されており、適切な対処を欠くことで、難治性の頭鳴や浮動性眩暈に発展することも病態生理から解明されています。このような現状を踏まえて、本講演では、第一部では、主に一次性頭痛の治療と、その共存疾
患の治療方法、第二部では主に一次性頭痛と見紛う二次性頭痛のケーススタディについて、皆様と考えてゆきたいと思います。明日からの診療に役立つ講演を目指してゆきたいと考えております。
10:00-12:00第一次性頭痛
慢性頭痛から耳鳴り、めまいの治療に関して幅広くお話しします。
 

12:30-14:30第二次性頭痛
生命予後に支障をきたす二次性頭痛の見分け方と対処に関してお話します。

セミナー要綱

セミナーNO. 615
開催日 2020年11月1日 10:00〜15:00
講師 ■清水俊彦 先生(東京女子医科大学脳神経外科 客員教授)
診療科目 神経内科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月1日(日)に開催しました第615回医療技術セミナー『実地医家の日常診療のための頭痛、耳鳴り、めまいは脳の過敏症状−診療時のピットフォールを見逃さないために』は盛会裏に終了しました。
講師には東京女子医科大学客員教授で、脳神経外科・頭痛外来の清水俊彦先生をお招きしました。昨年の10月13日開催の、ほぼ同じタイトルの『実地医家のための最新の頭痛、耳鳴り、めまいの診断と治療−脳過敏症候群を含めて』(#571)に続いての2回目です。前回は「脳の過敏症」という概念も初めてお聞きして強烈な印象でしたし、当日は頭痛に悩む看護師さんが多数おいでになり、生きた症例として問答をされながらの有意義なセミナーになりましたが、今回は色んな頭痛の解明と各種の薬物治療の詳細について立ち入った解説をしていただけました。
講義の組立ですが、午前の部はタイトル「一次性頭痛」ということで、下記の内容でした。
頭痛片頭痛緊張型頭痛群発頭痛混合型頭痛
薬物乱用型頭痛脳過敏症候群帯状疱疹ウイルスによる頭痛
午後の部は、タイトル「二次性頭痛」で、下記の組立でした。
難治例頭痛と脳波異常頭痛とてんかん片頭痛とてんかん
片頭痛とパーキンソン病合併症緊張型頭痛
群発頭痛とてんかん片頭痛の特効薬トリプタンが効かない
女性の頭痛小児・思春期の片頭痛
 
講義は、天候の変化というより、気圧・天気の悪化による頭痛がいま問題になっている・・・という話題から始められました。他にも季節の変わり目の時期によく起こる頭痛・・・、清水先生によりますと「高級な脳を持つ人の高級な疾患」とのことですが、要するに敏感すぎる感覚が緊張による「緊張型の頭痛」を起こさせるようです。他にも、光、音、匂い等による「片頭痛」、日常生活の中には頭痛を起こさせる材料がいっぱいあります。これらの頭痛は女性に多い。逆に、男性に多い群発頭痛や薬物乱用型頭痛。さらに、今回は清水先生のお得意な「帯状疱疹ヘルペスウイルスによる頭痛」なども重点を置いてお話いただきました。さらに、脳過敏症候群についても。本邦においては4000万人の頭痛に悩む方がおられるとのことでした。
これまでの『頭痛』に関するセミナーでは、「頭痛に関する国際分類」についての話が必ず紹介されて、それに基づく解説が多く行われてきましたが、清水先生によりますと、「診療・治療ガイドラインや国際分類にとらわれない総合的な目で診断と治療に当たるように」とのことでした。ある意味では、皆さん、目からウロコが落ちたのではないでしょうか。
質疑ですが、会場からも出ましたが、特にネット受講者からたくさんの質問が届き盛り上がりました。

■講師 清水俊彦 先生(東京女子医科大学脳神経外科 客員教授)
専門分野:脳神経外科学
 
<略歴>
92年3月 東京女子医科大学大学院修了、医学博士号取得
94年7月 日本脳神経外科学会認定医
95年7月 米国NationalHeadacheFoundation認定医となる
98年4月 東京女子医科大学脳神経外科頭痛外来講師
00年11月日本頭痛学会評議員
04年 厚生省頭痛ガイドライン研究班研究員、獨協医科大学脳神経内科講師就任
05年10月国際頭痛学会(京都)専門医向けteachingcourse担当
07年11月日本頭痛学会幹事(役員待遇)
09年11月日本頭痛学会監事
11年4月 東京女子医科大学脳神経外科頭痛客員教授
獨協医科大学脳神経内科臨床准教授(兼任)就任

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販売価格  ¥5,500(税込)

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