感染症科系

新型コロナウイルス感染の世界的拡大と終息を考える

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■講師 大路剛 先生(神戸大学付属病院感染症内科 准教授、感染制御部 副部長、神戸大学都市安全研究センター 准教授)
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【セミナー概要】
昼食時の部(12:30〜13:30)
 
地域連携医療のミクロな部分
アウトブレイクの早期発見
新型コロナウイルスの感染力、クラスター対策
なぜ東京ではアウトブレークしないのか
医療従事者をどう守るのか
患者の情報と今後の問題点
休業と職員休暇、清掃
 
質疑応答:陰性と陽性、気温と湿度、個人情報保護、
PCR検査はなぜできないのか入国制限、
一斉休校の是非
東京オリンピック2020の開催は、他

セミナー要綱

セミナーNO. 605
開催日 2020年3月8日 12:30〜13:30
講師 ■大路剛 先生(神戸大学付属病院感染症内科 准教授、感染制御部 副部長、神戸大学都市安全研究センター 准教授)
診療科目 感染症科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■3月8日(日)に開催しました第605回医療技術セミナー『新型コロナウイルス感染の世界的拡大と終息を考える』は盛会裏に終了しました。
講師には、神戸大学医学部附属病院感染症治療内科(教授岩田健太郎先生)から、准教授の大路剛先生と海老澤馨先生をお迎えしてセミナー『成人VPDと破傷風』(ワクチンのセミナー)を開催しました機会に、急遽開催しました。
これまでの経緯を朝日新聞から引用しますが、
「新型コロナウイルスによる肺炎が最初に確認されたのは、中国の湖北省武漢市だった。『原因不明のウイルス性肺炎が相次いでいる』武漢市が未知の感染症の存在を初めて公にしたのは昨年12月31日。・・・このころすでに市内の病院には発熱などを訴える市民が詰めかけていた。『院内には患者が多すぎて通路を歩けない状況だった』。1月9日、中国国営中央テレビが「患者の病原体から新型のコロナウイルスを検出した」と報道。この日は初の死者も出たが、武漢市は『ヒトからヒトへの感染は確認されていない』と説明。多くの市民は特段の危機感を持たず、普段と変わらぬ生活を送っていた。1月18日には、春節を前に4万所帯以上の市民が手料理を持ち寄る伝統行事「万家宴」が開かれた。この催しが感染を広げた可能性も指摘される。緊張が高まったのは1月20日。習近平国家主席の『断固として蔓延を抑え込め』という指示が伝えられた。この日、政府の専門家グループを率いる医師が”ヒトからヒトへの感染”を初めて認めた。3日後中国政府は1100万人都市武漢市の封鎖という異例の措置を講じた。しかし、春節は目前に迫り・・・すでに約500万人の市民が帰省や旅行で武漢を離れていた。
一方で、新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号。乗客乗員3711人のうち、5人に1人が感染した。乗客らは(1月20日に横浜を出発し)2月3日に横浜港に着いた後に船内に留め置かれた。船内で感染が広がり、日本政府の対応に世界が注目した。(この船内のでの感染への対処については、岩田健太郎教授がTwitterで問題提議され議論を呼んだことは記憶に新しいことです)。
振り返れば、人類の歴史は感染症との戦いの歴史でもある。これまでの世界的な大流行としては、14世紀の「黒死病」(1億人が死亡したとされます)以降、1918年から19年にかけて2千万〜5千万人の死者を出した「スペインかぜ」(日本でも38万人という大きな被害が出た)。1970年代にアフリカで流行したエボラ出血熱。繰り返しの感染で3万人以上が感染し1万人以上が死亡した。
今回のコロナウイルスは、2002年から03年にかけて香港を中心に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS;サーズ)やその後中東地域や韓国で感染が拡大した中東呼吸器症候群(MERS;マーズ)の原因となったウイルスと共通。どれも動物由来の「人類共通感染症」と考えられている。(「朝日新聞」朝刊3/12)
 
大路先生は、この講演のなかで、?感染がここまで来たこの様子では感染はもっとジワジワと今後も広がってしまわざるをえない?気温や湿度が上がる季節になっても関係ない(シンガポールやマレーシアでも広がりつつある)、?この夏のオリンピックについても通常の形での開催は出来ないのではないか、?感染はもっと増えて終息までには数年かかるであろうこと、とコメントされました。
当日の受講者の医師の一人は、「私はこの検査は自分では行わず、そうした専門の機関を紹介することにする」とのことではありました。
 
何とか感染拡大を防ぎつつ、その間に検査キットやワクチン、そして適切な治療薬剤の開発を早く一日も早く実現していただきたいと、心より願うばかりです。

■講師 大路剛 先生(神戸大学付属病院感染症内科 准教授、感染制御部 副部長、神戸大学都市安全研究センター 准教授)
<略歴>
1998年神戸大学医学部卒業。初期研修後、鐘紡記念病院での消化器内科後期研修を亀田総合病院で感染症内科後期研修を修了。ペルーのカエタノ大学熱帯医学コースに留学し、同コースを修了。亀田総合病院感染症内科医長を経て現在、神戸大学大学院微生物感染症治療学分野講師兼神戸大学都市安全研究センター講師。
<資格>
医学博士、熱帯医学ディプロマ(米国/ペルー)、総合内科専門医、感染症専門医、世界旅行医学学会専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、労働衛生コンサルタント(保健衛生)

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