内分泌代謝内科系

SGLT2阻害薬の腎保護って、実臨床で使えるの?

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糖尿病性腎臓病(DKD)治療の最新の潮流;プライマリーケアに必要な知識

■講師 栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
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【セミナー概要】
実地診療においては、高血圧、糖尿病など内臓肥満をベースにした、いわゆるメタボリック症候群(メタボ)が圧倒的に多い事は自明です。「糖尿病と高血圧」は、「癌」とならんで国民病の双璧であり、その対策は急務です。糖尿病や高血圧は遺伝的素因が関与し、それに飽食・運動不足など生活習慣が大きく影響され、無症状に緩慢に進行して、最終的には脳・心・腎障害などに障害がおこり不良な生命予後を規定するsilentkillerとして知られています。特に、腎障害から透析療法に至る糖尿病腎症や腎硬化症には、エビデンスに基づいた正しい治療が必要です。最近では糖尿病に由来する腎障害を、DiabeticKidneyDisease(DKD)との概念で捉える潮流があり、その治療法にも多彩な変化が現れてきています。
さて、糖尿病と高血圧のリスクを比較すると、高血圧は圧倒的に高リスクであり、多くの心血管アウトカム試験(CVOT)において、降圧療法が明らかに生命予後を改善するエビデンスが知られています。これに対して、糖尿病治療薬のCVOTに関しては、血糖低下作用は認めるものの、生命予後改善は明確にはされていませんでした。1990年代のUKPDS34でメトホルミンの成績によって、血糖降下薬のベネフィットが初めて評価されましたが、以後の開発されたDPP4阻害薬など多くの薬剤におけるCVOTにおいては、患者生命予後改善や心・腎保護作用を明確に証明するには至っていません。これに対して2010年代になり、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬に心・腎保護のエビデンスが集積されつつあります。特に、SGLT2阻害薬のCVOTとして過去2年を見てもENPA-REGOUTCOME、CANVASprogram、DECLAIRE-TIMI58、CREDENCEの四大試験が発表され、おまけにその評価は極めて高く、糖尿病治療の将来に大きな福音となる可能性が示唆されています。
本医療技術セミナーでは、これらの潮流も見据えて、最近の糖尿病治療やDKDの捉え方など新たな概念などを皆さんと共に考えていきたいと考えています。糖尿病や高血圧は、早期発見・早期治療が極めて重要です。特に、プライマリーケアの重責を担当される“かかりつけドクター”においては、常日頃から適切に患者さんの診断・治療・指導をする立場にあるため、最新の知識は不可欠です。
皆さんの積極的なご参加を希望致します。
10:00〜12:00午前の内容
1.糖尿病って何なぜ、心・腎障害を惹起する
2.糖尿病性腎臓病(DKD)の概念への変化:新たな症候群
3.血圧を低下させると生命予後を改善するのか
4.血糖を低下させると生命予後は改善するのか
5.DKDの治療の基本と糖尿病治療薬の進歩
 
12:30〜14:30午後の内容
6.SGLT2阻害薬、GLP-1受動態作動薬の作用機序
7.SGLT2阻害薬、GLP-1作動薬、BG(ビグアナイド)のCVOT、大規模エビデンスを考える
8.NNT(治療必要数)を唱えるは医師、RRR(相対的リスク減少率)を謳うは誰
9.症例呈示
10.まとめ

セミナー要綱

セミナーNO. 604
開催日 2020年12月13日 10:00〜15:00
講師 ■栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
診療科目 内分泌科代謝系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■12月13日(日)に開催しました第604回医療技術セミナー『プライマリ・ケアに必要な知識SGLT2阻害薬の腎保護って実臨床で使えるの−糖尿病性腎臓病(DKD)治療の最新の潮流』は盛会裏に終了しました。
講師には、東京慈恵会医科大学客員教授(腎臓・高血圧内科)、優穂会三穂クリニック院長補佐であります栗山哲先生をお招きしました。栗山先生には、「高血圧」「糖尿病」「腎臓病」等の領域で過去6回ほどおいでいただいておりますが、下記の2回をお願いした以降、久しぶりのご出演です。
2017年2月『高血圧研究の進歩と降圧療法のUp-todate−プライマリーケアに必要な知識』(#407)
2016年5月『プライマリケアに必要な高尿酸血症の診断・治療のコツ−メタボをベースに、高尿酸血症を中心に、高血圧、糖尿病、脂質と最近の進歩を含めて総合的なレクチャー』(#367)
講義の組立ですが、以下の通りでした。
1.糖尿病って何なぜ、心・腎障害を惹起する
2.糖尿病性腎臓病(DKD)の概念への変化:新たな症候群
3.血圧あるいは血糖を低下させると生命予後はホントに改善する
4.DKDの治療の基本と糖尿病治療薬の進歩
5.糖尿病で見られる水・Na代謝異常とその対策
6.SGLT2阻害薬、GLP-1作動薬、BG(ビグアナイド)の大規模エビデンス
7.NNT(治療必要数)を唱える医師、RRR(相対的リスク減少率)を
謳うは誰
8.自験例、症例呈示とまとめ
 
セミナーのタイトルの中の質問の答えですが、冒頭の言葉「もちろん使える」という言葉から始まりましたが、”SGLT2”については、腎臓を保護して糖尿病の治療に大きな役割を果たすどころか、心臓を始めとして循環器系の臓器にも大いに有効である・・・という解説も含めて、大変に興味深い講義であり、質問が飛び交いました。
 
最後に、「高血圧治療薬ディオバンの研究をめぐる」「利益相反COI」と薬効評価についてと、糖尿病治療の未来について、意味深い解説も行われました。

■講師 栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
<略歴>
78年東京慈恵会医科大学卒業
同上第二内科大学院
82年同上修了
84〜86年米国ニュージャージー医科歯科大学・高血圧研究部門留学Dr.AbrahamAvivに師事
85年東京慈恵会医科大学より医学博士受領
91年同上第二内科講師
92年東京都済生会中央病院内科医長
93年同上内科部長
99年東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科助教授(准教授)
07年同上客員教授
13年東京国税局診療所・健康管理センター所長
18年東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)
医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐
現在に至る
<専門領域>
腎臓病学、高血圧、糖尿病腎症・痛風・核酸代謝領域
<学会活動と業績>
内科学会、腎臓学会、高血圧学会、痛風・核酸代謝学会、J-CLEAR研究会
筆頭著者論文102編、共著82編、総説108編、共同著書30編など
<指導医・評議員>
日本内科学会認定医・指導医
日本高血圧学会特別会員(FJSH)・専門医・評議員、日本腎臓学会元専門医・指導医・法人評議員・学会誌査読委員
J-CLEAR評議員
痛風・核酸代謝学会評議員
日本透析医学会元専門医・認定医・評議員

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