「咳嗽・喀痰の診断ガイドライン」を読み解く(新春記念セミナー1)
咳嗽と喀痰を主訴とする患者の診療をレベルアップする
■講師 長尾大志 先生(島根大学医学部附属病院医学教育センター 准教授)
>講師詳細はこちら
【セミナー概要】
呼吸器非専門の先生方にとって、いや専門とされている先生方にとっても、咳を主訴とする患者の診断・治療はしばしば困難なものです。その理由は、いくつかの疾患において「診断基準が、あるようなないようなあやふやなものである」というところにもあるでしょうし、いくつかの疾患においては「診断的治療をすることで初めて診断に至る、すなわち初診時の診察室では診断がつかないまま経過を見なくてはいけない」というところにもあるでしょう。また専門的な話ですが、例えばある疾患においては日本で提唱されているものの、海外ではあまり取り上げられていないという事例もあり、教科書によって記載や定義が異なったりすることも非専門の先生方においては混乱の元になっているかと思います。
そんな現状を踏まえて2019年、『咳嗽・喀痰の診断ガイドライン2019』が刊行されました。このガイドラインで、ある程度方向性が定められた部分もありますが、上に述べたような混乱の元は相変わらずであったりして、読んでみてもすっきりしない部分もあるかもしれません。はっきりできるところははっきりさせ、迷うところは出来る限り方向性を明らかにして、日常診療にガイドラインをどう落とし込んでいくか、皆さんとともにガイドラインを読み解き、より良い咳診療を考えていきたいと思います。
是非先生方の日常臨床のお役に立てていただきたいと思います。
皆様ふるってご参加ください。
午前(10:00−12:00):
『咳嗽・喀痰の診断ガイドライン2019』解説
咳嗽に関する症例検討
午後(12:30−14:30):
『咳嗽・喀痰の診断ガイドライン2019』解説
咳嗽に関する症例検討
セミナー要綱
セミナーNO. | 591 |
開催日 | 2020年1月12日 10:00〜15:00 |
講師 | ■長尾大志 先生(島根大学医学部附属病院医学教育センター 准教授) |
診療科目 | 呼吸器科系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■1月12日(日)に開催しました第591回医療技術セミナー『”咳嗽・喀痰の診断ガイドライン”を読み解く−咳嗽と喀痰を主訴とする患者の診療をレベルアップ』は盛会裏に終了しました。
講師には、滋賀医科大学呼吸器内科講師長尾大志先生をお招きしました。昨年の「新春記念セミナー」以来ですから1年ぶりですが、スキルアップセミナーはそろそろ10回目に到達されるころです。
このセミナーの目的としては、「咳嗽・喀痰を主訴とする症例の、診断・治療の手順を理解するために、『咳嗽・喀痰のガイドライン2019』を参考に、咳・痰の鑑別について理解する、ことでした。
午前の講義の目的
⚫特に急性咳嗽症例の診断手順に習熟する。
⚫疾患概念や診断・治療法の混乱を解きほぐし、明確な方針を定める。
⚫症例研究
感染性咳嗽、感冒の診断、急性上気道細菌性感染症、
細菌性副鼻腔炎、抗菌薬の使用、咽頭炎、百日咳、
急性気管支炎、急性肺炎、喘息、COPD、GERD、など
午後の講義の目的
⚫特に、長引く咳=慢性咳嗽について、診断手順と治療について学ぶ。
⚫症例と胸部X線写真による読影
喘息、COPD、後鼻漏、副鼻腔気管支症候群、
百日咳・マイコプラズマ、薬剤性、心不全、など
考えてみれば、「咳嗽=せき」「喀痰=たん」のどちらも待ったなしの症状です。実地医家の皆さまにとっては、避けて通れない、何とかしないといけない疾患の症状です。逆に、患者さんの立場に立てば、一刻も早く何とかしてほしい・・・症状だと思います。
会場に詰め掛けられた受講者からは、次々に薬物療法等についての質問が出ており、盛り上がりました。
■講師 長尾大志 先生(島根大学医学部附属病院医学教育センター 准教授)
<略歴>
93年3月京都大学卒業
4月京都大学胸部疾患研究所
94年-95年住友病院内科医員
96年-00年京都大学大学院博士課程
00年-01年京都大学病院呼吸器内科医員
01年-02年KKR京阪奈病院内科医員
03年-04年ブリティッシュコロンビア
大学留学
05年滋賀医科大学呼吸循環器内科医員
06年同助手(07年:助教)
12年同学内講師
15年同講師
17年同教育医長
20年島根大学医学部附属病院病院医学教育
センター准教授(6月15日から)
13、16年度滋賀医大ベストティーチャー賞受賞
日本内科学会(認定医・専門医・指導医)、日本呼吸器学会(専門医・指導医)、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会(代議員)、日本医学教育学会
<著書>
20年「Dr.長尾のたのしイイ呼吸ケアQ&A100:酸素・血ガス・ドレナージ…現場ナースのギモンに答えます!」
19年「ぜんぶわかる呼吸の事典」(監修)
19年「レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室第3版」
18年「呼吸器腹落ちカンファレンス」
18年「レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室第2版」
18年「現場で役立つ呼吸器診療レシピ」16年「まるごと図解呼吸の見かた」
16年「やさしイイ血ガス・呼吸管理」他、
<ケアネットDVD>
18年Dr.長尾の「胸部X線クイズ」初級編・中級編・上級編
16年Dr.長尾の「胸部X線ルネッサンス」
15年Dr.前野の「スペシャリストにQ!」【呼吸器編】
日本メディカルスキルアップは対面形式のセミナー(会場受講)を重視し、2009年4月より計800回以上医療技術セミナーを開催してまいりました。製薬企業とは無縁の独立系セミナーで、臨床現場、専門領域の第一線で活躍する講師の質と圧倒的な学習時間で医療業界に貢献してまいります。呼吸器科系の他、さまざまなジャンルのセミナーを開催しております。