精神・神経科系

実地医家のための 最新の頭痛、耳鳴り、めまいの診断と治療 

s00571
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脳過敏症候群を含めて

■講師 清水俊彦 先生(東京女子医科大学脳神経外科 客員教授)
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【セミナー概要】
頭痛や耳鳴り、めまいを主訴として訪れる患者は、外来診療でも数多く、その治療は限られた時間内の外来診療の中でも、最も困難かつ工夫を要し、また根本的な解決方法が得られぬまま、表面の痛みや症状に対して、対処療法のみを行わざるを得ないことが多いと思われます。片頭痛や群発頭痛、緊張型頭痛に対する、近年の病態生理の解明が進む中、根本原因はいまだ明らかになっていないものの、痛みの水面下では大脳の過敏状態が引き起こされており、この過敏状態が適切な加療や対処を欠くことで慢性化し、経年性に側頭葉にある聴覚野の過敏状態をきたし、難治性の耳鳴り(頭鳴症状)や、さらに片頭痛の起源といえる後頭葉の視覚野の過敏状態や視床小脳路を介しての小脳の過敏状態が複雑に関連して、浮動性の眩暈症状をきたすことが推測されています。また頭痛の増悪因子として本邦人には多いとされている甲状腺機能障害や三叉神経領域で起こる副鼻腔炎や花粉症など合わせて加療することにより頭痛が軽減することもしばしば経験されます。また近年の研究により、小児期に罹患した水痘のウイルスが三叉神経節に潜在し、このウイルスが経年性の免疫力の低下に伴い、三叉神経節内で季節的に再活性化することが頭痛の増悪因子や群発頭痛の誘因となっている可能性も私たちの研究で明らかになりつつあります。しかし頭痛患者の中には、生命予後に支障をきたすクモ膜下出血や脳血管解離さらには脳腫瘍などの頭蓋内器質性疾患に伴う二次性頭痛が潜んでいることも忘れてはならず、CTやMRIなどの診断機器の備わった医療機関ならまだしも、一般診療所では必ずしも受診当日に正確な診断が行えないこともままならずあり得ると思われます。特に脳血管解離に関しては突然に発症することが大多数であり、過去のMRI所見などは有用ではないことが多いのです。このような現状を踏まえ、限られた一般診療内科医の先生方がどのような対処を行い、どのような加療を継続してゆくことが必要なのかを本講演ではお話し、明日からの日常診療に有効に生かすことができるよう努めてまいります。
第一部では慢性頭痛から耳鳴り、めまいの治療に関して幅広くお話し、第二部では生命予後に支障をきたす二次性頭痛の見分け方と対処に関してお話する予定です。なお、当日は限られた時間内でのお話となりますので、事前に下記に紹介しました私の一般向けの論文(脳過敏症候群上智大学グリーフケアー研究所刊)に関して眼を通しておいていただけたら幸いです。
皆さま、奮ってご参加ください。10:00〜12:00
第一部では慢性頭痛から耳鳴り、めまいの治療に関して幅広くお話しします。
 

12:30〜14:30
第二部では生命予後に支障をきたす二次性頭痛の見分け方と対処に関してお話します。
 

 
なお、当日は限られた時間内でのお話となりますので、事前に下記に紹介しました私の一般向けの論文(脳過敏症候群上智大学グリーフケアー研究所刊)に関して眼を通しておいていただけたら幸いです。
以下、URLです。
https://twmu-mce.jp/info/img/ronbun01.pdf#search=%27%E8%84%B3%E9%81%8E%E6%95%8F%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%27
 

セミナー要綱

セミナーNO. 571
開催日 2019年10月22日 10:00〜15:00
講師 ■清水俊彦 先生(東京女子医科大学脳神経外科 客員教授)
診療科目 精神・神経科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■10月22日(日)に開催しました第571回医療技術セミナー『実地医家のための最新の頭痛、耳鳴り、めまいの治療−脳過敏症候群を含めて』は盛会裏に終了しました。
講師には、東京女子医科大学脳神経外科・頭痛外来客員教授清水俊彦先生をお招きしました。初めてのお招きでした。もともと、この領域ではご高名な医師であることは承知しておりましたが、「たけしの家庭の医学」か何かのテレビ番組で拝見して、片頭痛や”脳過敏症候群”という新しい疾患概念について興味がうまれ、出演をお願いしましたら、すんなりお受けいただけました。ビックリでした。その後、7月2日にフジテレビ「とくダネ!」でジャニーズ事務所の会長でありますジャニーさんが脳出血で救急搬送された件の解説で清水先生が急遽出演されるというご案内をいただき、解説を実際に視聴させていただきました。また、セミナーの一週間前に、汐留のクリニックに打合せでお訪ねしましたが、その日は清水先生の「頭痛外来」が開設されていて、広い待合室に目いっぱいの患者さんが詰めかけておられ、これまたビックリでした。昼食を摂る間もなく200名の患者さんの診療・相談に乗られるのだそうです。
講義の組立ですが、午前の構成は以下の通りでした。
・頭痛の本体とは、その原因
・一次性頭痛(機能性頭痛)−−片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛
混合型頭痛
・女性の片頭痛患者さんへの対応が重要
・子どもの片頭痛が実は重要
・前兆のない片頭痛−−もやもや病
・脳過敏症候群
また、午後の部の構成は、以下の通りでした。
・片頭痛が関与する様々な共存症
・国際頭痛分類−第3β版
・様々な頭痛のユニークな主訴−頭痛専門医から診る
また、講演の中で、頭痛は脳が敏感に興奮することで起こり、痛みだけでなく、光やにおい、音に敏感になったりするので、その点にも注目す必要がある。脳の過敏は脳にエネルギーが蓄積することによる興奮で生まれる・・・、頭痛は将来脳梗塞等なりやすい説もあるが、正しく治療すれば、ならない、片頭痛の被害者に女性が多く、しかも子供にも影響が出る・・・というお話があったのですが、おりしも会場にクリニックの院長先生とともに頭痛持ちの看護師さんが複数人見えており、問診や診療相談が始まったりして、なかなか素晴らしい内容となりました。
質疑では、会場からもネットからも質問がたくさん寄せられ、盛り上がりました。
 
ところで、今回のセミナーは、もともと10月13日の開催予定でしたが、台風19号の首都圏襲来のため、22日に延期開催させていただいたものです。この19号のため、東日本の各所で大きな被害が出ました。一日も早い、回復を祈念いたします。

■講師 清水俊彦 先生(東京女子医科大学脳神経外科 客員教授)
専門分野:脳神経外科学
 
<略歴>
92年3月 東京女子医科大学大学院修了、医学博士号取得
94年7月 日本脳神経外科学会認定医
95年7月 米国NationalHeadacheFoundation認定医となる
98年4月 東京女子医科大学脳神経外科頭痛外来講師
00年11月日本頭痛学会評議員
04年 厚生省頭痛ガイドライン研究班研究員、獨協医科大学脳神経内科講師就任
05年10月国際頭痛学会(京都)専門医向けteachingcourse担当
07年11月日本頭痛学会幹事(役員待遇)
09年11月日本頭痛学会監事
11年4月 東京女子医科大学脳神経外科頭痛客員教授
獨協医科大学脳神経内科臨床准教授(兼任)就任

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