発達障害1 「そもそも発達障害とは何か?」
■講師 篠山大明 先生(信州大学医学部精神神経科 准教授)
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【セミナー概要】
近年のわが国における「発達障害」への急激な関心の高まりには目を見張るものがあります。しかし、「発達障害」という言葉だけが先行し、理解や支援が追いついていない現状があることも否めません。どこまでが発達障害であるかの線引きは時代とともに変化しており、昔であれば何ら異常とされなかった人たちまでもが発達障害と見なされる現状に違和感を覚える方も多いことかと思います。医療のみならず、教育や福祉の領域でも発達障害への理解が欠かせない時代になり、実際に診断される人数も急上昇しています。
今回の医療技術セミナー4回シリーズでは、発達障害の基本的な概念や医学的定義についての解説はもちろん、具体的な事例の紹介等も通じて、発達障害への理解を深めていただき、日々の診療や日常生活に活かしていただけるような内容にしたいと考えております。
皆さま、ぜひ奮ってご参加ください。
そもそも発達障害とは何か
・発達障害の概念
・発達障害の概念が世の中に広まった歴史背景
・医学的な定義
・発達障害の概念を現場で導入する意義
・具体的な事例の紹介
セミナー要綱
セミナーNO. | 549 |
開催日 | 2019年4月29日 10:00〜15:00 |
講師 | ■篠山大明 先生(信州大学医学部精神神経科 准教授) |
診療科目 | 心療内科系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■4月29日(月・祭)に開催しました第549回医療技術セミナー『実地医家のための発達障害1−そもそも発達障害とは何か(1/4回シリーズ)』は盛会裏に終了しました。
講師には、信州大学医学部精神医学教室准教授/子どものこころの発達医学教室・子どものこころ診療部の篠山大明先生をお迎えしました。初めてのご登場です。
講義の組み立てですが、午前の「概論」は以下の通りでした。
・発達障害を疑うとき
・「発達障害」の定義と概念
・発達障害の歴史背景
・よくある質問
午後の「各論」の組立は以下の通りでした。
・具体的な症状と診断基準
・発達障害の特性
・発達障害の支援
・発達障害と診断する意義
講義をお聞きしていると、いわゆる「発達障害」者(児)は、私らの時代には、「ちょっとおかしい子」「ちょっと変わった変な子」として周りに受け止められていた・・・のだろうと思います。しかも、そういう子が、ある面では突出した能力を持っていたりして「オタク」として「特殊技能」を発揮していた子だったりもして、ある面では周囲からも認められていた、といえると思います。ただし問題は、そうしたポジティブな面だけでなく、「知的障害」者を除き、「自閉症」「不登校」「引き籠り児」等の問題があるのだと思っていましたら、先日の報道では、その「引き籠り」者が60歳に達する時代になっており、それも人数も数十万人にも達するようになっている、とのこと。そうした中で、行政として、何らかの認定を行い支援や救済、保護するためにも、喫緊の課題として存在するようになっている・・・と認識しています。
ある常連の受講者は、「そうした医療上の問題があるとしても私らには治せない、治らない・・・」と思っていると、いわれてしまいました。しかし、世にこうした問題が存在する以上、医療者と、その医療者を支える私どもとしては避けて通れない、避けないのだと決意し、今回の4回シリーズのセミナーの開催を決意しました。もっと医療界だけでなく、世を挙げて取り組むべきだと考えます。
皆さまのご支援を心よりお願いする次第です。
■講師 篠山大明 先生(信州大学医学部精神神経科 准教授)