脳神経内科系(神経内科)

実地医家のための 神経症状の診かた・考え方−神経診断学のキモは病歴聴取にあり

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《知識+観察+推理》と《情熱》で診断する

■講師 福武敏夫 先生(亀田メディカルセンター脳神経内科 部長)
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【セミナー概要】
自著「神経症状の診かた・考えかた」第2版(2017)の序に紹介しましたが、ある英文誌に掲載されていた”Thefailureofmoderntextbooks”(「現代の教科書の欠陥」)という論説(AllenRK:BMJ、2010;340:c2132)に、要約すれば「現代の多くの教科書には膨大な研究と事実の生き生きしていないリストが地下鉄の時刻表のように記載されているが、著者の経験やピットフォールなどが抜け落ち、読者と『情熱』を共有しようという気持ちが喪われている。そうしたつまらない還元主義的なマニュアルの中に、魅力的な、語り口のスタイルを吹き込もう」と述べられていました。これこそ、私の神経診断学の基本です。マニュアルやガイドラインはよく整理されていると思いますが、実地臨床の現場ではあまり役に立ちません。患者さんの額に診断名が書かれているわけでないからです。
今回の医療技術セミナーでは、頭痛やめまい、しびれなどのありふれた訴えにどう対処していけばよいかを、基本的な《知識+観察+推理》に加えて《情熱》をもって、解説したいと思います。
皆さま、奮ってご参加ください。■講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断りします)
 
10:00-11:00頭痛について考える
危険な頭痛(くも膜下出血、脳動脈解離、側頭動脈炎)、生活支障度の高い頭痛(片頭痛、群発頭痛、骨液量減少症)、生活改善を要する頭痛(緊張型頭痛、睡眠時無呼吸症候群、副鼻腔炎)に分けて、分かりにくい症例を中心に学びましょう。
 
11:00-12:00めまいについて考える
めまいは多義語であることを理解したうえで、まず良性発作性頭位めまい(BPPV)をよく知ることが大切で、その上で脳梗塞との鑑別について学びましょう。詳しい眼振の勉強は不要です。残りの時間で「脳神経のこれだけが診れればよい」の話を実演します。
 
12:30-13:30しびれについて考える
しびれも多義語で、非神経疾患も多いです。それを踏まえたうえで、薬物・毒物によるしびれ、部位別の重要なしびれ疾患、感覚障害レベルのあるしびれ、注意すべきしびれについて、実例から鑑別診断を学びましょう。
 
13:30-14:30非典型的な脳梗塞について考える
急性の片麻痺や構音障害は素人でも分かりますし、ラクナ症候群なども想起することは比較的容易です。しかし、脳神経内科医でも見逃しやすい非典型的症状がいくつもあります(”strokechameleons”)。脳卒中と間違われやすい病態(”strokemimics”)もあります。これらを実例で紹介します。
 
<著書>
神経症状の診かた・考えかた第2版:GeneralNeurologyのすすめ2017/9/115、616円
福武敏夫
 
脊髄臨床神経学ノート脊髄から脳へ
2014/6/218、640円
福武敏夫
 
Dynamicdiagnosisに必要な脊椎脊髄の神経症候学
2017/3/228、640円
福武敏夫、?橋泰明
 
レジデントノート2012年1月号Vol.13No.13神経診察のコツ
病歴と診察で病変部位がみえてくる!
2011/12/94、223円
福武敏夫
 

セミナー要綱

セミナーNO. 542
開催日 2019年3月21日 10:00〜15:00
講師 ■福武敏夫 先生(亀田メディカルセンター脳神経内科 部長)
診療科目 神経内科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■3月21日(木・祭)に開催しました第542回医療技術セミナー『実地医家のための神経症状の診かた・考え方−頭痛・めまい・しびれ・非定型的脳梗塞;神経診断学のキモは病歴聴取にあり』は多くの受講者を迎え盛会裏に終了しました。
講師には、亀田メディカルセンター脳神経内科部長/内科チェアーマン福武敏夫先生をお招きしました。ご所属名で注意すべきは「神経内科」ではなくて「脳神経内科」です。スキルアップセミナーには初めてのご登場です。福武先生は、医学書院発行の『週刊医学会新聞』に月に一度、文字に関するトリビアを執筆されておられ、大好評で連載が延びたとの事でしたし、お話の途中の息継ぎの箇所でいくつかトリビアをご披露いただきました。
講義の組立ですが、午前中は「頭痛」「めまい」、午後は「しびれ」「非定型的脳梗塞」で、詳細は以下の通りです。
●頭痛
◼危険な頭痛クモ膜下出血、静脈洞血栓症、動脈解離、
髄膜炎、側頭動脈炎、非行性硬膜炎、
◼生活支障度の高い頭痛片頭痛、群発頭痛、髄液量減少症、
◼生活改善を要する頭痛
●めまいについて
◼回転性めまい(vertigo)
◼浮動性めまい(dizziness)
◼失神しそうな感じ(faintness)
◼ふらつき・平衡障害(staggering)
良性と悪性のめまい、小脳梗塞のめまい、眼振の診かた、
大脳性めまい、頭痛とめまい、その他の注意すべきめまい
眼瞼下垂、顔面麻痺、カーテン兆候、嗄声
●しびれ
しびれ(感)とは
しびれ(感)の意義
薬物・毒物によるしびれ
部位別の重要なしびれ疾患
レベルのあるしびれ
注意すべきしびれ
しびれの診断と治療:各々7つのtips
●非定型的脳梗塞
脳梗塞をめぐる現状
非典型的脳梗塞について考える
非局在症状、特に意識・精神の変容
異常運動・けいれん
単独脳神経麻痺
急性単麻痺
その他の非典型的症状
MRI所見なし
この道40年、医師になられて3年後にCTが出てきた・・という時代、まだ何も検査機器が無かった時代からのあゆみで、大局観のもとで微に入り細を穿つお話で、素晴らしいものがありました。頭痛の箇所でも、「国際分類」ではなくて独自のお考えと分類を展開されました。会場からは絶え間なくしつもんが出され、丁寧にお答えいただきました。

■講師 福武敏夫 先生(亀田メディカルセンター脳神経内科 部長)
<略歴>
東京大学理学部数学科中退、医学系予備校講師を経て、
1981年3月、千葉大学医学部卒業
同年5月、千葉大学神経内科に入局
千葉県救急医療センター、鹿島労災病院勤務の後、
2000年6月、千葉大学神経内科助教授
2003年4月、亀田メディカルセンター神経内科(2018年10月脳神経内科に改称)部長、現在に至る(内科チェアマン兼任)。
この間千葉大学・徳島大学・福島県医大・亀田医療大学非常勤講師なども歴任
 
<著書>
単著「神経症状の診かた・考えかた−GeneralNeurologyのすすめ−、第2版」(医学書院)、「脊髄臨床神経学ノート」(三輪書店)
編著「Dynamicdiagnosisに必要な脊椎脊髄の神経症候学」(三輪書店)、「しびれ感」(日本神経治療学会;医学書院)

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