一般医学系

がんを兵糧攻めにする免疫栄養ケトン食療法

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ケトン食によるがん治療

■講師 古川健司 先生(東京都医療公社多摩南部地域病院 外科 医長)
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【セミナー概要】
「免疫栄養ケトン食」とは、講師が臨床栄養学に基づいて作り上げ、2015年の臨床研究の成果をもって本格的にスタートさせた、がん治療に特化した栄養療法です。
2014年、抗がん剤治療が期待できなくなったステージ?の乳がんの患者さんに、炭水化物の摂取を極端に控えた糖質制限食を指導したところ、まもなく3cm大の腫瘍がほぼ消失。肺転移と皮膚転移の一部も消失し、QOL(生活の質)が大きく改善されたことが『免疫栄養ケトン食』をがん治療の支持的療法として本格化させるきっかけになっています。
私たち人間が生きていくためには、炭水化物(糖質+食物繊維)、タンパク質、脂質という三大栄養素が、必要だと言われています。・・・エネルギーを得るために推奨する三大栄養素の摂取割合は、炭水化物50〜60%、タンパク質13〜20%、脂質20〜30%と・・・。炭水化物の割合が高いのは、その中に多く含まれる糖質が、脳や肉体の生命活動を維持するための主要なエネルギー源と考えられているからです。
そこで総エネルギーを維持した上で、タンパク質と脂質の割合を引き上げ、糖質を半分の30%以下にカットした場合、肉体にどんな変化が現れるでしょうか・・・昨今の糖質制限ダイエットに精通している方なら「この程度の糖質カットが、心身の健康に最も良い」と考えるでしょう。この糖質量はちょうど、北里研究所病院の山田悟医師が提唱する「ロカボ」、すなわち穏やかな糖質制限食と合致し、糖尿病の予防・改善や健康維持に最適ではないかと、考えています。
実は、講師が、がん治療の支持的療法として取り入れている「免疫栄養ケトン食」は、まさにこの極端な糖質制限をよりどころとしているのです。
(古川健司著『ケトン食ががんを消す』光文社新書847プロローグより一部を抜粋)
13:00〜14:00
『がんの栄養代謝とケトジェニック理論』
 
14:00〜15:00
『がんにおけるケトン食の臨床研究とエビデンス』
 
(なお、内容に関しては、日々、エビデンスが変わっているため、
場合により、一部内容に変更がある可能性があります)
 
ご案内しております開催時間は13時から15時が正しいです。

セミナー要綱

セミナーNO. 506
開催日 2018年9月23日 13:00〜15:00
講師 ■古川健司 先生(東京都医療公社多摩南部地域病院 外科 医長)
診療科目 一般医学系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■9月23日(日)の午後に開催しました第506回医療技術セミナー『実地医家のためのがんを兵糧攻めにする免疫栄養ケトン食療法−ケトン食によるがん治療』は盛会裏に終了しました。
講師には、東京都保健医療公社多摩南部地域病院外科医長古川健司先生をお招きしました。古川先生は2006年に現在の多摩南部地域病院に異動されNST(栄養サポートチーム)に従事され、本格的にがんの栄養療法を開始されました。その後がん免疫栄養療法の実績を上げられ、14年それまでの栄養療法のケトジェニック化に成功、15年よりステージ?(抗がん剤治療が期待できなくなった)のがん患者を対象に世界初の臨床研究を開始されました。16年10月に光文社新書からNo.847『ケトン食ががんを消す』を著され、ベストセラーとなり、主宰子の知るところとなりました。その後、スキルアップセミナーにお招きしておりましたが、なかなか慎重な古川先生は、テレビ出演等はされず、研究成果は学会での発表を続けてこられ、スキルアップセミナーには「きちんとしたエビデンスが出るまでは・・・」と固辞されてきましたが、「今回はこれまでにエビデンスが得られており、お話しできるところの内容で・・・、かつ2時間程度の話なら・・・」という条件でおいでいただけました。ご無理を申しすぎたきらいはありますが、主宰子も念願がかない大変うれしく思っております。
講義のタイトルは前記しましたが、組み立ては以下の通りでした。
1.がんの栄養代謝とケトジェニック理論
がんの栄養代謝/ケトン体の生理/ケトン食理論
特に免疫栄養ケトン食を始められる方へ−食事サンプル
2.がんにおけるケトン食の臨床研究とエビデンス
臨床研究とエビデンス
極端なケトン食の危険性/ケトン食の未来
前半の1の部分は、誰にもわかりやすく、2の部分はその科学的後付の解説というところです。それから、ケトン食は、「糖質制限」の上に」重ねるものだと理解しておりますが、古川先生は、「糖質制限の論客である山田悟先生の考え方に近い」ことを先の著書の中で明言されておられます。
質疑では、会場の前列には古川先生の本を”穴があくまで読み込んだ”と仰る医師が栄養士さんとともに陣取られて質問をされるなど、会場からもネット受講者からも質問があいつぎ、お帰りになろうとする古川先生に取りすがって質問されておられる方もおられました。
 
産婦人科医であります宗田哲男先生の、同じく光文社新書『ケトン体が世界を救う』がベストセラーになり、健康を志向する方々の大きな流れができていることもあり、医学的にはこれまで忌み嫌われていた「ケトン体」に関する認識が大きく変わり、理解されつつある医学の世界でも正しく活用される時代になったことを大変うれしく感じております。
また、かつて「がんの治療」の世界では、がんになった患者の弱みにも付け込み、民間療法も含めて、ありとあらゆる怪しげな療法が暗躍してまいりました。スキルアップはこれには与せず参りましたが、これまで言われてきた4人に1名・・・どころか、今や2名に1名が、各種のがんに罹り、3名に1名ががんで命を落とす時代になりました。最近では、歌舞伎の市川海老蔵さんの奥さん、女優の樹木希林さんや漫画家のさくらももこさんががんで亡くなられました。がんの克服は早期発見に尽きるのだとは思いますが、治療の上で、きちんとしたエビデンスのある治療法を一刻も早く確立していただきたいものです。

■講師 古川健司 先生(東京都医療公社多摩南部地域病院 外科 医長)
<略歴>
92年慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業
99年山梨医科大学卒業、
東京女子医科大学消化器外科に入局
06年東京都保健医療公社荏原病院外科、
多摩南部地域病院外科医長
NST(栄養サポートチーム)、がん免疫栄養ケトン食物療法
著書に『ケトン食ががんを消す』(光文社新書847、16年10月)

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