実地医家のための 日常診療で遭遇する外来における「よくわからない発熱」の考え方と診かた2
「かぜ」の次を考える!
■講師 國松淳和 先生(南多摩病院総合内科・リウマチ膠原病科 部長)
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【セミナー概要】
これは「不明熱」の講義ではありません。不明熱自体は非常に稀な事象です。”よくある病気”が、ひとしきり否定された後の発熱をいうからです。よって一般診療・一般外来では「不明熱」の定義を満たすケースはごく稀であり、さまざまな「不明熱」のパターンに習熟するというstrategyは、効率が悪いです。
そこで、外来において「よくわからない発熱」に強くなるには、いわゆる“かぜ”で片付かない、かぜの次のlayerの病態に習熟する方がよいと思われます。その例として、伝染性単核球症をはじめとするウイルス性疾患、薬剤障害、良性の非感染性炎症性疾患(菊池病や亜急性甲状腺炎など)といった、ごく日常的とまでは言えないけれど比較的コモンなものの各論的整理が欠かせません。拙著「あなたも名医!外来でよく診るかぜ以外のウイルス性疾患」は、この辺りを底上げする目的で著しました。セミナー当日はこの書籍を底とし、各々の病態につき解説をしていきます。
皆さま、奮ってご参加ください。
第二回7月29日(日)No.499
10:00-12:00
・パターン?「発熱+皮疹」:皮疹を呈する外来疾患たち
・薬疹をレビューする
12:30-14:30
・パターン?「発熱のみ」:実地医家が絶対に見逃してはいけない疾患とは
・パターン?「炎症反応(CRP)が全く上がらない熱」
セミナー要綱
セミナーNO. | 499 |
開催日 | 2018年7月29日 10:00〜15:00 |
講師 | ■國松淳和 先生(南多摩病院総合内科・リウマチ膠原病科 部長) |
診療科目 | 総合診療系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■7月29日に開催しました第499回医療技術セミナー『実地医家のための日常診療で遭遇する外来における「よくわからない発熱」の考え方と診かた?−「かぜ」の次を考える!(2回目−全2回シリーズ)』は盛会裏に終了しました。
講師には、今年の3月まで国立国際医療研究センター付属病院総合診療科におられ、4月からは医療法人社団永生会南多摩病院総合内科・膠原病内科に移られました國松淳和先生をお招きしました。
久しぶりにお聞きした國松先生の前回の講義からの印象ですが、ある症状からすぐにパッと診断されることなく、じっくりと可能性について検討される、”懐の深さ”を感じました。
講義の組立ですが、午前の講義は以下の通りでした。
一般外来で「すぐわからない熱」-5パターン
?発熱+皮疹
りんご病
薬疹
また、午後の講義の樹向いた手は、以下の通りでした。
一般外来で「すぐわからない熱」-5パターン
?発熱のみ
感染性心内膜炎
?炎症反応(CRP)が全く上がらない熱
発熱と高体温は違う
國松先生は、前回に続いて「不明熱の講義とは違う!」と強調され、「発熱のアプローチ」について基本的な解説を終えられたのちに、前項のような組立で、「考え方と診かた」について、独自の見解を披露されました。要するに、よくわからないもやもやっとした問題を上手に整理されて、一つ一つじっくりと検討されていかれました。
質疑も、活発で、検査の仕方や治療におけるステロイドの使い方等につき、盛り上がりました。
ところで、わが”スキルアップ”の医療技術セミナーの開催件数が、10年で500回に到達しました。新春には、500回記念セミナーとして、北里大学の山田悟先生の講義を企画させていただきました。ご期待ください。
■講師 國松淳和 先生(南多摩病院総合内科・リウマチ膠原病科 部長)
國松淳和先生紹介
2003年日本医科大学卒業。日本医科大学付属病院で初期研修。
2005年国立国際医療センター膠原病科シニアレジデントとしてリウマチ・膠原病の専門研修。
2008年国立国際医療センター国府台病院内科(一般内科/リウマチ科)。
2011年国立国際医療研究センター総合診療科
2018年医療法人社団永生会南多摩病院総合内科・膠原病内科へ
<所属学会・資格>
日本内科学会総合内科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医、米国内科学会正会員
<著書>
『内科で診る不定愁訴―診断マトリックスでよくわかる不定愁訴のミカタ』(2014年11月;中山書店)
『病名がなくてもできること』(2019年5月;中外医学社)
『仮病の見抜きかた』(2019年5月;金原出版)
『また来たくなる外来』(2020年5月;金原出版)