糖尿病の診断と治療−SGLT-2阻害薬を中心とした薬物治療のコツ
実地医家のための最新の糖尿病治療戦略
■講師 最上康生 先生(総合医療センター成田病院 診療部長)
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【セミナー概要】
現在糖尿病患者数は、増加の一途をたどっており糖尿病専門医のみで診療は不可能となり一般臨床医の日常診療においても重要な疾患となっています。
さらに現在糖尿病治療薬は最新のSGLT2阻害薬を始めとして多数上市され百花繚乱を呈しています。その一方で日本糖尿病学会が示すガイドラインでは、糖尿病の病態に合わせて、どの薬剤を使用しても良いという玉虫色的な表現となっています。
この為、一般の実地臨床家としてはどの薬剤から開始しどのように治療するかが、とても解りづらくなっています。その為未だに旧態依然とSU薬のみで主に治療を行っている場合も数多くあります。
そこで今回の医療技術セミナーでは、科学的根拠に基づく新しい糖尿病の診断と治療についてお話します。さらに私の数多くの糖尿病治療経験から実地臨床における効果や注意点を示します。具体的には食事療法・運動療法の実践的な指導についてのお話、内服薬の選択使用法、さらにインスリン、GLP-1製剤の使い方をお話します。このセミナーに参加することによって、糖尿病診療に自信がもてるようになるかと思います。
皆さま、奮ってご参加ください。
■講演プログラムおよび要旨(受講者各位の録画・録音は固くお断り申し上げます)
10:00
・糖尿病の成因と診断
・実践的な食事療法、運動療法について
11:00
・薬物療法1基本的な治療戦略
(昼食・休憩)
13:00
・内服薬各論、特にSGLT2阻害薬を中心に
14:00
・インスリン、GLP-1製剤の使用法
・まとめ
セミナー要綱
セミナーNO. | 495 |
開催日 | 2018年7月8日 10:00〜15:00 |
講師 | ■最上康生 先生(総合医療センター成田病院 診療部長) |
診療科目 | 内分泌科代謝系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■7月8日(日)に開催しました第495回医療技術セミナー『実地医家のためのSGLT2阻害薬を中心とした糖尿病の薬物療法−最新の糖尿病治療戦略』は盛会裏に終了しました。
講師には、総合医療センター成田病院診療部長最上康生先生をお招きしました。”スキルアップ”には初めてのご登場です。福島県のネット会員の方のご推薦でした。
講義の組立は以下の通りでした。
午前の講義は、タイトル『糖尿病総論』として
「糖尿病総論」
・糖尿病人口・糖尿病の分類・糖尿病の地用目的
・大規模臨床研究・糖尿病治療戦略
また、「糖尿病各論(治療)」として、
・食事療法・運動療法・薬物療法でした。
また、午後の部は、『薬物療法』として
「薬物療法(総論)」
・基本的治療戦略・低血糖について・アドヒアランス
・糖毒性・Glucosespike・薬物療法ガイドライン
「薬物療法(各論)」
・SU薬・ビグアナイド薬・DPP4阻害薬・SGLT2阻害薬
・αグルコシダーゼ阻害薬・グリニド系薬・チアゾリジン系薬
・インスリン・GLP1製剤
「まとめ」というものでした。
最上先生は、講義の中で、日本の糖尿病患者は28年の発表だと2、000万人という公表であるが、まだまだ「自分が糖尿病であることを知らず、病院に来ていない患者がまだまだ多数いる」と主張され、おそらく実際には4、000万人・・・が実態ではないか。また、通ってくる患者さんには、きちんと通院し、薬を飲んでほしい・・・ことを強調している、とのこと。
最上先生は、「結語」として、以下の点を挙げられました。
・多大なベネフィットを有するSGLT2阻害薬は今後第一選択薬となる可能性がある。
・心血管系リスクのある症例、メタボリック症候群等は特に良い適応
・適切な薬物療法により早期から低血糖、体重増加を来さずに良好な糖尿病コントロールを達成することが重要である。
・SU薬は使用しない。
・通院の継続。
・薬剤アドヒアランスの重視
・早期から多剤併用療法を行い糖毒性を速やかに改善し、薬剤の減量を図る。
質疑では、各種の薬剤の使い方について集中しました。
講義では、SGLT2についてだけでなく、現状の糖尿病の薬物療法のすべてについて、レビューしていただきました。特にご自分の日常の臨床の中から、経験の中で磨かれた知見のすべてを披露していただきました。素晴らしいお話でした。糖尿病の薬物治療の現状を一通り知るためにも、有用な講義でした。
この日、数日続く西日本大豪雨の影響で、数人が出席できず、残念なことでした。主宰子の出身地であります福岡県の久留米市を始めとして、多数の犠牲が出ているようですが、心よりお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。
■講師 最上康生 先生(総合医療センター成田病院 診療部長)
専門分野:内科、糖尿病
<略歴>
87年東邦大学医学部卒業
91年東邦大学大学院卒業(医学博士)
91年済生会神奈川県病院内科
93年東邦大学医学部附属大森病院第二内科
96年東邦大学医学部附属大森病院第二内科助手
97年済生会若草病院内科医長
98年東邦大学医学部附属大森病院第二内科助手
03年総合医療センター成田病院診療部長