消化器科系

実地医家ができる膵臓癌診断

s00483
s00483

実地医家ができる、早期診断について。PETを含めて。

■講師 西野徳之 先生(綜合南東北病院消化器センター 長)
>講師詳細はこちら 
 

【セミナー概要】
膵臓癌(以下膵癌)はかつてはまれな疾患でしたが、近年症例は増え続けています。2016年には死亡数では、肺がん、大腸がん、胃がん、に次いで第四位です。直近では野球の星野仙一さん、横綱千代の富士さん、歌舞伎の坂東三津五郎さんが膵癌で亡くなっています。
膵癌は診断されても治療が難しく、5年生存率は9.2%にすぎません。その約半分の50.2%はstageIVで、その5年生存率は1.4%です。そして一番の問題は罹患数/死亡数≒1であることです。すなわち「膵癌になると死を意味する」ことになってしまうのです。がんの中でも一番性質が悪いがんということになります。膵癌は他人事ではなく、身近に感じてほしい疾患のひとつです。
その診断には採血、超音波だけでなく、造影CT、MRI、PETに加え、ERCP、EUS、EUS-FNAなどの精密検査を行い、総合的に診断しなければなりません。ですから、最終診断は、もちろん我々のような消化器の専門病院で行います。
しかし、患者さんが最初に腹痛などの症状やちょっとしたきっかけで診察を受けるのは身近なかかりつけ医であることが多く、そこで膵癌の疑いで精査依頼を受けると早い段階での診断治療を行うことができるのです。ですから、初診医がどこまで膵癌を疑えるのかが患者を救えるかどうかに直結してしまうのです。
膵癌は「手術ができないくらい進んだ状態」でも症状がないことがあります。一方、体重が減ってきて、精密検査を受けたら、膵癌と判明したということもあります。膵癌は大きさが2cmを超えるとすでに手術ができなくなるくらい浸潤が強くなっていることが多いのです。ですから、膵癌の症例で治せる可能性のある方はstageIで腫瘍の大きさが2cm以下の方ですが、この状態を診断することは大変難しいのです。
その理由は超音波では膵臓が見えにくく、造影CT検査をしなければ診断がつきません。そのCTでさえ、経験豊富な医師が診なければ容易に診断できない所見なのです。現実的には普段から膵癌を診療している医師でなければ、診断は難しいのです。CTを専門で読影する放射線科医でさえ、「治せる」膵癌の診断は難しいと考えているのです。それでは定期的というのがどのくらいの頻度かといいますと、現実的には半年です。それでも診断がついた時には進行がんになってしまっていることがあるというのが膵癌の恐ろしいところです。
今回の医療技術セミナーでは、直近の症例も含め、診断のきっかけ、画像所見、経過観察での変化など膵癌を診断するための役立つ情報をご提供させていただきます。
皆さま、奮ってご参加ください。
 

セミナー要綱

セミナーNO. 483
開催日 2018年4月22日 10:00〜15:00
講師 ■西野徳之 先生(綜合南東北病院消化器センター 長)
診療科目 消化器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■4月22日(日)に開催しました第483回医療技術セミナー『実地医家にできる膵臓癌診断−膵癌の早期診断と早期発見・診断のきっかけ、画像所見、経過観察での変化など役立つ情報』は盛会裏に終了しました。
講師には、郡山市・総合南東北病院消化器センターセンター長西野徳之先生をお招きしました。西野先生の登場回数も、もうすでに10本の指では足りなくなってしまいました。
講義は、標記のタイトルの下、組み立ては以下の通りでした。
・膵癌の臨床像を理解する
・治療可能な膵癌の診断方法を理解する
・日常診療で膵癌のriskfactorを意識する
・初期診療では超音波検査が役立つ
・PETやMDcoronaryCTを有効に活用する
・消化器を専門としない一般医家の先生に膵癌の診断の一端を担って
いただきたい。
また、もともと準備していただいたデータの他に、急遽、最新の症例の資料を3件、ご準備いただきました。
ある受講者は『膵癌には怨念を持っている』と、表現されました。これまでは、具合が悪いといって色々と調べているうちに膵臓癌だと分かっても、もうすでに時遅し、手をこまねいているうちに亡くなってしまう・・・ということが何回もあった、ということで大いに期待して参加したと言われました。また、最近の有名人では野球の星野仙一監督が膵臓癌で亡くなられました。何といっても、罹患数と死亡数が限りなく1に近く、まだ5年生存率が20%・・という状況です。
講義の中での説明は、症状としては「食欲がない、痩せてきた」「背中が張る、痛い」「黄疸」などのようですが、つい受診や検査を先延ばしにしていると、病状が進行してしまうようです。
膵臓癌は、膵頭、膵尾部等の発生部位によっても症状や進行具合、手術の適用や治癒率も違うとのことでした。また、糖尿病も大きなリスクファクターであるそうです。
講義の中では、造影CTやPETでの検査の必要性や、検査のコツ等いろいろなノウハウを伝授していただきました。
西野先生が最後に力説されたのは、「消化器を専門としない一般医家の先生に膵癌診断の一端を担っていただかないと、早期発見・早期診断が難しい、とのことでした。

■講師 西野徳之 先生(綜合南東北病院消化器センター 長)
講師略歴
87年自治医科大学卒業
87年5月−89年5月
旭川医科大学第3内科
研究生(旭川保健所勤務)
89年6月−92年5月
市立稚内病院内科―
利尻島国保中央病院内科
94年6月−96年9月
利尻島国保中央病院院長
96年10月−00年3月
新井病院―北成病院
00年4月−9月
市立根室病院内科医長
00年10月−
郡山市・総合南東北病院消化器センター内科消化器内科科長
07年4月−
消化器センター長(現職)
著書
「腹部単純?線写真の読影のしかた」
(10年、中外医学社)
認定医:日本消化器内視鏡学会認定医、日本消化器病学会認定医、認定産業医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医。

ビジターは購入できません。

医師会員、コ・メディカル会員

販売価格  ¥5,500(税込)

商品選択

数量  

SOLD OUT