日帰りストリッピング手術、血管内焼灼術からNTNTまで

■講師　阿保義久 先生（北青山Ｄクリニック　院長）
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【セミナー概要】
20世紀初頭に確立された下肢静脈瘤の根治的手術であるストリッピング手術は100年にわたって標準治療として君臨してきたが、21世紀に入って硬化療法、高周波治療、レーザー治療など低侵襲治療が急速に普及し、かつ治療モダリティーも複数選択できるようになった。2014年以降は保険診療下で治療効果の大きいモダリティーを用いた低侵襲治療が可能となったため患者にとっては望ましい治療環境が整ってきた。それにより、下肢静脈瘤は手術リスクや大きい入院負担のために治療を諦めていた多数の下肢静脈瘤患者が、負担の少ない日帰り治療（外来治療）を選択するケースが大幅に増えた。実際に国内における昨今の下肢静脈瘤治療数はここ数年で急増している。
良性疾患ではあっても進行性の疾患であり重症化の可能性もある下肢静脈瘤は、他の進行性疾患と同様に早期に治療を実践することが理想的であることから、罹患人口に見合う多くの臨床医がその診療を日常的に実施できるようになることが求められる。
今回の医療技術セミナーが多くの臨床家にとって有意義な情報源となることを望む。
皆さま、奮ってご参加ください。
10:00-12:00「下肢静脈瘤概論」
・下肢静脈瘤の分類
・下肢静脈瘤の診断
・下肢静脈瘤の治療法の変遷
・下肢静脈瘤治療法の実際
日帰りストリッピング手術フォーム硬化療法血管内焼灼術レーザーラジオ波（高周波；RF）経皮的レーザー治療
NTNTとしてのシアノアクリレートによる塞栓術（CAE）
・重症例、難治例に対する治療戦略
・治療におけるピットフォール
 
13:00-15:00「下肢静脈瘤治療実践編」
・血管パルスドップラーエコーでの診断ポイント
・血管内焼灼術（EVA）の実際
・NTNTの実際
 

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■1月21日(日)に開催しました第468回医療技術セミナー『下肢静脈瘤次世代治療』は盛会裏に終了しました。
講師には、北青山Ｄクリニック院長阿保義久先生をお招きしました。
「下肢静脈瘤」は、股やふくらはぎの裏側に太くジグザグに静脈が浮き上がって痛む疾患ですが、看護師、美容師さんや料理人さんという立ちっぱなしで仕事をする方、お産の前後等に、特に女性の方に多い疾患であると認識しております。このテーマは、メディカル・コア時代にＯＫクリニックのＨ先生にお話をいただいて以来、約10年ぶりくらいに取り上げることになりました。外科の領域なんでしょうが、内科の医師も患者さんから相談される機会は多いと思われ、知識としてもぜひ知っておいていただきたい疾患だと考えます。
講義の組立は以下の通りでした。まず、午前の部は、
・下肢静脈瘤の概要・現況
・日帰り手術導入の経緯
・血管内治療長期成績
・疾患の分類
・治療における解剖のポイント
・診断
そして、午後の部は、
・各種治療法
・血管内治療の変遷
・EndveonusAblationの実際（EVLARFACAE)
・重症例、難治例に対する治療の紹介というものでした。
お聞きした範囲では、症状は血管弁の不具合による表在性である疾患のようですが、どっこい、深いところから起こってくる疾患であることが理解できました。また、治療としては、10年ほどい以前に盛んになった具合の悪い血管を抜き取るストリッピング手術ではなくて、血管内でのレーザによる焼灼や手術に移行していることも理解できました。
 
主宰子も、阿保先生には10年ほど以前にお会いして以来、ときどき依頼し続けておりましたが、阿保先生の方では、今年の夏に3点目のご著書を出されたきっかけでお引受けいただけたように感じております。また、開始前の雑談で、先のＯＫクリニックのＨ先生は、ご自分のクリニックでこの施術療法を開始される前に、Ｄクリニックで約１年間の研修を受けられた、とのこと。ということは、これらの施術療法は阿保先生がご本尊であることが判明した次第でした。

■講師　阿保義久 先生（北青山Ｄクリニック　院長）
<略歴>
93年東京大学医学部医学科卒業
虎の門病院麻酔科
東京都教職員互助会三楽病院外科
東京大学医学部附属病院腫瘍外科・血管外科を経て
00年北青山Dクリニック開設
04年医療法人社団DAP理事長兼務
 
＜兼任・学会活動＞
東京大学医学部腫瘍外科・血管外科非常勤講師
 
日本外科学会専門医
日本脈管学会専門医
下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医
 
NPO法人ドクターズネットワーク理事長
 
＜著書＞
「アンチエイジング革命」「脚と血管のアンチエイジング」「若さを保つからだのバイブル」
「がん細胞を正常細胞に戻すCDC6shRNA治療」
「下肢静脈瘤治療」「切らずに治す椎間板ヘルニア」「下肢静脈瘤が消えていく食事」