抗菌剤、予防接種・ワクチンを中心に

■講師　岩田健太郎 先生（神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野　教授）
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【セミナー概要】
抗菌薬適正使用が国内外で大きな課題となり、日本の予防接種制度が世界に比べて数周回遅れと批判を浴びるなかで、我々はどのように考え、どのように診療すればよいのでしょうか。現状と将来像を中心にまとめたいと思います。1．こまめ
感染症領域の現状と課題
診断の問題
治療の問題
予防の問題
 
2．こまめ
抗菌薬使用の原則
薬理学的問題
臨床医学的問題
EBMの要諦とは
 
３．こまめ
予防接種の問題点
なぜHPVワクチンは推奨されないのか
キャッチアップの問題点
机上の空論とリアリティ
 
４．こまめ
診断の問題の克服
新薬の問題の克服
情報収集の問題の克服
未来の感染症診療とは

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■1月7日(日)に開催しました第466回医療技術セミナー『新春記念セミナー１感染症治療の現状を考える−抗菌剤、予防接種・ワクチンを中心に』は多くの参加者をお迎えし盛会裏に終了しました。
講師には、神戸大学大学院医学研究科附属病院微生物感染症学講座感染治療学分野教授岩田健太郎先生をお招きしました。スキルアップになってからは初めて、メディカル・コア時代を通して、9年ぶり（前回は奥様の土井朝子先生とご一緒に話をされました）くらいのご登場です。主宰子は、岩田先生は抗菌薬の領域ではトップリーダーだと思っております。46歳だそうですが、細身でますますお若いですね。
スキルアップでは、お弟子さんの大路剛先生（年に数回）や、昨年10月には『かぜ・似た重症疾患』でお招きした山本舜悟先生等をお呼びしておりますが、皆さんお弟子さんです。
岩田先生の講義は、午前中がテーマ『感染症領域の現状と課題』について「診断の問題」「治療の問題」「予防の問題」、『抗菌薬使用の原則』について「薬理学的問題」「臨床医学的問題」「ＥＢＭの要諦とは」についてお話になりました。
午後は、午前の講義と質疑が結構長く続きましたが、うまく話しの流れとして、午後のテーマ『予防接種の問題点』に変わりました。「なぜＨＰＶワクチンは推奨されないのか」「キャッチアップの問題点」「机上の空論と（医療現場の）リアリティ」について、『診断の問題の克服』については、「新薬の問題の克服」「情報収集の問題の克服」「未来の感染症診療とは」ということで、お話しをされました。
講義は、岩田先生のご著書である下記の5点(後で勉強していただくのに買い求めやすいということですべて光文社新書）に書かれていることに絞ってのお話でした。
?99.9％が誤用の抗生物質−医者も知らないホントの話(2013)
?「感染症パニック」を防げる！リスク・コミュニケーション入門
(2014)
?サルバルサン戦記秦佐八郎世界初の抗生物質を作った男(2015)
?予防接種は怖くない予防接種は「効く」のかワクチン嫌いを考える(2010)
?ワクチンは怖くない(2017)
岩田先生は、スライドを使われずに、部屋を明るくされたまま歩き回られながらの巧みな話術で、時に受講者に質問をされたり、笑わせたりたりされながらの、素晴らしいお話でした。
2018年の新しい年の年頭を飾るにふさわしいお話でした。
受講者の方々は感動しながら、温かい気持ちで帰られたと、確信します。

■講師　岩田健太郎 先生（神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野　教授）
【現職】
神戸大学都市安全研究センター感染症リスク・コミュニケーション研究分野教授
【略歴】
1997.3島根医科大学（現・島根大学）卒
1997.5沖縄県立中部病院(研修医)
1998.7コロンビア大学セントクルース・ルー
ズベルト病院内科(研修医)
2001.7アルバートアインシュタイン大学ベス
イスラエル・メディカルセンター(感染
症フェロー)
2003.7北京インターナショナルSOSクリニック
(家庭医、内科医、感染症科医)
2004.7亀田総合病院(感染内科部長、同総合診
療・感染症科部長歴任)
2008.4神戸大学大学院医学研究科微生物感染症
学講座教授（現職）
 
【所属学会・専門医】
日本内科学会
日本内科学会総合内科専門医
日本感染症学会感染症専門医、指導医
日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
日本環境感染症学会
米国感染症専門医
米国内科専門医
世界旅行医学旅行医学認定TM
日本渡航医学会
ICD制度協議会認定InfectionControlDoctor
日本エイズ学会
日本東洋医学会漢方内科専門医
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
【主な著書】
主な著書に、『サルバルサン戦記』、『ワクチンは怖くない』、近刊に『もやしもんと感染症屋の気になる菌辞典』、翻訳本で『きみの体の中(INSIDEYOU)』など著書多数。