循環器科系

めまい診療のポイント:危険なめまい・新型のめまいを見逃さないために

s00455
s00455

診察室での小ワザから最新の診療機器を用いた大ワザまで

■講師 室伏利久 先生(帝京大学医学部溝の口病院耳鼻咽喉科 教授)
>講師詳細はこちら 
 

【セミナー概要】
「めまい」の診療は面倒だ、難しい、コワい、と思っていらっしゃる先生方は少なくないと思います。なぜそう思われるのでしょうか。その理由の一つは、めまいの病巣が単一ではなく、耳、脳、こころなどさまざまな部位に存在する可能性があり、その鑑別が難しいと感じられるからではないでしょうか。もちろん難しい症例がないわけではありませんが、多くの場合、注意すべきいくつかのポイントをおさえればそれほど恐れることもないのです。
今回の医療技術セミナーの前半では、それらのポイントについて、私の臨床経験を提示しつつ理解を深めていただくことを目指します。また、これは、めまい診療に限ったことではありませんが、新しい疾患概念、新しい治療アルゴリズム、新しい検査法が次々に登場し、最新レベルにキャッチアップしてゆくことは容易ではありません。講義の後半では、こうしためまい診療における「新しい」点について解説したいと思います。皆さま、奮ってご参加ください!午前
基本的には、さまざまなケースを提示して、そこから得られる押さえるべきポイントを抽出し、理解を深めていただくことを目標に講義を行う。
・中枢性めまいに特有の眼振を供覧し、その診断的意義を理解する。
・めまいや聴力障害以外の神経所見をみつけることが重要であることを理解する。
・眼振はなくとも体幹失調の強いめまいには警戒が必要である。
・元来頭痛もちではない方が、頭痛を伴ってめまいを発症した場合には要注意であることを理解する。
・そのほかの診断に苦慮する症例について提示し、正しい診断に至る道筋について理解する。
 
午後
まず、身体平衡の維持にかかわる部位の解剖と生理を簡単に復習したうえで、新しいめまいの診断機器や新しいめまいの疾患概念について理解を深めることを目標に講義を行う。
・めまい平衡障害診療に必要な解剖と生理のおさらい。
・新しい半規管機能検査であるHIT(headimpulsetest)について理解を深める。
・新しい耳石器機能検査であるVEMP(vestibularevokedmyogenicpotential)について理解を深める。
・メニエール病の治療のアルゴリズム最新版を提示し、最新の治療戦略について理解を深める。
・最近注目されてきた新しいめまいの疾患概念である前庭性片頭痛(vestibularmigraine)の診断と治療についての理解を深める。

セミナー要綱

セミナーNO. 455
開催日 2017年10月29日 10:00〜15:00
講師 ■室伏利久 先生(帝京大学医学部溝の口病院耳鼻咽喉科 教授)
診療科目 循環器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■10月29日(日)に開催しました第455回医療技術セミナー『実地医家のためのめまい診療のポイント危険なめまい・新型のめまいを見逃さないために−診察室内での小ワザから最新の診療機器を用いた大ワザまで』は盛会裏に終了しました。
講師には、帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科教授室伏利久先生をお招きしました。初めてのお招きです。
講義の組立ですが、午前の部は、タイトル「症例を通して学ぶ『危険なめまい』を見逃さないためのポイント」として、以下の内容でした。
•どの程度中枢性めまいの症例があるのか
•どうやって中枢性めまいを鑑別するのか
•「危険なめまい」を見逃さない4つのポイント
1.めまい、聴覚症状(蝸牛症状)以外の神経症状を見逃さない!
2.中枢神経障害に特徴的な眼振を見逃さない!
3.「立てないめまい」は要注意!
4.元来頭痛もちでない人が、強い頭痛を伴って発症
午後の部は、タイトル「めまい診療の最前線へ−新しい診断法、新しい疾患概念、新しい診断基準−」として、以下の内容でのお話でした。
•めまい平衡障害診療に必要な解剖と生理のおさらい+基本的な検査のおさらい➡基本的な診断
•新しい半規管機能検査であるHIT(headimpulsetest)について
•新しい耳石器機能検査であるVEMP(vestibularevokedmyogenicpotential)について
•メニエール病の治療のアルゴリズムと治療戦略
•新しいめまいの疾患概念である前庭性片頭痛(vestibularmigraine)の診断と治療
•おわりに
主宰子は、「危険なめまい・新型のめまい」との全体タイトルに大いに期待して、お話をお聞きしました。「危険なめまい」とは、?患者の)生命にも危険が及ぶ可能性があるめまい、?もう一つは、(医師の)診断の誤りが後々のトラブルになるめまい、でありいずれにしても「中枢性めまい」の診断が対象となることが多い。これらのめまいは、女性に多く(60%)、外来・緊急入院の20%程度を占める。また、”新型のめまい”というのは、偏頭痛に関連して起きるめまい「前庭性片頭痛」が、注目されている、とのことで詳細な解説が行われました。
おりから、2週続けての大型台風の襲来の中で、熱心な質疑が行われました。
 

■講師 室伏利久 先生(帝京大学医学部溝の口病院耳鼻咽喉科 教授)
専門分野:耳鼻咽喉科・神経耳科
<略歴等>
1985年東京大学医学部医学科卒業。1992年医学博士。1994年2月〜1996年3月オーストラリアシドニー大学ならびに王立プリンスアルフレッド病院に留学。1996年東京大学医学部耳鼻咽喉科講師。2003年〜2008年東京逓信病院耳鼻咽喉科部長。2008年〜帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科教授。
所属学会はBaranySociety(正会員)日本耳鼻咽喉科学会(認定専門医、研修指導医、専門医試験委員)、日本めまい平衡医学会(理事、専門会員、認定めまい相談医)、日本耳科学会(代議員)、日本聴覚医学会、日本頭痛学会、姿勢と歩行研究会(代表世話人)など多数、日本がん治療認定医機構認定がん治療認定医。2000年にBaranySocietyのScholarshipforyoungcliniciansandscientists、2012年にBaranySocietyのHallpike-NylenPrizeを受賞。
著書には、『VEMP活用ガイドブック』(金原出版、2007)、『VEMP:itsbasicsandclinicalapplications』(Springer、2009)、『加齢とめまい・平衡障害』(新興医学出版、2013年)、『めまいの診かた、治しかた』(中外医学社、2016)など。

ビジターは購入できません。

医師会員、コ・メディカル会員

販売価格  ¥5,500(税込)

商品選択

数量  

SOLD OUT