循環器科系

心臓血管外科医が語る”家族性高コレステロール血症(FH)”の病態、診断と治療

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単なる高脂血症との違い

■講師 菅野恵 先生(総合南東北病院心臓血管外科)
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【セミナー概要】
私自身は心臓外科医で、かつ冠動脈疾患も多く手術してきたため家族性高コレステロール血症(FH)と遭遇する機会に恵まれてきた。その点ではPCIをされる循環器内科医も同様のはずであるが、診断率では当科の方がやや優っていると自負している。なぜなら今でもオペ室で初めてアキレス腱肥厚が見つかる事が稀ではないからである。
FHであろうともなかろうとも、多枝狭窄あるいは複雑病変の有無にも関わらず、いとも簡単に循環器内科医によるカテーテル治療で拡張されているし、大多数の症例のLDLコレステロール値は強力スタチン等で120〜130mg/dl程度以下に低下している。このような状況でFH診断の重要性と意義はどこにあるのであろうか、多くの先生方も恐らくそういう疑問をお持ちで、診断の必要性を実感されていないのだろうと推測する。本邦におけるFHの正診率が1%以下である事がその事を裏付ける。
今回の医療技術セミナーでは、発端者が正しく診断される事によって同胞内の冠動脈疾患予防が可能となり得る事例を経験してきたので提示する予定である。また20年以上LDLapheresisを要していた難治性症例にPSCK9阻害薬を開始し、apheresisから離脱し得た事も最近経験しているので最新のLDLコレステロール低下治療の実際もご覧いただきたいと考えている。
皆さま、奮ってご参加ください。10:00-12:00FHの病態と診断、そして治療のポイント
1)男子は40台から突然死が発症するある家系との遭遇
2)東北地方で最初のLDLアフェレーシス、25年も継続する結果に
3)PCSK-9阻害薬はLDLアフェレーシス替わりにになり得るのか
4)“家族性”である事を見抜く重要性
 

セミナー要綱

セミナーNO. 442
開催日 2017年8月20日 12:30〜14:30
講師 ■菅野恵 先生(総合南東北病院心臓血管外科)
診療科目 循環器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■8月20日(日)午後に開催しました第442回医療技術セミナー『実地医家のための心臓血管外科医が語る家族性高コレステロール血症(FH)の病態、診断と治療−単なる高脂血症との違い』は盛会裏に終了しました。
講師は、この日の午前中の『新たな?型糖尿病治療体系の提案』に続き、総合南東北病院心臓血管外科の菅野恵先生でした。
講義の組立は、以下の通りでした。
1)家族性高コレステロール血症の多彩な臨床像
2)少なくとも500人に一人の病気です
3)家族性高コレステロール血症との遭遇
4)LDLアフェレーシス
5)FHの診断とその意義
6)FHの診断が家族内早期治療の一助となる
心臓血管医である講師は、家族性こうコレステロール血症(FH:FamilialHypercholesterolemia)は、常染色体優位遺伝性疾患であり、早発性冠動脈疾患発症リスクが極めて高い疾患であり、早期診断・治療が重要である、とのこと。
お話の中で、この疾患は実際は300名に一人くらいの割合で存在するであろうこと、病態は「高LDL−C」「アキレス腱肥厚」を特徴とすること、家族の中に心筋梗塞による早世者の多数の存在により気づくことになるため、家族歴の詳しい聴取がポイントであること、家族性高コレステロール血症の正しい診断で家族内の冠動脈疾患予防、早期発見が可能になる・・・ということで、詳細なデータを見せていただきました。また、薬物療法についても改札していただきました。
受講者の中の整形外科医は、「アキレス腱」の肥厚者はこれまで何例も見てきたが、おそらく見逃していたであろう・・・との感想を口にされておられました。また、他の受講者も、改めて今後の「アキレス腱」のチェックの受容性・必要性について、認識されたようです。

■講師 菅野恵 先生(総合南東北病院心臓血管外科)
<略歴>
76年7月ECFMG(EducationalCommissionfor
ForeignMedicalGraduate)取得.
77年3月福島県立医科大学卒
4月福島県立医科大学第1外科入局
78年8月米国南California大学、関連施設
(St.Vincent病院)でClinical
Fellowとして2年勤務
(主任教授:JeromeHaroldKay)
83年3月医学博士号取得(福島県立医科大学)
94年11月財団法人脳神経疾患研究所附属南東
北病院心臓血管外科科長
08年7月同心臓・循環器センターセ長
14年4月−18年3月
東北大学医学部臨床准教授(心臓血管外科)
 
<学会>
評議員(日本冠動脈学会)
指導医
1)日本胸部外科学会
2)日本外科学会
3)心臓血管外科専門医機構修練指導者認定
専門医
1)日本心臓血管外科学会
心臓血管外科専門医(三学会構成心臓血管
外科専門医認定機構)
2)日本循環器学会認定専門医
ステントグラフト実施認定医
(腹部大動脈A-000123G(2009.4.20)、胸
部大動脈T000158G(2011.3.18))

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