循環器科系

近年導入された新薬による新たな2型糖尿病治療体系の提案〜肥満合併2型糖尿病の治療〜

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−患者さん自身の実感を伴う糖尿病治療を目指して;心臓血管外科医(冠動脈)の視点で;心臓血管外科医が

■講師 菅野恵 先生(総合南東北病院心臓血管外科)
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【セミナー概要】
1:当院心臓血管外科外来における2型糖尿病の比率は40%を超えている。本県(福島)では急増中であるが、これは全国的傾向であろう。
2:2型糖尿病治療は既に「専門医」のみではなし得ない状況であり我々も門外漢で居続ける事は許されない。特に我々心臓血管外科医師は、耐糖能障害から“終末期”糖尿病症例と広範な症例に迅速にかつ適切に対処せざるを得ない。そのため“糖尿病”は我々の必須教養である。
3:従来の糖尿病治療であまり重要視されてこなかったと思われる(あるいは無視されてきた)「肥満」に再度対処する事(新薬を含めて)が、患者さんの血糖コントロール改善はもちろんQOL改善と予後改善に繋がるものと心臓血管外医の経験から確信している。SU剤やインスリン治療中の体重増加は糖尿病治療にはつきももので、ある程度は容認されて来た節があるが、外科医としてはあまり好ましい現象ではないと考えてきた。
4:患者のやる気のなさや治療側も内心ほぼ諦めかけているような「臨床的無気力」(clinicalinertia)状態、あるいは“糖尿病治療は手帳にA1cを記載する事である”という患者の思い込みは一体何処からきたのであろうか2型糖尿病の本態を完全に理解しないまま治療を行なってきた医療側こそ問われるべきではないだろうか
5:野球試合には九回裏の逆転劇はありうるがそれでも最初から優秀投手を登板させるのが定石、一方の糖尿病治療では逆転劇がないのにもかかわらず先発投手の選択を誤っていたのではないだろうか。日本には何故か米国内分泌学会と臨床内分泌学会合同のガイドラインは紹介されてこない。我々はこの極めて理にかなったガイドラインによる治療が全く受け身だった患者さんに行動変容を容易にもたらす事を経験している。この“行動変容を自然に促す事が可能である”という極めて当たり前の事がこれからの糖尿病治療に必要なのではないだろうか。CKDと頚動脈高度狭窄を合併する低心機能症例(駆出率10%台)の冠動脈バイパス術などが決して珍しくなくなった昨今、心臓血管外科医にも一言、糖尿病治療に関して一言言わせていただければ幸いである。
10:00-12:00患者の行動変容をうながす2型糖尿病治療のポイント
1)HbA1-cが1%下がれば心筋梗塞が減るって本当ですか
2)冠動脈外科に長期間従事してきた外科医の眼に見える2型糖尿病の姿。
3)非常にロジカルと思われる米国内分泌学会の治療アルゴリズムと日本の治療実態の乖離の原因は

セミナー要綱

セミナーNO. 441
開催日 2017年8月20日 10:00〜12:00
講師 ■菅野恵 先生(総合南東北病院心臓血管外科)
診療科目 循環器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■8月20日(日)午前に開催しました第441回医療技術セミナー『近年導入された新薬による新たな?型糖尿病治療体系の提案−肥満合併?型糖尿病の治療;心臓血管外科医(冠動脈)の視点で−患者さん自身の実感に伴う糖尿病治療を目指して−心臓血管外科医が週に一回型のGLP-1RA使用全国一(ご自分では東洋一と)およびSGLT-2使用率が45%超になった背景』は盛会裏に終了しました。
講師には、福島県郡山市の総合南東北病院心臓血管外科の菅野恵先生をお招きしました。同病院の消化器センターの西野徳之先生の『変わっているけど糖尿病治療について、本質を突いたまともなことを主張されている。ぜひ公園の機会を!』とのご推薦で、実現しました。菅野先生の患者さんの40%は糖尿病を持っておられる患者さんであるとのことです。
菅野先生の講義の組立は、以下の通りでした。
1)2型糖尿病をどう定義するか
2)心血管死予防薬としてのmetforminの地位
3)近年登場した薬剤のevidence(CVD抑制)
4)診断におけるHbA1cの妥当性(2型糖尿病のものさし)
5)治療におけるHbA1cの妥当性
6)冠動脈疾患はHbA1cと無縁
7)動脈硬化疾患の背景に潜む糖以外の要素
8)高インスリンと2型糖尿病発症
9)インスリン分泌型は遺伝の影響下にありわずかな体重増加の影響
を受ける
10)耐糖能障害(IGT)の研究で学んだ事
11)2型糖尿病治療の目標は“冠動脈死”予防
12)GLP-1阻害薬は別格
13)SU剤の功罪
14)HbA1cdogmaのつけ(肥満は放置されてきた)
15)異所性脂肪(pericoronaryfat)
16)adiponectinおよびHDLcholesterol
17)DeFronzo先生の説を継承するACCE/ACEの治療アルゴリズムと
有力投手の早期動員は行動変容をもたらす
以上の項目で主張点はおのずと浮かび上がろうかというものですが、アメリカにおける糖尿病治療ガイドラインの治療ポイントの評価とDeFronzo先生の提唱の再認識による、”HbA1cという数値一辺倒の指導の誤りの指摘(HbA1cdogma)、薬剤ではメトフォルミンの再評価、DPP-4剤とSU剤の否定(この世から無くしてしまいたいとのこと)、GLP-1、SGLT-2の積極的導入の主張といえるかと思います。
ある受講者が、「今日は目からうろこが10枚は落ちた」と質問の中で言仰いましたが、糖尿病治療の現状の問題点の数々を指摘した素晴らしいお話でありました。ぜひ、他の医師方にも広めたい、聞いていただきたいお話でありました。
その他、時間外のご専門の心臓血管外科領域についてのお話しにもなかなか鋭い指摘や他の領域の診療についても役に立つお話も聞かせていただけました。
一年後くらいに、再度、別の話題でご登場いただこうと思います。

■講師 菅野恵 先生(総合南東北病院心臓血管外科)
<略歴>
76年7月ECFMG(EducationalCommissionfor
ForeignMedicalGraduate)取得.
77年3月福島県立医科大学卒
4月福島県立医科大学第1外科入局
78年8月米国南California大学、関連施設
(St.Vincent病院)でClinical
Fellowとして2年勤務
(主任教授:JeromeHaroldKay)
83年3月医学博士号取得(福島県立医科大学)
94年11月財団法人脳神経疾患研究所附属南東
北病院心臓血管外科科長
08年7月同心臓・循環器センターセ長
14年4月−18年3月
東北大学医学部臨床准教授(心臓血管外科)
 
<学会>
評議員(日本冠動脈学会)
指導医
1)日本胸部外科学会
2)日本外科学会
3)心臓血管外科専門医機構修練指導者認定
専門医
1)日本心臓血管外科学会
心臓血管外科専門医(三学会構成心臓血管
外科専門医認定機構)
2)日本循環器学会認定専門医
ステントグラフト実施認定医
(腹部大動脈A-000123G(2009.4.20)、胸
部大動脈T000158G(2011.3.18))

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