皮膚科系

学会では教えてくれない皮膚科における正しいステロイド外用薬の使い方

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〜アトピー性皮膚炎を中心に〜

■講師 渡辺晋一 先生(帝京大学 名誉 教授)
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【セミナー概要】
湿疹・皮膚炎群は皮膚科外来の1/3以上を占める疾患で、特に重症となったアトピー性皮膚炎患者の治療に難渋する医師は多いかもしれません。しかし私が皮膚科に入局した頃は、重症のアトピー性皮膚炎はおらず、治療も容易でした。しかし脱ステロイド療法が提唱されるようになって、重症アトピー性皮膚炎患者が増えてきました。最近は、脱ステロイド療法は下火になりましたが、相変わらずアトピー性皮膚炎で悩んでいる患者は大勢います。原因として不適切な治療が日本全国で行われ、間違えた情報が流布されているからだと思われます。
そこで今回の医療技術セミナーでは、アトピー性皮膚炎に対する適切な治療法は何かを示し、難治性になった原因を誰でも納得できるように解説します。講義内容は医学部の学生時代の知識を前提としておりますので、初心者でも十分理解できます。この講義により、アトピー性皮膚炎で悩む患者が一人でも少なくなることを願っています。
皆さま、奮ってご参加ください。アトピー性皮膚炎は難病だという考えが定着しつつありますが、実
はそれは間違いです。
適切な治療を行えば、容易にコントロールできる皮膚病で、難病に
しているのは不適切な治療を行なっている医師側に原因があると
思われます。
今回はなぜ難治となったかを解説し、適切な治療を行えば、簡単にアトピー性皮膚炎がコントロールできることを示します。なおアトピー性皮膚炎治療は湿疹・皮膚炎の治療一般に当てはまります。
 
10:00
●湿疹・皮膚炎群、特にアトピー性皮膚炎の診断と治療
湿疹・皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎とは
症状、経過
診断
アトピー性皮膚炎はどこまで血液検査をすればよいか
●アトピー性皮膚炎に対する外用治療
適切な治療を行えば難治性アトピー性皮膚炎患者はいなくなる
11:00
難治性アトピー性皮膚炎になった原因?—弱いステロイドの軟膏を選択
難治性アトピー性皮膚炎になった原因?—ステロイド軟膏を他の外用剤と混ぜる
難治性アトピー性皮膚炎になった原因?—保湿剤を塗ってからステロイド外用薬を塗る
保湿剤とは
12:30〜13:00昼食
13:00
外用抗真菌薬は有効か
脂漏性皮膚炎に対する誤解
本当の脂漏性皮膚炎とは
NSAIDs外用薬は有効か
弱酸性水などの消毒薬は有効か
プロアクティブ療法とは
ステロイド軟膏を使用しても良くならない時に考えること
診断の間違い
生活習慣によるもの
患者自身が掻破をやめることができない
ステロイドの副作用を湿疹と間違える
ステロイド軟膏の使い方(投与量、投与回数)の間違い
患者が指示通り使用しない
患者のアドヒアランスを上げるためにどうするか
14:00
●アトピー性皮膚炎に対する内服治療
抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬は有効か
ステロイド内服薬
シクロスポリンの内服
抗生物質の内服・外用
伝染性膿痂疹との鑑別
質疑応答
15:00終了
 

セミナー要綱

セミナーNO. 424
開催日 2017年5月14日 10:00〜15:00
講師 ■渡辺晋一 先生(帝京大学 名誉 教授)
診療科目 皮膚科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■5月14日(日)に開催しました第424回医療技術セミナー『学会では教えてくれない湿疹・皮膚炎の正しい治療法−アトピー性皮膚炎を中心に』は盛会裏に終了しました。
講師には、帝京大学医学部附属病院を、この3月で定年退任されました帝京大学名誉教授で帝京大学医真菌研究センター特任教授の渡辺晋一先生をお迎えしました。昨年の6月以来のご出演です。前回に続いて「湿疹・皮膚炎」を取り上げていただきました。
講義の組立は、以下の通りでした。
湿疹・皮膚炎の分類
・外因性湿疹(接触皮膚炎(かぶれ)/光接触皮膚炎/
主婦(手)湿疹/オムツ皮膚炎
・内因性湿疹(アトピー性皮膚炎/脂漏性皮膚炎)
・その他(皮脂欠乏性湿疹(老人性湿疹)/貨幣状湿疹/
自家感作性皮膚炎/うっ滞性皮膚炎)
乾燥肌の破傷メカニズム
アトピー性皮膚炎と感染症
・ウイルス感染症/・細菌感染症/・真菌感染症/・薬疹
というものでした。
講義は、『いつも患者さんの側に立ち本当のことをしゃべるので、私には講演の依頼などほとんど来ない』『皆さん、アトピー性皮膚炎はきちんと正しく治療すれば治ります。でも治してしまうと患者さんが減りますが、それでもよろしいんですね!』という、ある意味衝撃的なお話で始まりました。
今回お話を聞いているうちに、特に『学会では教えてくれない』というタイトルが付いた意味もようやく分かってきました。要するに、皮膚科の領域では『アトピービジネス』というのが存在・横行しており、”きちんと治療して治さず、治療を長引かせ(て薬剤をたくさん使わせ)よう”という薬剤業界の意図を”忖度”し、余計な薬を使わせよう・・・とするグループがあり、学会も製薬業界に遠慮してしまっている・・・ということのようです。ある事例では、外国企業でも本社では普通にPRしているのに、日本の支社では別のことをPRしている事例もご紹介くださいました。やはり、渡辺先生は大学を退任され、ある程度自由なお立場でお話が出来られるようになられたのだと理解しました。
渡辺先生は、6月から、主にレザー治療を自費診療で行っている銀座のとあるクリニックの院長に就任の予定だそうです。今後、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

■講師 渡辺晋一 先生(帝京大学 名誉 教授)
<専門>
医真菌学、レーザー医学、皮膚の組織病理学、
化学療法、アトピー性皮膚炎
 

<略歴>
78年東京大学医学部医学科卒業
東京大学医学部皮膚科研修医
79年東京大学医学部文部教官助手
83年東京大学医学部皮膚科医局長
84年三楽病院皮膚科部長
85年米国ハーバード医科大学マサチューセッ
ツ総合病院皮膚科researchfellow
88年帝京大学医学部皮膚科助教授
94年帝京大学医学部皮膚科教授
98年帝京帝京大学医学部皮膚科主任教授
17年帝京大学名誉教授

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