他科医のための肛門疾患診療の実際
解説と動画により説く
■講師 辻順行 先生(熊本市・高野病院(副院長)/大腸肛門センター センター長)
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【セミナー概要】
一般的に肛門疾患における疾患別頻度は、痔核、裂肛、痔瘻のいわゆる3大疾患が大多数を占め、これらの3種の疾患で約90%を締める。したがって肛門疾患に対する診療では通常一般的に行っている基本的な診察の進め方、すなわち問診→視診→指診→肛門鏡の使用法を使用した診断法について触れ、さらにその他の疾患(便失禁、直腸脱、毛巣瘻等)の診察・診断に必要な各種特殊な検査である肛門エコー検査、肛門内圧検査、排便造影検査、MRI検査等にも触れたい。
診断のつぎには、治療が必要となるが、治療としては保存療法、外来処置、手術がある。当然手術では根治性が高く、機能も温存され、安全に行う力量が要求される。
そこで今回の医療技術セミナーでは、上記の解剖、診療の際の各手技、各種特殊検査の手技と、手技を通して何を見るかのポイントについて解説を加える。また専門医による各疾患の手術について、動画を用いて、解説を加える。
是非多くの方にご参加いただき、日常の診療の糧にして頂きたい。
10:00−12:00
1.肛門の解剖、生理
2.肛門診療のコツ
1)問診の見方、取り方
2)視診のポイント
3)指診のポイント
4)肛門鏡診、直腸鏡診
5)肛門エコー検査
12:00〜13:00昼食・休憩
13:00〜14:00
3.各論
1)痔核の種類、分類、治療(動画)
2)痔瘻の種類、分類、治療(動画)
3)裂肛の種類、分類、治療(動画)
4)その他の疾患
セミナー要綱
セミナーNO. | 419 |
開催日 | 2017年4月2日 10:00〜15:00 |
講師 | ■辻順行 先生(熊本市・高野病院(副院長)/大腸肛門センター センター長) |
診療科目 | 医療法律系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■4月2日(日)に開催しました第419回医療技術セミナー『動画と解説により説く他科医のための肛門疾患診療の実際』は盛会裏に終了しました。
講師には、遠く熊本より大腸肛門病センター高野病院副院長辻順行先生をお招きしました。高野病院は熊本と久留米に拠点を置く大腸肛門病の専門病院で、各20名ずつほどの医師が所属されている、とのことでした。半年ほど前、「タケシの元気が出るテレビ」の中で、”魔法の指を持つ医師”として紹介されており、お呼びしなくてはと思い、実現しました。”魔法の指”とは、この領域では肛門から指を挿入して検査をされることは必須の検査法ですが、疾患をなんでも感知される指を持っておられる達人であるということでしょう。
講義の組立ですが、午前の講義は、タイトル『肛門の診察と診断−診療の基本』として、「肛門疾患の検査・問診編」であり、視診、指診、肛門内視鏡、肛門エコー、怒責検査、排便造影、吸角検査、内視鏡検査、過酸化水素水の注入、肛門径の測定、でありました。
午後の講義は、タイトル『肛門疾患診療の実際−治療−各論編』として、?痔核の実際と治療、?痔瘻(アナ痔)の実際と治療、?裂肛(切れ痔)の実際と治療、というものでした。
主宰子が驚いたのは、「痔瘻」の項です。痔核や裂溝は何とか想像できるような氣もいたしましたが。”痔瘻”はばい菌の巣から、出入り口が、8〜12本もできるのだそうです。それが肛門の周囲のあちこちに顔を出してしまい、そこから粘液が出る・・・。想像するだに大変な疾患です。そうした、多くの出入り口につながる瘻管のすべての処置を手術で、切り開かれて穴をふさいでしまう・・・という手の込んだ手術の実際を見せていただきました。すばらしい。
辻先生によりますと、肛門周辺という汚い箇所の疾患ではありますが、治る場合は、キレイに治る達成感のある手術である、とのことでした。でも、講義の中では、なかなか治らない痔瘻の再手術や、治らないので他院から回されてきた症例などの再手術の場面も見せていただきました。
辻先生は、こういう筋書きの中で、動画をたくさんたくさんちりばめていただき、受講者の方も満足されるどころか、堪能されたかと思います。質疑もたくさん出て、「他科医のための」と付いているから、詳しい質問は出ないのではないか・・・と思っていた・・・という辻先生が一番驚かれたようでした。
■講師 辻順行 先生(熊本市・高野病院(副院長)/大腸肛門センター センター長)
【専門】直腸、肛門疾患の検査、手術
<略暦>
85年4月:日本医科大学卒業
5月:日本医科大学附属病院第二外科入局
89年4月:高野病院入職
91年5月:医学博士取得
93年3月:福岡高野病院入職、医長
96年10月:福岡高野病院外科部長
98年10月:たかの博多駅前クリニック入職、院長
00年4月:高野病院入職外科部長
01年4月:豊島園大腸肛門科、副院長
02年10月:東邦大学病院第三外科客員講師
03年10月:同大学非常勤講師
04年5月:高野病院入職、副院長
08年9月:家田病院入職、院長
12年4月:高野病院入職、副院長
<認定・専門医>
日本大腸肛門学会指導医、専門医/外科学会専門医
<.学会役員・評議員>
日本大腸肛門学会評議員/
日本大腸肛門学会教育委員/日本大腸肛門学会広報委員/日本大腸肛門学会専門医試験作成委員/大腸肛門病懇談会世話人/西日本直腸肛門懇談会代表世話人/臨床肛門病学会評議員/内痔核研究会世話人/脱肛研究会世話人