循環器科系

高血圧研究の進歩と降圧療法のUp-to date

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プライマリーケアに必要な知識

■講師 栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
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【セミナー概要】
本セミナーに興味を持たれている実地医家の諸先生におかれては、毎日の日常診療で、高血圧、糖尿病、脂質異常症など内臓肥満をベースにした、いわゆるメタボリック症候群(メタボ)の診療に携わることが多いと思います。この中でも、特に高血圧は、近年の飽食の時代の過剰食塩を原因のベースとして、明らかな臨床症状もなしに緩慢に進行し、様々な脳・心・腎障害を介して重篤な心血管疾患を合併していくsilentkillerとして知られており、最も重大な国民病とされています。高血圧は、糖尿病や脂質異常症と比較しても、降圧療法の有用性に関しての一次エンドポイントが極めて明確に示されている病態として知られ、それ故、降圧療法の重要性は他のメタボ因子のどれよりも重要とされています。それ故、正しい高血圧の知識や適切な降圧療法は、かかりつけ医の大きな責務です。
さて、最近はメタボにしばしば併存する高尿酸血症が注目されています。高血圧・高血糖・脂質異常などは血管障害性があり、高リスク病態を生む事は比較的容易に理解しやすいのですが、高尿酸血症に関しては、「善玉説」と「悪玉説」があり、その病態生理学的意義は必ずしも明確ではありませんでした。一方、最新の研究では尿酸の心血管リスクとしての役割を、innocentbystander(罪ない傍観者)からcentralplayer(リスクの主役)へと、役割が変わりつつあるとされ、心血管系リスクと見なされてきています。
本医療技術セミナーでは、これらの疾患の変遷・潮流も見据えて、高血圧の最新の知見を再考する事に加えて、高尿酸血症の新たな概念とその診断・治療を皆さんと考えていきたいと考えています。高血圧や高尿酸血症は、プライマリーケアの重責を担っておられるプライマリケアー医においては、健診結果を受けてステージの軽い時期に適切に患者指導を開始すべき疾患ですが、同時に進行した時期の患者さんにおいても適切な治療の重要性は殊更大きいのです。
皆様の奮ってのご参加を期待致します。
10:00-12:00高血圧研究の進歩と降圧療法
1.高血圧の歴史的変遷
2.血圧調節の三大因子と降圧薬
3.家庭血圧の位置づけ
4.血圧日内変動のリスクについて
5.降圧療法のJ字現象と降圧目標
6.最近の大規模研究からの知見
7.NNTとRRRを念頭に投薬を
8.二次性高血圧について
9.食塩の功罪;最近の話題
10.高血圧の遺伝学的知見
 
13:00-15:00高尿酸血症と血圧
1.尿酸:沈着症+全身病への概念の時代的変遷
2.強力な抗酸化物質としてのメリット
3.進化における飢餓と尿酸と筋原性尿酸産生の生理学
4.最近の高尿酸血症と高血圧の疫学
5.MetabolicstreeeraserとしてのXOR阻害薬への降圧作用と腎保護薬としての期待
6.生活習慣病とEpigenetics(遺伝子修飾)

セミナー要綱

セミナーNO. 407
開催日 2017年2月5日 10:00〜15:00
講師 ■栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
診療科目 循環器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■2月5日(日)に開催しました第407回医療技術セミナー『プライマリケアに必要な高血圧研究の進歩と降圧療法のUp-to-Date、高尿酸血症と血圧』は盛会裏に終了しました。
講師には、東京国税局診療所・健康管理センター所長で、東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科客員教授の栗山哲先生をお招きしました。栗山先生は、もう片手の指では足りなくなったほどのご登場の回数になります。
講義の組立は、午前の部が、タイトル『高血圧研究の進歩と降圧療法のUp−to−date』として、
1.高血圧を考える
2.降圧療法の基本
3.血圧の変動の特徴
4.降圧レベルを決定する
5.二次性高血圧の鑑別
6.食塩と高血圧を再考する
7.高血圧と遺伝子異常、
午後の部は、タイトル『高尿酸血症と血圧の話題』として、
1.尿酸:沈着症+全身病へ概念の時代的変遷
2.強力な抗酸化物質としてのメリット
3.進化における飢餓と尿酸・筋原性尿酸産生生理
4.最近の高尿酸血症と高血圧の疫学
5.MetabolicstresseraserとしてのXOR阻害薬への降圧薬・腎保護薬としての期待
6.話題提供:生活習慣病とEpigenetics(遺伝子修飾)、
というものでした。
これまでの高血圧研究の進歩と降圧薬の歴史についてのレビューと、各所にきらりと光る新しいお話を入れていただけたようです。
そもそも、今回の企画は、降圧剤の領域では、2010年ごろ発覚し大問題になった「ディオバン事件」により、ここ数年はすっかり沈み切り、新たな降圧薬の市場投入もなく、降圧薬を語る側も薬の真剣な評価について触れたがらない・・・という事情が続いている中で、あえて現在までの到達点と、最新の療法についてお話しいただこう・・・という企画でありました。
興味を強く引いた話題では、最後におはなしいただいた「生活習慣病とEpigenetics(遺伝子修飾)」の箇所では、男性の晩婚化と出産で、精神疾患を発症しやすい子孫が生まれやすくなる。”親の因果が子に報い”の典型的な例と言えよう、とのこと。これを防ぐには生活習慣を正しくすることが肝要である、という訳でした。
残されていた受講者のアンケートでは、「一流の先生のお話を聞けてゆういぎであった」というのもありました。

■講師 栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
<略歴>
78年東京慈恵会医科大学卒業
同上第二内科大学院
82年同上修了
84〜86年米国ニュージャージー医科歯科大学・高血圧研究部門留学Dr.AbrahamAvivに師事
85年東京慈恵会医科大学より医学博士受領
91年同上第二内科講師
92年東京都済生会中央病院内科医長
93年同上内科部長
99年東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科助教授(准教授)
07年同上客員教授
13年東京国税局診療所・健康管理センター所長
18年東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)
医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐
現在に至る
<専門領域>
腎臓病学、高血圧、糖尿病腎症・痛風・核酸代謝領域
<学会活動と業績>
内科学会、腎臓学会、高血圧学会、痛風・核酸代謝学会、J-CLEAR研究会
筆頭著者論文102編、共著82編、総説108編、共同著書30編など
<指導医・評議員>
日本内科学会認定医・指導医
日本高血圧学会特別会員(FJSH)・専門医・評議員、日本腎臓学会元専門医・指導医・法人評議員・学会誌査読委員
J-CLEAR評議員
痛風・核酸代謝学会評議員
日本透析医学会元専門医・認定医・評議員

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