消化器科系

勉強しなくちゃ! 外来診療 疾患の振れ幅を学ぶ症例集 後編

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外来はまるで症例の宝庫-一筋縄ではゆかない数々の症例から疾患の“振れ幅”を学ぶ

■講師 西野徳之 先生(綜合南東北病院消化器センター 長)
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【セミナー概要】
当院の消化器内科は総合診療を兼ねているので様々な症例を経験します。受診される患者さんは消化器内科を入口に様々な疾患の振れ幅の症例が受診されるのです。加えて救急外来の症例や近隣の開業医の先生からも様々な疾患の症例が紹介されます。今回の講演ではその中から診断に一筋縄ではゆかない症例を厳選してご紹介致します。
外来を受診する患者は症状からすぐに診断できて、治療できる方ばかりではありません。何度か受診してもらい、いくつかの検査をしなければ診断にたどり着けない症例もいます。場合によっては入院してもらい、治療しながら診断してゆかなければならない症例もいます。場合によっては別な病院に診察依頼をしなければならないこともあります。
受診時の症状が腹痛、発熱、肝機能障害、貧血、外来でよくみかけるものであっても、必ずしもcommondiseaseというわけではありません。同じ症状でも、いろいろな診断の症例がいるものです。めったに遭遇することがないかもしれませんが、疾患の振れ幅をこの機会に一緒に勉強しましょう。鑑別疾患の選択肢が多ければ多いほど、皆さんご自身で診断できる機会も増えるものと思います。医療の現場では、起こりえることは起こるものです。
このような症例なら、どのような疾患を考え、どのような検査を組み立ててゆくかどの段階で病院への診療依頼をするかというsimulationをしながら、ご聴講いただくのもよいかもしれません。他科の症例も交え、多くの症例をオムニバス形式で前編・後編の二回に分けて供覧してゆきます。
最初に前編の復習をしてから、追加の症例、そして最近経験した症例を御紹介致します。
皆さま、奮ってご参加を!
10:00-12:00 13:00-15:00
肝機能障害(診断上で揺れ幅を示す一例)
脂肪肝/総胆管結石ほぼ正常/Lemmelsyndrome/
Mirrizi’ssyndrome/総胆管結石乳頭嵌頓膵炎/うっ血肝/
lymphomaassociatedhemophagocyticlymphoma、LAHS/
巨大肝嚢胞/急性胆嚢炎/総胆管結石/AOSC
以下、イレウス、下血、貧血、発熱、食道、胃、腸、巨大腫瘤と
続きます。
(「前篇」(#375)は、‘16年7月18日に開催しました)
 
肝機能障害の原因がウイルス性心筋炎やLemmel症候群。発熱の原因がLAHS。下痢が続くという症例が実は進行結腸癌。水腎症で尿管がん疑いで手術をしたら胃がんの尿管浸潤。胸痛の原因が食道穿孔。下腹部痛と発熱の原因が虫垂の穿破による腸腰筋膿瘍。胸やけの原因が鼠径ヘルニアの嵌頓によるイレウスや便秘による症例。受診動機と診断結果がすぐにはかみ合わないような症例を診断の経過をご紹介します。

セミナー要綱

セミナーNO. 403
開催日 2017年1月9日 10:00〜15:00
講師 ■西野徳之 先生(綜合南東北病院消化器センター 長)
診療科目 消化器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■1月9日(月・祭)に開催しました第403回医療技術セミナー『外来診療疾患の振れ幅を学ぶ症例集後編−外来はまるで症例の宝庫;一筋縄ではゆかない数々の症例から疾患の”振れ幅”を学ぶ』は盛会裏に終了しました。この企画は、昨年7月18日に開催しました、同名のセミナー(前編)が好評でしたので、引き続き開催されたものです。
今回のセミナーで集めていただいた症例の多くは、基本的に患者さんが自分で歩いて来院し(救急車での症例も少し含まれておりますが)、自己診断に基づく申告と、その後の検査・診療後に判明し診断された疾患名が一致しなかった・・・、あらぬ方向での診断であった・・・という症例です。逆に言えば、患者さんの自己診断、あるいは訴えが、いかに間違っていることが多いのか。でもでも、それでも患者さんの訴えは重要で、よく聞き診断に生かすべき大事な要素である・・・ということにつながります。そうした疾患の症例が、いつもいつも典型的なものではなくて、非典型的な症例もまた多いのだ・・・ということの証左なんでしょうね。
講師には、総合南東北病院消化器センターセンター長西野徳之先生をお招きしました。西野先生は、5年前の原発事故以降も、福島県郡山市の病院で、多くの医師が避難された後も、数人の研修医さんと一緒に病院に踏みとどまりたくさんの患者さんの診療に当たられ、毎司教検査においてもたくさんの検査をこなされるとともに、多くの有能な若い医師を育てておられる方です。素晴らしい!ことですよね。(語尾は西野先生の癖の真似です)。
講義の組立ですが、下記の通りでした。西野先生は、300頁に及ぶスライドデータ(要するに600件)を配布され、疲れを見せられないマシンガントークでの4時間でした。素晴らしかった。
急性腹症、発熱と発疹、細菌性感染症、胃癌、前胸部痛、
心窩部痛、不眠・腹痛・背部痛、嘔吐・頭痛、腹痛、
貧血・腰痛、嚥下障害・むせり、膵癌
なお、今回の講義の中に出された質問や議論で非常に興味深かったのは、やはり、次の3点でした。
?経鼻内視鏡検査で、内視鏡の挿入で鼻を通すときの困難さと、患者さんの感想・評判の悪さはいかがか−西野先生は、痛くないようにと、経鼻用の細径スコープを使って、経口で…検査されております。
?上部消化管検査で、バリウムを使った検査の案内が、まだ時々配られてくることがあるが、有用性は議論としては、バリウムの効用については、すでに否定的な評価の意見が世の大勢になっているのに、なぜまだそうした検査が多いのか
?小腸内視鏡の進歩度について
ところで、最近は「大腸用カプセル内視鏡」も開発され、内視鏡がどうしても入れられない方に使われ始めた・・・ということです。素晴らしい!

■講師 西野徳之 先生(綜合南東北病院消化器センター 長)
講師略歴
87年自治医科大学卒業
87年5月−89年5月
旭川医科大学第3内科
研究生(旭川保健所勤務)
89年6月−92年5月
市立稚内病院内科―
利尻島国保中央病院内科
94年6月−96年9月
利尻島国保中央病院院長
96年10月−00年3月
新井病院―北成病院
00年4月−9月
市立根室病院内科医長
00年10月−
郡山市・総合南東北病院消化器センター内科消化器内科科長
07年4月−
消化器センター長(現職)
著書
「腹部単純?線写真の読影のしかた」
(10年、中外医学社)
認定医:日本消化器内視鏡学会認定医、日本消化器病学会認定医、認定産業医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医。

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