消化器科系

実地医家のためのプロポフォール麻酔と粒良式観察法によるまったく苦痛のない胃カメラ検査法

s00374
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プロポフォールの使い方と最速最短の観察法

■講師 後藤利夫 先生(新宿大腸クリニック 院長)
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■講師 佐藤達雄 先生(東京大学大学院物療内科)
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【セミナー概要】
10:00-12:00
「胃カメラ検査時のプロポフォール麻酔の使用法」
プロポフォールを使えば「今までこんなに楽な検査は無かった」と患者さんの圧倒的な支持が得られ、その地域の胃カメラNo.1クリニックになれるでしょう。画質の悪い経鼻スコープを用意する必要もありません。長時間の安静も必要ありません。高価な拮抗薬も必要ありません。しかし麻酔剤ですので今までの鎮静剤や鎮痛剤とは使い方が違います。10年前から導入し、今までグループ全体で30万件以上使用した実績のある医師がプロポフォールの安全な使用法を具体的に実践的に解説します。
13:00-15:00
「早くて見逃しのない粒良式観察法の実際」
プロポフォール麻酔は覚醒が早く、早くて見逃しのない観察法が必要です。従来の回転式観察法はスコープ先端の移動距離が長く、操作も複雑でした。東大・粒良式の垂直観察法は合理的で無駄が無いので、観察は早いのに見逃しが少ない観察法です。この講義時間内でマスターできるようにビデオを利用して観察手順と観察のコツを実践的に解説します。
 
プログラムの詳しいご案内はhttp://消化器内視鏡.comで見られます。
 

なお、2月下旬に、G県のE医師より、後藤先生に質問が届いたことにより、以下のディスカッションが行われました。大変、重要な内容でしたので、以下に公開させていただきます。
 
問1:「プロポフォール」は、人工呼吸装置がないところでは使えないし、そういう使い方は保険適応外ではないでしょうか。添付文書には書かれていません。そういうことでは、一般の開業医には広まらないのではないか因みに、自分は「セルシン」を使った無痛処置をやって成果を上げている・・・
 
答:プロポフォールの使用は日本でもだんだん広まってきてます。もちろん、生体モニタ、アンビューや送管キットなどは用意します。セルシンにも添付文書には重大な副作用として「2)舌根の沈下による上気道閉塞(0.1〜5%未満)が、また、慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」とあり、アンビューや送管キットなどはいずれにしても用意した方がいいと思われます。
アンビューや送管は私はしたことがありませんが、もしあったとしてもすぐに醒めるので5分です。添付文書に内視鏡とは書かれていなくても合法的に使うことはできます。そもそもセルシンの添付文書にも内視鏡とか検査に伴う薬剤などとは書かれていません。保険の請求方法はセルシンは鎮静剤で内視鏡検査に伴う薬剤として請求できますが、プロポフォールは麻酔薬ですので内視鏡検査に伴う薬剤としては請求できません。内視鏡検査以外に、検査に伴う短時間の麻酔という項目を立て、それに使われた薬として請求します。
胃カメラに伴う使用は都道府県により請求が通る県と通らない県があるようです。(都会の方が通りやすい)もし通らないときは、病院持ち出しとなりますが、薬価が安いのと、薬価の高い拮抗薬が必要ないので十分な安静スペースをとれない病医院では重宝します。
開業医さんは勤務医時代に使っていたものを使いますので、一般の開業医にも今後ゆっくりと広まるものと思われます。
私自身はは、セルシン+オピスタン10年、ドルミカム10年、プロポフォール10年使用しましたが、次第に短時間作用のものに変わっています。
なぜプロポフォールがいいかというと、セルシンは追加投与を普通しませんので効く人は楽だったといいますが、中には効かない人がでてきます。ベテランなら適量をさじ加減でできるかもしれませんが絶対ではありません。追加投与してもいいのですが効果が出るのに時間がかかるので検査時間が長くなります。また、追加投与すると醒めも遅くなります。
ところが効きが早く醒めも早いプロポフォールは1ccずつ追加投与していきベストな量を入れますのでベストな効果を期待できます。規定の量ではなくその人にあったオーダーメードの量を投与しますので全員が一定の深さの麻酔をかけられるのが最大の違いです。
 
問2:丁寧なご返答に御礼申し上げます。
私は、循環器専門医ですが、30年以上胃内視鏡検査を続けております。2万例を超えていると思います。
20〜30年前に、ヨーロッパではセルシンを使用して、ブスコバンを使用しないという文献を読んで、そのようにしていました。これまで嘔吐反射のない経口胃内視鏡検査を考え続けて行ってきております。検査の記憶をなくすことでなく、嘔吐反射をなくせば楽に検査ができます。
75歳以上の高齢者も多いため、20歳代から年齢体重別の表を私が独自に作り、訂正を繰り返して、セルシンの静注量は各患者さんで様々です。また、気付いた点として、セルシンは静注直後より5〜10分後(過緊張の患者さんは10分前後)に鎮静効果が高いと思っております。検査中は会話ができる程度の量で、検査終了後も歩行ができます。念のため、1時間休憩してから説明し帰宅させていますが、検査の記憶がないほどのセルシン投与量は、最近は使用しておりません。
呼吸抑制は、文献的には書かれていますが、一度も経験はありません。
もう一つ大切な点は、キシロカインスプレー(80mg/ml)の噴霧量だと思います。添付文書の用法・用量欄には0.5mg(最大1mgまで)となっていますが、2〜30年以上体重年齢別の考慮がなされていません。この点を考えて噴霧していますが、ほとんど嘔吐反射はありません。毎日、あらゆる患者さんで100人以上の診察もしており、多忙で時間がないため、以上のようなことを公表するのは初めてですが、これから経口胃内視鏡を行おうとしている先生には参考になると思います。
余談ですが、良性頭位性めまいで嘔吐しながら来院する患者さんや、パニックで血圧が200前後まで上がる患者さんには、セルシン静注1〜5mg前後で2〜3分で著効します。そのような経験も内視鏡での使用に役立っています。
プロポフォールは、人工呼吸器のない施設でも本当にいいでしょうか高齢者ではかなりの注意が必要で、経験的な投与量をしっかり徹底するのも大切ではないでしょうか
 
答2:先生のご意見とても参考になりました。ありがとうございます。以下、お返事に追加いたします。
セルシンを10年間2万件、ドルミカムを10年間2万件、プロポフォールを10年間2万件行った経験があります。
プロポフォールは10年間に千葉西総合病院、湘南鎌倉病院、湘南厚木病院、鎌ヶ谷総合病院等の関連病院に紹介し、今まで全体で約30万件の使用実績を持っております。
検査の記憶を無くすという表現はプロポフォールには当てはまりません。セルシン=半覚醒(半分起きているが鎮静効果で落ち着いている)ドルミカム=逆行性健忘(検査途中に苦しくても一度寝たら忘れる)プロポフォール=麻酔下(検査前に意識が無く検査終了とほぼ同時にしっかり醒める)
プロポフォールは半覚醒ではなく無意識の麻酔下ですので嘔吐反射は全く起きません。またプロポフォールはキシロカインスプレーなしでも反射なく検査できます。キシロカインをいやがる人、アレルギーの人、喘息発作を誘発する人には喜ばれます。プロポフォールが人工呼吸器がないと使えないと言うのはどちらで聞かれたのでしょうかプロポフォールは血中濃度半減期が短く、醒めるのが早いので万一深くかかってしまってもすぐに起きます。万一横隔膜が止まり呼吸停止が来てもアンビューで5分間酸素を投与したら手が疲れる前に目が醒めるのです。プロポフォールは通常は点滴で入れますが、内視鏡検査時は安全のため検査前にワンショットで静注します。
これを知らない麻酔科の先生が使っている現場を見たこともないのにプロポフォールを危険だといっていることが多いようです。
血中濃度半減期は、以下の通りです。
セルシン約50時間/ドルミカム約2時間/アネキセート約50分/プロポフォール約5分
セルシンやドルミカム後にアネキセートで起こしても、あるいはベッド上安静後起こしてもまだ少し残っていてボーとする感じが嫌で麻酔をいやがる人も居ます。プロポフォールは拮抗剤を使わなくてもスッキリ目覚めて熟睡後の爽快感があります。初めて検査を受けた人はみないつ検査したのかと驚きます。検査後フラフラせず歩くことができ、しっかり医師の説明を聞くことができます。ある地域で初めて導入するとその地域で一人勝ちします。プロポフォール検査を一度受けた人は他の検査が受けられなくなると思います。
セルシンやプロポフォールでは70歳未満、70〜80歳、80歳以上で量を決めますが、極端に痩せていたり小さい人、呼吸状態の悪い人はその分加減します。そのさじ加減は長い使用経験によるカンが必要です。しかし、プロポフォールは全員、その人の睡眠の状態を見ながら少量ずつ入れます。つまり経験やカンで入れるのではなく、状態を観察しながら科学的に入れるので状態を把握できるようになるための一定の慣れは必要ですが、長い経験は要りません。コツをつかめばだれでも安全に行えます。10:00-12:00
「胃カメラ検査時のプロポフォール麻酔の使用法」
プロポフォールを使えば「今までこんなに楽な検査は無かった」と患者さんの圧倒的な支持が得られ、その地域の胃カメラNo.1クリニックになれるでしょう。画質の悪い経鼻スコープを用意する必要もありません。長時間の安静も必要ありません。高価な拮抗薬も必要ありません。しかし麻酔剤ですので今までの鎮静剤や鎮痛剤とは使い方が違います。10年前から導入し、今までグループ全体で30万件以上使用した実績のある医師がプロポフォールの安全な使用法を具体的に実践的に解説します。
 
13:00-15:00
「早くて見逃しのない粒良式観察法の実際」
プロポフォール麻酔は覚醒が早く、早くて見逃しのない観察法が必要です。従来の回転式観察法はスコープ先端の移動距離が長く、操作も複雑でした。東大・粒良式の垂直観察法は合理的で無駄が無いので、観察は早いのに見逃しが少ない観察法です。この講義時間内でマスターできるようにビデオを利用して観察手順と観察のコツを実践的に解説します。

セミナー要綱

セミナーNO. 374
開催日 2016年7月17日 10:00〜15:00
講師 ■後藤利夫 先生(新宿大腸クリニック 院長)
■佐藤達雄 先生(東京大学大学院物療内科)
診療科目 消化器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■7月17日(日)に開催しました第374回医療技術セミナー『実地医家のためのプロポフォール麻酔と粒良式観察法による全く苦痛のない胃カメラ観察法』は盛会裏に終了しました。
講師には、新宿大腸クリニック院長後藤利夫先生と、元東京大学附属病院物療内科佐藤達雄先生です。後藤利夫先生におかれましてはこれまで研究と実践を積み重ねられてこられた『水浸法』については、5月にご著書が出版されて順調な売れ行きだそうですが、今回はそれらとはちょっと違って『プロポフォール麻酔+粒良式観察法』を使った全く痛みのない胃カメラ検査法をお話になりました。皆さん、興味があったのか会場受講も、そしてネット受講(スポット)もこれまでの最高受講数となりました。佐藤達雄先生の『粒良式観察法』は前回も好評でしたが、今回は麻酔を使った検査法にプラスした観察法の効用としてのお話でした。
後藤先生の講義は、「プロポフォール麻酔+粒良式」はこんなメリットがありますとして、?他の麻酔より早く深く効く、?他の麻酔より早くスッキリ醒める、?他の麻酔法より早く観察できる、?他の観察法より見落としが少ない、?麻酔法と観察法の相性がベスト、ということで、1.麻酔の準備、2.使用法(初期、追加・管理)、3.(観察中の患者さんの)呼吸の管理や対応法、気道の確保や患者さんの姿勢、4.プロポフォール時代の挿入法と3つのNO!、5.プロポフォールの観察法と観察手順、6.プロポフォールの保険請求とQ&A、というものでした。
質疑は、会場からもネット受講者からもたくさん来て、盛り上がりました。後藤先生は、にこやかにかつ冷静にお答えになりました。残されておりましたアンケートには「プロポフォールを導入しようと思いました。講義で出てきた”胆汁逆流”にはいつも疑問に思っておりましたが、今回の講義の方法で解決できるような気がします」「大変参考になった、こういう方法があるのを初めて知った」「面白かった」と書かれておりました。
また、この日の会場受講者の方々は、これまでの方々と少し違ってきておりましたようで、終わった後も残られて、後藤先生に「水浸法」「ポンプ」ということについても質問をされておりました。

■講師 後藤利夫 先生(新宿大腸クリニック 院長)
<略歴>
88年3月東京大学医学部卒業(医師免許取得)
88年4月〜94年3月東京大学付属病院物療内科(消化器研究室)に勤務、研修医、医局員を経て助手
94年4月〜98年3月徳田虎雄に会い、徳洲会
病院(鹿児島、徳之島病院)に勤務する
98年3月〜00年3月西新宿胃腸クリニックを開設し、独立・開業
00年4月〜03年3月自由診療で大腸内視鏡を
行う
03年4月〜09年3月大隅鹿屋病院内視鏡セン
ター長。鹿児島県で多くの講演活動。
09年3月〜現在新宿にコンパクトな実験クリ
ニックである「新宿大腸クリニック」を開設
(稀有な歩みの詳細は、ホームページでご覧下さい)
<紹介>実父の大腸がんを機に大腸がんの早期発見・治療の重要性を痛感し、「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。
全国各地の医療機関で無痛内視鏡検査を実践、後進の指導にあたるかたわら、著作・講演等の啓蒙活動にも熱心である。独自の無痛大腸内視鏡検査は好評で、遠方から足を運ぶ患者も少なくない。また「大腸がん撲滅」のために始めた便秘外来では患者の悩みに親身に対応し、その誠実な人柄に信頼も篤い。
<著書>
『腸をきれいにする特効法101改訂版』(主婦と生活社、14年)、『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館、11年)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社、01年)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社、02年)、『腸いきいき健康ジュース』(ムック、07年)など著作多数。

■講師 佐藤達雄 先生(東京大学大学院物療内科)
<プロフィール>
1949年東京の下町生まれ。
10才頃に黄疸が出現し、B型肝炎と診断された。大学(数学科)を卒業後、20代は自宅療養していた。30代半ばで治癒し、40代で東大医学部を卒業し医師となった。卒業後は東大・粒良門下生となり、主として上部消化管検査を専門に行い、現在に至る。
亡くなった粒良先生の教えを忠実に守り、粒良流内視鏡法で今まで見落としを1回もしていないことを誇りに日々の診療に全力を尽くしている。講演や講義では独特の下町育ちの語り口で面白く、人気を博している。
<著書>
『ゼッタイわかる腹部写真の読み方(Part2)消化管』2004年7月、医学教育出版社

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