実地医家にできる肛門と大腸疾患の診かたと最新の治療法、その実際
”国民病”と呼ばれた痔疾の保存・薬物療法、手術療法を含めて
■講師 岡本欣也 先生(東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター部長)
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【セミナー概要】
“国民病”とも呼ばれている肛門疾患。日本人の3人に1人は肛門疾患を患っていると言われています。そのため、治療の専門が違っても相談を受けたドクターも多いのではないでしょうか。デリケートかつ複雑な器官であることや、大腸疾患の症状との鑑別など、肛門疾患の診断や治療には専門的な知識と技術が必要とされます。
今回の医療技術セミナーでは、診断の要となる診察の方法から代表的な肛門疾患の概要、保存療法、外科的治療について概説いたします。内科領域の先生方には、的確な診断に導くための問診・視診、適切な薬剤を選択した薬物療法、保存療法の限界と専門医への紹介のタイミングについて、外科領域の先生方にはより詳細な診断をするための肛門鏡の効果的な使用方法、補助診断としてのMRI、肛門エコーの知識、外来でできる外科治療のコツ、最先端の手術療法や手技のポイントを写真やビデオを用いて解説します。
多くの方にご参加いただき、肛門疾患への理解を深め、今後の診療にお役立ていただければ幸と思います。皆様、奮ってご参加下さい。
10:00-12:00
1.肛門の解剖・生理
2.肛門診察のコツ
?問診?視診?指診?肛門鏡診?肛門疾患の画像検査
12:00-13:00昼食・休憩
13:00-15:00
3.肛門疾患の概要
a)痔核?病態・分類?臨床的特徴?保存療法、手術療法
b)裂肛?病態・分類?臨床的特徴?保存療法、手術療法
c)痔瘻?病態・分類?肛門周囲膿瘍の概要?診断
?治療-手術療法
d)その他?ホワイトヘッド肛門?毛巣瘻?膿皮症
セミナー要綱
セミナーNO. | 370 |
開催日 | 2016年6月19日 10:00〜15:00 |
講師 | ■岡本欣也 先生(東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター部長) |
診療科目 | 消化器科系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■6月19日(日)に開催しました第370回医療技術セミナー『実地医家にできる肛門と大腸疾患の診かたと最新の治療法、その実際−”国民病”と呼ばれる痔疾の保存・薬物療法と手術療法を含めて』は盛会裏に終了しました。
講師には、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター部長岡本欣也先生をお招きしました。先の「東京山手メディカルセンター」は、旧称を社会保険中央総合病院といい(2014年4月に改称された)、知らなかったのですが、もともとは肛門科専門病院から出発した総合病院であるそうです。で、岡本欣也先生は、2011年の6月19日以来のピッタリ5年ぶりのご登板でした(あの年は、東日本大震災の起こった年で、3月に予定しておりましたセミナーが、延期されてようやく6月に開催できた・・・という経緯がありました)。
講義の組立は、午前が1.痔疾とは三大”痔”疾患−いぼ痔、きれ痔、あな痔(肛門の解剖・生理)、2.肛門診察のコツ−?問診、?視診、?指診、?肛門鏡診、?肛門疾患の画像検査、午後が、3.肛門疾患の概要−a)痔核(?病態・分類?臨床的特徴、?保存療法、手術療法)、b)裂肛(?病態・分類、?臨床的特徴、?保存・薬物療法と手術療法)、c)痔瘻(?病態・分類、?肛門周囲膿瘍の概要、?診断、?治療-手術療法)、d)その他の肛門疾患(?肛門周囲湿疹、?ホワイトヘッド肛門、?毛巣瘻?膿皮症)というものでしたが、実際には3−aの「痔核」までを午前中に解説されました。解説はいたるところに動画を入れていただき、特に午後は多くの手術の動画がたくさんで、わかりやすい講義でした。
岡本先生は、「肛門疾患」は医学生の時に大学で教えられる学問や臨床領域ではないので、魅了的な領域であることを強調されておりました。また、”肛門”周辺の疾患という意味では、患者さんにとってはなかなかお医者さんにも見せたくない、見せられない箇所であり、診察や検査にあたっては配慮が特に必要であることも強調されておりました。統計的には、痔核(いぼ痔)が男女ともに約50%を占め、次に、男性では痔瘻(あな痔)が20%、裂肛(きれ痔)が6%なのに、女性では、裂肛が10%、痔瘻が5%と、少しだけ様子が違うということでした。女性は日常便秘気味であることや出産等が影響している、ということでした。また。患者としては、座りっぱなしのタクシーやトラックの運転手さん、そしてゴルファーに多いのだそうです。そうした患者さんが多くて、軽視できない大事な疾患の領域だと考えております。
質疑応答では、会場受講者からもネット受講者からも鋭い質問がたくさん寄せられて、なかなか盛り上がりました。
■講師 岡本欣也 先生(東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター部長)
<略歴>
90年金沢大学医学部卒業
小牧市民病院外科(〜95年)
91年名古屋大学附属病院第二外科
96年社会保険中央総合病院大腸肛門病センター
14年4月JCOH東京山手メディカルセンター
に改称