整形外科系

実地医家のための慢性腰痛 Up−to−date

s00358

診断と治療

■講師 二階堂琢也 先生(福島県立医科大学附属病院整形外科 講師)
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【セミナー概要】
「科学的根拠に基づく治療(Evidence-basedMedicine;EBM)」の導入は、運動器疾患の診療に大きな影響を与えました.しかし、EBMに基づく治療であっても、常に患者さんの満足につながるとは限りません.実際、慢性腰痛の治療においては、治療を受けても良くなっていない患者さんが3割以上存在するというデータがあります.腰痛の増悪や遷延化には、早期から心理社会的因子が深く関与しています.つまり、腰痛は、「生物・心理・社会的疼痛症候群」として捉える必要があります.実は、腰痛の治療においては、科学的根拠に基づく治療だけでなく、「物語に基づく治療(Narrative-basedMedicine;NBM)」の視点が非常に重要になります.これは、医療者が病気の背景や患者をとりまく社会背景を理解し、患者自身が抱えている問題に対して全人的にアプローチするという考え方です.
本セミナーでは、慢性腰痛の病態、診断、治療のポイントを紹介し、慢性腰痛治療における全人的なアプローチの重要性を理解していただきたいと考えています.
皆さま、奮ってご参加下さい.

セミナー要綱

セミナーNO. 358
開催日 2016年3月20日 10:00〜15:00
講師 ■二階堂琢也 先生(福島県立医科大学附属病院整形外科 講師)
診療科目 整形外科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■3月20日(日)に開催しました第358回医療技術セミナー『実地医家のための慢性腰痛Up-to-Date−診断と治療』は盛会裏に終了しました。
講師には、福島県立医科大学整形外科講師二階堂琢也先生をお招きしました。福島県立医科大学整形外科講座は、現在の理事長兼学長の菊地臣一先生−紺野慎一教授/病院長を中心とした研究グループで、20年前から、腰痛を含めた痛みについて、社会心理的な側面に目を向けた研究を続けてこられましたが、ここ十年は、そうした研究が評価され始めて注目されておりました。紺野先生が昨年の日本整形外科学会の特別講演で、今回と同名のお話をされていたのを思い出します。また、8年ほど前のメディカル・コア時代においでいただいたことがあります。二階堂先生は、現在、日本整形外科学会で進められている「腰痛診断のガイドライン」作りの、事務局を務めておられるとのことですが、今回は講座の脊椎グループの代表選手としておいでいただきました。
講義の組立は以下の内容でした。午前の講義は『慢性腰痛の病態と診断』というタイトルで、?慢性腰痛のメカニズム−脳内メカニズムを含めて、?診断手順、?評価法−心理社会的因子の評価を含めて、というものでした。また、午後の講義は、『慢性腰痛の治療』ということで、?薬物療法のポイント、?神経ブロック療法−適応と限界−、?運動療法の考え方と実践、?認知行動療法、?リエゾンアプローチ(集学的治療)、というものでした。また、慢性の痛みは、急性の痛みと違った意味で、診療に取り組まれる、とのことでした。
お話を聞いて驚きました。要するに。あまたおられる、講義の中では2、800万人ということですが、腰痛患者の中で原因がきちんとわかる患者は15〜20%なんだそうです。残りの80%は、X線写真や、CT、あるいはMRI検査をしても、痛みはあるのに、原因は分からない、特定できないのだそうです。時が経ち痛みが薄れるか、気にならなくなる・・・。そこで、痛みの心理社会的背景を探ることになり、家族や仕事、学校や地域との関係で、その患者さんの心の重みを探ることになる、とのことです。痛みのメカニズムの解説を始めとして、患者さんへの診断手順や質問POPの事例等を供覧していただきました。
質疑では、会場からもネット受講者からもたくさん出ました。時間内にはこなせないくらいでした。

■講師 二階堂琢也 先生(福島県立医科大学附属病院整形外科 講師)
<略歴>
96年3月福島県立医科大学卒業
96年4月福島県立医科大学整形外科学講座入局
01年3月福島県立医科大学大学院修了
01年4月福島赤十字病院整形外科
02年4月いわき市立総合磐城共立病院整形外科
03年4月星総合病院整形外科
04年4月福島県立医科大学整形外科学講座診療医
06年4月福島県立医科大学整形外科学講座助教
12年4月福島県立医科大学整形外科学講座学内講師
14年4月福島県立医科大学整形外科学講座講師(現職)
<著書>(すべて分担執筆)
プライマリケアのための腰部脊柱管狭窄−外来マネジメント−改訂版(医薬ジャーナル社)/腰痛第2版(医学書院)/痛みのマネジメントupdate(メジカルビュー社)/脊椎内視鏡下手術(文光堂)/運動器診療最新ガイドライン(総合医学社)/痛みの注射法アトラス(南江堂)/腰痛診療ガイド(日本医事新報社)/運動器の計測線・計測値ハンドブック(南江堂)/運動器の痛みをとる・やわらげる—現場で使えるペインコントロール—(メジカルビュー社)/疾患別薬物療法の実際脊椎疾患、整形外科医のための薬物療法ABC(メジカルビュー社)/主な疾患や病態の治療とポイント—私はこうしている慢性腰痛、腰背部の痛み(南江堂)/Pharmamedica腰痛—病因・病態からの整理とその治療(メディカルレビュー社)
<学会活動>
日本腰痛学会幹事・評議員、日本運動器疼痛学会代議員、日本脊髄障害医学会評議員、東北MISt研究会福島県世話人、福島ユナイテッドFCチームドクター、
福島県サッカー協会医事委員、日本脊椎脊髄病学会専門医制度委員会委員、日本運動器疼痛学会専門医制度委員会委員、JournalofSpineResearch編集委員、腰痛診療ガイドライン改訂版策定委員

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販売価格  ¥5,500(税込)

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日本メディカルスキルアップは対面形式のセミナー(会場受講)を重視し、2009年4月より計800回以上医療技術セミナーを開催してまいりました。製薬企業とは無縁の独立系セミナーで、臨床現場、専門領域の第一線で活躍する講師の質と圧倒的な学習時間で医療業界に貢献してまいります。整形外科系の他、さまざまなジャンルのセミナーを開催しております。