実地医家のためのプライマリケアでの肩痛治療
肩痛,どうしていますか 痛みの基礎と肩痛診療の実際
■講師 折田純久 先生(千葉大学大学院医学研究院附属病院整形外科学 助教)
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【セミナー概要】
肩こりや腰痛などの運動器慢性痛は、現在の超高齢社会において日常茶飯事と言えます。しかしながら、これまでその診断と治療は経験と慣習に基づくものが中心であり統一の見解があるとは言えない状況でした。今回、前回1月開催の「腰痛」セミナーに引き続き「肩こり」に焦点を置いて解説します。たかが肩こり、されど肩こり。単なる筋・筋膜性のものから、特に手術を要する頸椎疾患、肩関節疾患など様々な原因が潜んでいます。
また、「痛み」全般に対する医療従事者の知識・認識不足、これに伴う不十分な考察も原因として忘れてはならず、運動器疼痛の診療では基礎医学的な疼痛機序を含む確固たる知識なくしては十分な治療効果は得られません。
今回の医療技術セミナーでは、この10年で劇的に発展してきた疼痛基礎研究に基づく痛み診療等の最新知見をはじめ、肩こりの病態や治療など、プライマリの現場で肩こりに出会った際に考えるべきことを網羅的に解説します。
運動器慢性疼痛を中心に扱う整形外科医の先生方はもちろん、「痛み」について復習しながらプライマリの現場で痛みに接する全ての先生方の学習の場にしたいと考えています。
皆さま、ぜひとも、奮ってご参加下さい。
10:00-12:00前編:痛みについて考える
・最新の疼痛研究を基にした疼痛分類と機序
・疼痛の保存加療
13:00-15:00後編:肩痛診療の実際
・肩痛診療のいろは−ガイドライン解説を中心に
・日常診療で遭遇する肩痛と肩こり
セミナー要綱
セミナーNO. | 343 |
開催日 | 2015年12月23日 10:00〜15:00 |
講師 | ■折田純久 先生(千葉大学大学院医学研究院附属病院整形外科学 助教) |
診療科目 | 整形外科系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■12月23日(水・祭)に開催しました第343回医療技術セミナー『実地医家のためのプライマリケアでの肩痛診療−肩痛、どうしていますか痛みの基礎と肩痛診療の実際』は、今年最後のセミナーでしたが、盛会裏に終了しました。
講師には、千葉大学大学院医学研究院附属病院材料部・整形外科学助教であります折田純久先生をお招きしました。今年の1月17日に、『腰痛』のテーマでお招きして以来の2回目です。
講義は、午前が、「痛みについて考える」というテーマの下、?最新の疼痛研究を基にした疼痛分類と機序、?疼痛の保存加療、?肩痛診療の実際の前編、でした。午後の後半は、「肩痛診療の実際」として、?肩痛診療のいろは−ガイドライン解説を中心に、?日常診療で遭遇する肩痛、でした。具体的には、肩こり、肩関節・肩甲帯、として解剖学的なおさらい、肩関節疾患として肩関節周囲炎(五十肩)、頸椎、腱板の疾患(腱板断裂)、肩峰下インピンジメント症候群(肩峰下滑液包炎など)、頚肩腕症候群、上腕二頭筋長頭腱損傷/断裂、胸郭出口症候群(TOS)、神経痛性筋萎縮症−肩甲帯末梢神経障害等、頸椎では、解剖図とともに検査の種類と方法、腱反射や徴候の診かた、椎間板と肩甲部痛、頸椎症性神経根症の検査と治療、椎間板ヘルニア、外傷性頸部症候群、筋筋膜性疼痛症候群、腫瘍性疾患等、主宰子には整理がつかないくらいいろいろな疾患、症状の検査法、治療について解説していただきました。
質疑では、会場受講者からもネット受講者からも、多数寄せられました。
会場受講者の中には、前回の講義を聞かれた方々も多く、講義の内容とともに、折田先生ご自身を評価する方も増えてきているようです。若い方ですが、なかなかの研究者・医師なのでしょう。
講師料をお支払いする際に、折田先生に東京大学工学部を卒業されるとともに、マスターも修了(医用精密工学)されての医学者への転身・・・という経歴のことをお話しすると、「無駄な回り道をしてしまって・・・」と笑いながら言われましたが、主宰子としては、回り道かどうか無駄だったかはともかくとして、回り道結構!回り道にこそ人と人生の広がりと奥深さを与えてくれるものと、考えております。人生をスイスイット、トノトンと歩いてこられた方もこの世界には多いのですが、そういう方と違った何かを秘めておられるものと認識しております。今後もぜひ応援し続けようと思います。
■講師 折田純久 先生(千葉大学大学院医学研究院附属病院整形外科学 助教)
<略歴>
98年3月東京大学工学部卒業(医用精密工学)
00年3月東京大学大学院修士課程修了(医用精密工学)
4月千葉大学医学部学士入学
04年4月千葉大医学部卒業・医師免許取得
10年3月千葉大学大学院博士課程修了
(医学博士)
11年4月カリフォルニア大学サンディエゴ校
麻酔科客員研究員
13年4月千葉大学医学部附属病院材料部・整形外科助教
15年4月千葉大学フロンティア医工学センタ
ー助教(兼任)
<資格>
日本整形外科学会(日整会)認定資格:専門医、リウマチ医、脊椎脊髄病医、リハビリテーション医.日本脊椎脊髄病学会指導医、日本骨粗鬆症学会認定医