内分泌代謝内科系

プライマリケアに必要な”水・電解質異常”による疾患の診断と治療

s00337
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腎臓疾患や内分泌疾患を中心に

■講師 栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
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【セミナー概要】
「水と電解質疾患」は、腎臓疾患や内分泌疾患に見られる病態です。日常診療で遭遇する電解質異常としては、高Na血症、低Na血症、高K血症、低K血症、低Ca血症などが代表的な疾患です。これらの病態の診断においては、血清電解質測定が重要であり、臨床症状のみで確定診断することは困難です。一方、臨床症状から「水・電解質異常」を疑うことは極めて重要です。腎臓は水・電解質の調節系として最も重要な臓器です。慢性腎臓病においては、腎機能が低下すると様々な電解質異常が観察されます。また、腎機能低下がなくてもNa代謝系の異常は高血圧や低血圧に直結します。一方、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患も知っておく必要があります。また、高齢者での電解質異常、偽性アルドステロン症など薬剤誘発性の病態も知っておくと役立ちます。
今回の医療技術セミナーのテーマは、常日頃しばしば遭遇するものの、時に診断に苦慮し治療に難渋することがある領域なのかもしれません。その意味で、このセミナーを介してもう一度「水・電解質異常の臨床」を考えてみるのは良い機会と思います。
セミナー前半は、実地臨床でしばしば遭遇する水・電解質異常について解説し、後半は症例検討を中心に議論します。水・電解質異常は臓器別には分類しにくいこともあるため、系統的講義のみではなく、実践的疑問点を項目としてアンサー形式にて進めたいと思います。
水・電解質疾患に興味のある諸先生に留まらず、多くの実地医家の先生方のご参加をお待ちしています。
皆さま、奮ってご参加下さい!
10:00−12:00
実地臨床でしばしば遭遇する「水・電解質異常」について解説
 
13:00−15:00
水・電解質異常による疾患の症例検討症/疑問に答える(下記は疑問点の例;一部)
 
1.腎臓での水・電解質のバランスはどの様に調節されていますか
2.腎機能低下ではどの様な電解質異常がみられますか
3.ヒトはどのくらい食塩が必要ですか、無塩でもいいのですか
4.腎臓でのNaとKの調節系を教えてください。
5.Na(食塩)の一日許容量はどのくらいですか
6.高Naと低Na血症の原因と治療について教えてください
7.市民ランナーは低Na血症、高Na血症どちらがみられますその補給方法は
8.レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系と血圧の関係は
9.SIADHとはどんな病態ですか
10.Kの一日許容量はどれくらいですか
 

セミナー要綱

セミナーNO. 337
開催日 2015年11月15日 10:00〜15:00
講師 ■栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
診療科目 内分泌科代謝系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■11月15日(日)に開催しました第337回医療技術セミナー『プライマリケアに必要な水・電解質異常の疾患の診断と治療−腎臓疾患や内分泌疾患を中心に』は盛会裏に終了しました。
講師には、東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科教授栗山哲先生をお招きしました。このテーマは、受講者からのご提案でしたが、主宰子としましては、「水・電解質異常」といえば、腎臓、あるいは内分泌疾患を想定するのが普通ではないか・・・と考え、栗山先生にご相談申し上げましたところ、快くお引受けいただいた次第です。栗山先生のお話によりますと、「長い間”腎臓”を中心に研究してきたが、今回『水・電解質』という思ってもいなかった課題をいただいたが、テーマを軸に考えてみて、、改めて勉強しなおすことにもなって感謝したい」とのことでした。
講義の組立は、午前の部が1.高Na・低Na血症、水調節異常、2.高K・低K血症、3.高Ca・低Ca血症、4.高Mg・低Mg血症、5.低K血症と高血圧、であり、午後の部が6.症例呈示とdiscussionとなりました。
栗山先生は、冒頭、海と陸の二大元素ということで、海水Na(ナトリウム)、岩石Si(ケイ素)であったところ、生体は海から生まれたのでNaが主体であり、植物、海綿動物、ケイ素藻はSiが多い。動物への進化の過程でSiはCaに置換されたわけですが、『水・電解質異常による疾患』というと、腎臓が中心にならざるをえないとは思いますが、ややとらえどころのない、ややこしくて難しい疾患ですが・・・と始められました。今回の講義の基本は水(浸透圧)とNa(容量)調節系であり、水(浸透圧調節)とNa(容量調節)の感知系に尽きる、とのこと。で、プライマリケアにおける水・電解質の診療の3つのステップとしては、?診察所見、?血清Na濃度測定、?尿中Na排泄足底、を挙げられました。
出てきた疾患としては、1の低Na血症では偽性低Na血症、水中毒=脳浮腫、横紋筋融解症、ADH不適切分泌症候群(SIADH)→骨粗鬆症、骨折。高Na血症では尿崩症、2では高K血症と低K血症、3では高Ca血症(副甲状腺機能亢進症に由来)、ミルク・アルカリ症候群、低Ca血症(二次性副甲状腺機能亢進症)、骨軟化症。4では、高Mg血症、低Mg血症。Mgは便秘薬等に入っており、長期服用によったり、少なくても悪さをすることになるようだ。5では二次性高血圧ということで、腎血管高血圧、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、薬剤誘発性(生薬の甘草由来)諸疾患。ここでは高血圧の降圧にはKの摂取をいわれるが、腎機能が落ちていないことが大前提である、とのこと。
また、昨今、スポーツや夏の塩分(Na)の摂取がきびしく言われるようになりましたが、実は2005年のボルトンマラソン以来のことだそうですね。主宰子は初めて知りました。
要するに、いろいろな元素(Na、K、Ca、Mg)も、健康というか生体維持のためにはある程度の摂取が必要だけど、摂取が多くても少なくても疾患に結びつくんですね。
これまで、取り上げたことが無いテーマでしたが、会場からもネット受講者からも多くの質問が相次ぎました。

■講師 栗山哲 先生(東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)、医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐)
<略歴>
78年東京慈恵会医科大学卒業
同上第二内科大学院
82年同上修了
84〜86年米国ニュージャージー医科歯科大学・高血圧研究部門留学Dr.AbrahamAvivに師事
85年東京慈恵会医科大学より医学博士受領
91年同上第二内科講師
92年東京都済生会中央病院内科医長
93年同上内科部長
99年東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科助教授(准教授)
07年同上客員教授
13年東京国税局診療所・健康管理センター所長
18年東京慈恵会医科大学客員教授(大学直属)
医療法人優穂会・三穂クリニック院長補佐
現在に至る
<専門領域>
腎臓病学、高血圧、糖尿病腎症・痛風・核酸代謝領域
<学会活動と業績>
内科学会、腎臓学会、高血圧学会、痛風・核酸代謝学会、J-CLEAR研究会
筆頭著者論文102編、共著82編、総説108編、共同著書30編など
<指導医・評議員>
日本内科学会認定医・指導医
日本高血圧学会特別会員(FJSH)・専門医・評議員、日本腎臓学会元専門医・指導医・法人評議員・学会誌査読委員
J-CLEAR評議員
痛風・核酸代謝学会評議員
日本透析医学会元専門医・認定医・評議員

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