成人診療に必要なワクチンの知識とVPDについての世界の趨勢
大人へのプレベナー13の使い方から成人百日咳対策からポリオ撲滅へ向けてまで
■講師 大路剛 先生(神戸大学付属病院感染症内科 准教授、感染制御部 副部長、神戸大学都市安全研究センター 准教授)
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【セミナー概要】
予防接種は古くからもっとも人間の死亡率を低下させてきた医療行為の一つです。日本ではほかのアジア諸国や欧州、北米に比べて予防接種の導入が遅れていると非難されてきました。しかし、パピローマワクチンや結合型肺炎球菌ワクチンや結合型髄膜炎菌ワクチンの導入に加え、平成28年度からはB型肝炎ワクチンが小児期の定期接種に導入される予定です。変化しつつある日本や世界のVPD(VaccinePreventableDiseases;ワクチンで防げる病気)と予防接種環境、その趨勢について解説します。特に普段、注目されにくい、渡航前予防接種も含め、それ以外の成人における追加予防接種や免疫不全患者などへどこまで接種を考慮するかなどを含め、実際のケースのご質問も含め、お話します。
皆様、奮ってご参加下さい。
10:00-12:00最近のワクチンの動向
1.ワクチンの種類と接種方法の最近の諸外国での変化
2.日本未発売のワクチンの動向
13:00-15:00様々な患者さんへのワクチン接種
1.成人へのワクチン接種の最近の話題
2.免疫不全患者へのワクチン接種
3.かかりつけ医でできる成人へのワクチン接種
セミナー要綱
セミナーNO. | 332 |
開催日 | 2015年10月25日 10:00〜15:00 |
講師 | ■大路剛 先生(神戸大学付属病院感染症内科 准教授、感染制御部 副部長、神戸大学都市安全研究センター 准教授) |
診療科目 | 一般医学系 |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■10月25日(日)に開催しました第332回医療技術セミナー『プライマリケアの日常診療に必要なワクチンの知識とVPD(VaccinePreventableDiseases)の世界の趨勢−大人へのプレベナー13の使い方から成人百日咳対策、ポリオ撲滅へ向けてまで』は盛会裏に終了しました。
講師には、神戸大学大学院微生物感染症治療学講師、附属病院臨床検査部副部長、神戸大学都市安全研究センター講師の大路剛先生をお招きしました。8月2日午後の『MERS、SARS・・・』以来のご登場で、ちょうど10回目です。
この間、子宮頸がんワクチンや高齢者への肺炎球菌ワクチンの接種、あるいはエボラ出血熱やデング熱の流行等が話題になっておりましたが、スキルアップでは、まだセミナー事業を開始して以来取り上げていなかった話題でありますので、意欲的に取り上げていただきました。ただし、この問題は、国の医療政策の中でも根幹部分であり、いったん事故があると、医療過誤として安全性や副作用等に対する批判が高まり、その後の政策の進行にも大きな影響が出かねない医領域のことでありますが、大胆に取り組んでいただきました。大路先生も、テキストの資料やデータひとつとってもなかなか資料にしにくい内容であるので、当日、口頭でしかお話しできない部分も多くあり、お許しください・・・と、若干腰が引ける部分もありましたが、ご無理をお願いしました。
講義の組立は、1.総論受動免疫、能動免疫(=Vaccine)、いくつかのグロブリン、ワクチンの種類、2.ワクチン接種の臨床−ワクチンの保存、免疫不全と生ワクチン、摂取の部位、タイミング、ワクチンンと妊婦、アレルギー(卵、ゼラチン、ゲンタマイシン)、3.ワクチンの各論として、以下公衆衛生−感染者の基本再生産数/ワクチン接種の概念/現在推奨されているワクチン/ロタウイルスワクチン/日本脳炎ワクチン/ポリオワクチン/髄膜炎菌とそのワクチン/HPVワクチン/肺炎球菌ワクチン/黄熱ワクチン/インフルエンザ/ワクチンの副作用/ワクチンの安全性/百日咳のトピックスと予防接種/ノロウイルスワクチンの開発/ポリオ対策とポリオワクチン/水痘ワクチンを小児へ/免疫不全患者への予防接種、と続きました。
以上の話題は、事故や事件が起こると政策や考え方がすぐに揺れ動く微妙な問題ばかりですね。
会場内からも、特にネット受講者からも、具体的な質問が相次ぎました。受講者との質疑もぴったりかみ合っていたように思います。
今回のセミナーは、ネット受講者も多く、当日、途中でスポットで参加された方もある・・・という状況で、大いに盛り上がりました。
■講師 大路剛 先生(神戸大学付属病院感染症内科 准教授、感染制御部 副部長、神戸大学都市安全研究センター 准教授)
<略歴>
1998年神戸大学医学部卒業。初期研修後、鐘紡記念病院での消化器内科後期研修を亀田総合病院で感染症内科後期研修を修了。ペルーのカエタノ大学熱帯医学コースに留学し、同コースを修了。亀田総合病院感染症内科医長を経て現在、神戸大学大学院微生物感染症治療学分野講師兼神戸大学都市安全研究センター講師。
<資格>
医学博士、熱帯医学ディプロマ(米国/ペルー)、総合内科専門医、感染症専門医、世界旅行医学学会専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、労働衛生コンサルタント(保健衛生)
日本メディカルスキルアップは対面形式のセミナー(会場受講)を重視し、2009年4月より計800回以上医療技術セミナーを開催してまいりました。製薬企業とは無縁の独立系セミナーで、臨床現場、専門領域の第一線で活躍する講師の質と圧倒的な学習時間で医療業界に貢献してまいります。一般医学系の他、さまざまなジャンルのセミナーを開催しております。