消化器科系

C型肝炎治療の最前線−大きく変わった治療−新薬続々登場! 高い治癒率!

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インターフェロンではなく、飲み薬だけでほぼ治せるようになった クリニックでの治療が可能になった

■講師 溝上雅史 先生(国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター センター長)
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【セミナー概要】
新薬続々登場!高い治癒率!
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスに感染して肝臓に炎症が起こる病気です。感染者の約7割が慢性肝炎になり、肝臓は徐々に線維化して固くなり肝硬変に進行します。肝硬変になると10年で約8割が肝がんに進行します。
C型肝炎治療の最終目的は、肝臓内のウイルスを排除して、肝硬変や肝がんへの移行を防ぐことです。これまでの治療の第一選択は、免疫力を高めて肝臓内のウイルスを排除するインターフェロン療法で、内服薬を併用する治療で、治癒率は50%程度でしたが、白血球減少、間質性肺炎、うつ病などの副作用が現れました。また、難治性タイプのウイルスには効きませんでした。
昨年9月に保険適用となったアスナプレビルとダクラタスビルは、ウイルスに直接作用して増殖を抑制する薬です。この2剤併用で、従来の治療法が効かなかった人の約85%が治癒しています。しかも、24週間飲むだけで終了ですから、インターフェロン注射に比べれば簡単で、医療者も患者さんも楽になりました。しかし、この経口2剤による治療には慎重に使うべき耐性ウイルスの問題があります。実は、次の薬の選択が非常に難しくなります。
そうした中で、難治性の1型向けにレジパスビルとソフォスビルの配合剤が、今夏にも保険適用される見通しです(9月になって適用されました)。その特徴は、耐性ができにくく、副作用が少ないことです。国内の治験でもほぼ100%の治癒率でした。肝がんのリスクが高い高齢者や、肝機能の低下が著しい患者さんにはできるだけ早く治療を始めなければなりません。
今回の医療技術セミナーでは、そうしたC型肝炎治療の最前線について、解説いたします。
皆さま奮ってご参加ください。
C型肝炎治療法が大きく変わっています!インターフェロン注射で治らなかった人も、飲み薬が続々と登場しています!
C型肝炎最前線−新薬続々!高い治癒率!
 
13:00〜15:00
?C型肝炎とは
?これまでのC型肝炎治療ーインターフェロン注射と副作用
?新薬続々登場で治療が大きく変わる
?今後のC型肝炎治療とその課題
?まずは、血液検査の薦め
 

27日(日)の午前中には医療経営セミナー『患者さんに選ばれるクリニックになる、とは』を開催します。
参加される方には受講料の割引をしますし、お弁当を用意しますので、できるだけ前もってご予約ください。
 

セミナー要綱

セミナーNO. 329
開催日 2015年9月27日 13:00〜15:00
講師 ■溝上雅史 先生(国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター センター長)
診療科目 消化器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■9月27日(日)午後に開催しました第329回医療技術セミナー『実地医家のためのC型肝炎の治療最前線−新薬続々登場!高い治癒率!大きく変わった治療!』は盛会裏に終了しました。
講師には、国立国際医療研究センター国府台病院肝炎・免疫研究センターのセンター長であります溝上雅史先生をお迎えしました。
C型肝炎治療の領域では、昨年から新しい薬剤がいくつも登場して、薬だけで治療できるようになり、かつ高い治癒率を示すようになり、治療が大きく変わっている・・・ということで、今回のテーマでの開催の要望があり、取り上げるとともに、その流れを作られ、現在厚生労働省の政策にも大きな関与を果たされている溝上先生のご推薦があり、実現したものです。
講義の組立は、1.C型肝炎ウイルスとC型肝炎、2.なぜ日本に肝癌が多いのか、3.C型肝炎におけるインターフェロン治療、4.抗HCV薬としての経口薬の開発、5.インターフェロン不用の経口薬の開発、6.100%HCV駆除する夢の経口薬の出現、7.どういう人を治療すべきか、でした。
C型肝炎患者は、世界で2億人おられる。C型肝炎ウイルスHCVに感染すると、約10年後には約70%が慢性肝炎に進行し、その10年後にはその約70%が肝硬変に進行し、また10年後には約70%が肝細胞癌に進行する。結局感染者の約30%が肝癌に進展し、それまでは無自覚、無症状という厄介な疾患です。あと問題は、日本には1880年頃に、西洋医学と一緒に入ってきて、初期のHCVの感染の広がりは、1922年頃の「日本住血吸虫への静脈注射による駆虫剤使用開始」があり(前期拡散要因)、後期拡散要因としては日本特有の覚せい剤(ヒロポン注射;戦争と密接な関連)の使用があった。その次に輸血後肝炎の問題があり、日本では売血時代(発生率50%)から献血制度へ移行する過程でも(32%、17%)広がり、現在のHCV抗体スクリーニングを行うようになるまで広がり続ける・・・といった、医療行政と密接な関係があり、国も社会全体の問題として大きな位置づけをされている、とのこと。
治療面では、インターフェロン治療が1992年から始まったが、適応も難しかったし、副作用が強いことにより使用が難しかったが、この数年で新規抗HCV薬が急激に出てきた。その理由は、C型肝炎ウイルスが試験管内で増殖が可能になったことで、いろんな薬剤のスクリーニングが可能になった点と、ウイルスの解析が可能になったことにある、とのこと。とっても素晴らしいことです。
長くなりますので、結論だけ書きますが、新しい薬剤の中でも、この9月1日に保険適用となったハーボニー剤等は、実はよく聞くけど薬価が高い。一錠6〜8万円!。どういう人に使うか高齢者の治療が急がれないといけないが、経費負担能力のこともある。適応も難しい。保険の使用方法もさらに検討が必要である。そのためには、検査が重要で、本当は肝生検が望ましいのだが、全員にするわけにもいかない。そこで、肝臓の癌化のメルクマールである線維化を調べるよい検査・測定機器も出ているので、痛くない血液検査を薦めたい。何が何でも多くの方に血液検査をしてほしい。
一方で、あと1、2年も経つと、さらに新しい薬がいくつも開発されそうなので、薬価も下がるであろう。待てる方は待ってほしい。
結局、画期的な薬剤事情を反映してのセミナー開催であったが、まだまだ適応と普及には諸問題が山積している。今回は時期尚早だったかも知れないが、再度、セミナーの開催を企画したい。

■講師 溝上雅史 先生(国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター センター長)
<略歴>
76年名古屋市大医学部卒業
76年名古屋市大第二内科入局
78年社会保険中京病院消化器科
89年英国King’sCollegeHospital、LiverUnitにClinicalResearchFellowとして留学
00年名古屋市立大学医学部臨床検査医学教授兼名古屋市立大学病院中央検査部部長
01年名古屋市立大学大学院臨床分子情報医学分野教授
08年名古屋市立大学病院肝疾患センターセンター長
08年国立国際医療センター国府台病院肝炎・免疫研究センターセンター長
兼名古屋市立大学大学院教授
<学会活動>
日本内科学会指導医、認定医
日本消化器病学会評議員、指導医、専門医
日本肝臓学会指導医、専門医
日本感染症学会評議員、指導医、専門医
日本輸血学会評議員、専門医
<各種委員>
厚生労働省肝炎対策推進協議会会長代理委員
厚生労働省薬事・食品衛生審議会血液事業部会委員、安全技術調査会委員
厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服緊急対策研究事業研究代表者
厚生労働科学研究費補助金B型肝炎創薬実用化等研究事業研究代表者
日本赤十字社ヘモビジランス会議外部委員
ウイルス肝炎研究財団評議員
宮川庚子記念財団評議員

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販売価格  ¥5,500(税込)

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