内分泌代謝内科系

DPP-4阻害薬 Next Stageへ −SGLT-2阻害薬のあらたな効能と使用の薦め

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新たなる治療戦略の可能性

■講師 東條克能 先生(東京慈恵会医科大学柏病院 院長/教授)
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【セミナー概要】
糖尿病の薬物療法の流れがこの10年間で大きく変化してきました。特徴的なのは従来もっともよく使用されていたスルホニルウレア薬の単独療法が著しく減少し、併用療法が拡大したことです。この薬物療法のパラダイムシフトをもたらしたのは、2009年に登場したDPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬などのインクレチン関連薬です。これら薬剤には低血糖が起こりにくい、体重増加をきたさない、良質な血糖コントロールが得られるなどの利点があり、本邦でも急速に普及し、特にDPP-4阻害薬の登場により経口治療薬の選択の幅が大きく拡がりました。一方、DPP-4という酵素の影響を受ける基質はインクレチン以外にも数多く存在し、DPP-4を阻害することの意義は安定した血糖コントロールを得ることにとどまりません。
本医療技術セミナーでは糖代謝への影響を超えたDPP-4阻害薬のもたらす大きな可能性につき議論してみたいと思います。糖尿病治療に興味のある先生にとどまらず、多くの臨床医の先生方のご参加をお待ちしております。
皆さま、奮ってご参加下さい!
 
本講演の前半では、イントロダクションとしてDPP-4阻害薬によってもたらされる良質な血糖コントロール作用をあらためて確認する作業から入り、次いでDPP-4阻害薬による血糖改善効果の機序について最新の話題を提供したい。
後半ではDPP-4阻害薬が今後明らかにすべき臨床課題を提示し、特に注目される心血管イベントの抑制作用の可能性につきDPP-4を阻害することから生じる多面的な作用の視点から論じてみたい。特にもっとも期待される腎保護作用につき、その推測される機序につき時間を割いて概説したい。
 

この日の午後、神戸大学感染症内科の大路剛先生によります『MERSやSARS、Ebola出血熱、デング熱、新型インフルエンザ等の感染症の基礎知識と対応について学ぶ』を開催しますが、どちらにもご出席いただける受講者には昼食(お弁当;準備の都合上、事前にお申し込みください)をご準備いたしますし、受講料も割り引かせていただきます。
また、前夜に開催しますセミナー『漢方?』にご出席いただく受講者にも割引させていただきます(定価から各5、000円)。
 

セミナー要綱

セミナーNO. 321
開催日 2015年8月2日 10:00〜12:00
講師 ■東條克能 先生(東京慈恵会医科大学柏病院 院長/教授)
診療科目 内分泌科代謝系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■8月2日(日)午前に開催しました第321回医療技術セミナー『DPP-4阻害薬NextStageへあらたな治療戦略の可能性』は盛会裏に終了しました。
講師には、東京慈恵会医科大学附属柏病院病院長/内科教授であります東條克能先生をお招きしました。スキルアップも設立6年目、ここまで来ますと講師にも常連の方がおられるようになりましたが、東條先生は初めての方です。お話の中で、京都大学元学長の井村裕夫先生は恩師であることにふれられました。
講義の組立は、1.生活習慣病および2型糖尿病の現状、2.治療の現況(?DPP-4阻害薬に関する最近の話題、?門脈シグナルの概念、?腎保護作用)、3.新たな治療薬の応用(生活習慣病の視点からSGLT-2阻害薬を考える)、4.SGLT-2阻害薬の登場による尿酸排泄機構の新たなる展開、というものでした。
東條先生は、糖尿病治療薬の歴史をたどられ、4、5年前から出されておりますDPP−4阻害薬の再評価(?非専門医でも低血糖を恐れずに処方できるようになった安全性、現状で70%の処方率、?日本人に適した糖尿病治療薬で、高齢者にも適用しやすい、?問題点として心不全を増やすのか)をされるとともに、門脈でのグルカゴン分泌調整と腎保護作用について、電顕写真や構造図をだされて解説されました。そして、後半には、生活習慣病の視点から、現在の日本ではまだまだシェアの低いSGLT−2阻害薬について驚くべき再評価についてお話になったのです。「日本で増加している肥満症合併2型糖尿病治療における肥満症治療効果」と尿酸代謝と尿酸降下という尿酸排泄機能も持ち(痛風にも効く)、腎保護作用も持っているという新たなお話をされました。要するに、主宰子が考えるに、SGLT−2はこれまでは、肥満度の高い糖尿病患者に使い、水をたくさん摂取させること・・・等がいわれてきましたが、肥満治療だけでなく肥満予防にも効き、血圧低下にも効き、腎保護作用も強い可能性がある・・・、そしてともっと患者を選ばず、積極的に使うべきだ・・・という”目からうろこ”の話をされたのです。びっくりです。
ただし、前半はある程度難しいお話のあとのことですから、これまでの認識と違う大変なことをお話になっている・・・ことに気付かれた方は多くはなかったのかもしれません。質疑でも、要点については出ましたが、そう多くは出ませんでした。
今後、SGLT−2阻害薬の新たな使い方について、企画を続けていきたいと考えました。ご期待ください。

■講師 東條克能 先生(東京慈恵会医科大学柏病院 院長/教授)
<略歴>
1980年3月 東京慈恵会医科大学卒業
1980年5月 東京慈恵会医科大学附属病院長直属研修医
1982年5月 東京慈恵会医科大学第2内科学教室医員
1983年1月 同上教室助手
1983年7月 京都大学医学部第二内科学教室研修員
1985年6月 東京慈恵会医科大学第2内科学教室教室助手
1990年7月 米国ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院EndocrineUnitResearchFellow
1993年7月東京慈恵会医科大学第2内科学教室助手
1993年10月同上教室講師
1996年6月同上附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科診療医長
2004年11月内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科助教授
2007年4月 職名変更により同上講座准教授
2008年7月 東京慈恵会医科大学附属病院患者支援・医療連携センター長
2009年3月 東京慈恵会医科大学内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科教授
2010年4月 社団法人慈恵医師会理事
2012年4月 東京慈恵会医科大学附属柏病院副院長
同糖尿病・代謝・内分泌内科診療部長
2012年5月 特定非営利活動法人千葉医師研修支援ネットワーク理事
2013年4月 東京慈恵会医科大学附属柏病院総合診療部診療部長(兼任)
2014年4月 学校法人慈恵大学理事
東京慈恵会医科大学附属柏病院院長(現職)
 
<専門医・認定医>
日本内科学会認定内科医・指導医
日本腎臓学会認定専門医
日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医・指導医
日本医師会認定産業医
日本肥満学会特例指導医
 
<学会役員等>
日本間脳下垂体腫瘍学会理事
日本内分泌学会評議員
日本心血管内分泌代謝学会評議員
日本神経内分泌学会評議員
日本内分泌学会ICD11国内内分泌ワーキンググループ協力員
日本内分泌学会専門医認定部会委員
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業褐色細胞腫の診断及び治療法の推進に関する研究班分担研究員
厚生労働省医師試験委員会委員
東京都医師会予備代議員
間脳下垂体副腎系研究会世話人
臨床内分泌代謝研究会世話人
内分泌代謝研究会運営委員会会長
 
<著書(執筆)>
最新内分泌代謝学(診断と治療社)、今日の治療指針2014・2015(医学書院)
内分泌・糖尿病内科学(シュプリンガー・ジャパン)、チャート内科診断学(中外医学社)、薬学生のための新臨床医学-症候および疾患とその治療(廣川書店)、
ビジュアル脳神経外科間脳・下垂体・傍鞍部(メディカルビュー社)、クッシング症候群診療マニュアル(診断と治療社)、処方Q&A100糖尿病(南山堂)、
内科学(朝倉書店)その他

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