循環器疾患を中心に：より有効で、より安全に

■講師　岩出和徳 先生（国立病院機構横浜医療センター 外来診療部長、東京女子医科大学循環器内科 非常勤講師）
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【セミナー概要】
心臓・血管を扱う循環器疾患には、多くの場合心腔内や血管内の血栓形成がその病態に関与しています。使用可能な抗血栓薬も多岐に渡り、また近年新しい抗血栓薬が次々に発売され使用可能になってきました。しかし、各種抗血栓薬にはそれぞれ適応病態・疾患が異なり、また少なからず出血性合併症も発症し不幸な転帰を見ることも多く、その使用に躊躇されている先生方も多いようです。
本医療技術セミナーでは、血栓形成の基本的な考え方、循環器科領域における血栓症の位置づけを踏まえた抗血栓療法の現状、そして抗血栓薬の各病態を考慮した選択方法、より安全な使い方のコツについて、実臨床に役立つ内容を考えています。
皆さま、奮ってご参加ください。10:00-12:00：?血栓症って何
?抗血栓療法について（各種抗血栓薬の説明）
?各種病態での実際の使用方法
1)虚血性心疾患（狭心症・心筋梗塞）
 
12:00-13:00：昼食
 
13:00-15:00：?各種病態での実際の使用方法
2)末梢動脈疾患（閉塞性動脈硬化症）
3)心房細動
4)静脈血栓症（深部静脈血栓症・肺動脈血栓症）
?質疑応答

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■7月26日(日)に開催しました第320回医療技術セミナー『実地医家に役立つ抗血栓薬の使い方−循環器疾患を中心に；より有効で、より安全に』は盛会裏に終了しました。
講師には、国立病院機構横浜医療センター外来診療部長で、東京女子医科大学非常勤講師の岩出和徳先生をお迎えしました。
講義の組立は、午前中が、?血栓症って何、?抗血栓療法について（各種抗血栓薬の説明）で、午後は、?各種病態での実際の使用方法として、1)虚血性心疾患（狭心症・心筋梗塞）、2)末梢動脈疾患（閉塞性動脈硬化症）、3)心房細動、4)静脈血栓症（深部静脈血栓症・肺動脈血栓症）というものでした。また、ご自分で編集された患者さんが持たれる「ワルファリン手帳」についてもご提示いただきました。
脳梗塞の場合、t-PAという薬物を4時間以内に使用する・・・ことはすっかり知られましたが、血栓を溶かすという意味から、出血が起きるリスクもまたあるのだ・・・ということは、相対的には理解されていないかと思います。使用にあたっては家族が集められ、同意が求められる。それほど「抗血栓療法を行うと、止血血栓を止めることになるので出血のリスクを伴う」のでしょう。一方で、この血栓療法というか抗凝固療法の領域では、めまぐるしく薬物が開発されてきて、なかなか追いつけない・・・のも現状でしょう。主宰子がおぼろげに記憶していることといえば、ついこの間まではワルファリンが全盛であったのですが、東日本大震災の頃からだそうですから、2011年以降はＮＯＡＣという薬物が出て来て、いまは全盛だということです。また、抗血小板療法ではアスピリンが全盛なのでしょうか他に線溶薬というのもあるようです。各薬剤の特徴を知り、適応疾患に合わせた、適切な使用が重要である・・・と講義の中で力説されました。
おそらく、実地医家のレベルの日常診療でも、これらのワーファリンやアスピリンという薬物の使い方は、なかなか難しいのでしょう。会場受講者からもネット受講者からも、たくさんたくさん質問が出ました。(ネット受講者も、ここ最近で一番多くなりました)。素晴らしい！！

■講師　岩出和徳 先生（国立病院機構横浜医療センター 外来診療部長、東京女子医科大学循環器内科 非常勤講師）
＜略歴＞
80年東北大学医学部卒業
いわき市立総合磐城共立病院内科研修医
83年東京女子医科大学付属日本血圧研究所循環器内科入局
84年榊原記念病院循環器内科
89年東京女子医科大学循環器内科助手
04年国立病院機構横浜医療センター循環器内科医長
05年東京女子医科大学循環器内科非常勤講師
国立病院機構横浜医療センター循環器内科部長
11年国立病院機構横浜医療センター病棟診療部長
15年国立病院機構横浜医療センター外来診療部長（現職）
＜研究分野＞
「臨床心臓病学における血栓形成傾向の凝血学的研究」
＜所属学会＞
日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本高血圧学会、日本血栓止血学会（代議員）、日本静脈学会、日本臨床薬理学会、日本医療マネージメント学会、国際血栓止血学会
＜著書等＞
「Warfarin適正使用情報」(エーザイ、監修、
年）
「抗凝固薬の適正な使い方」（医歯薬出版、
「循環器疾患における抗凝固・抗血栓療法に関するガイドライン」（、年）