耳鼻咽喉科系

嚥下のしくみと嚥下障害の診断・治療

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■講師 梅野博仁 先生(久留米大学医学部耳鼻咽喉科 教授)
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【セミナー概要】
本邦では癌・心疾患・脳血管疾患での死亡率が高く、次に多いのは肺炎で、その割合は毎年増えています。高齢者や脳血管障害・神経筋疾患の多くは嚥下機能低下による誤嚥が肺炎の原因になっています。喉頭の主な機能は呼吸・発声・嚥下ですが、中でも嚥下は発声と同様に、人が人らしく生活する上で重要な機能です。しかしながら、今後、日本は急速に高齢化社会へ移行します。患者数が増加する嚥下障害に対して如何に嚥下障害を正しく評価しアプローチするかの知識と技術の習得は、医師として大きなスキルアップにつながります。
耳鼻咽喉科医が嚥下を扱う理由は、嚥下に関する解剖学的な構造やその機能を最も理解しているからです。他科の先生方には馴染みが薄い分野と思いますが、嚥下のしくみと最新の機能評価方法と治療(リハビリと手術)について、検査や手術のビデオを用いて分かりやすく解説を行いたいと思っています。
皆さま、奮ってご参加下さい。
1.嚥下の生理
口腔期・咽頭期・食道期のしくみ
2.嚥下の機能評価
問診・精神機能・身体機能の評価・頭頸部の診察
嚥下機能の簡易検査
嚥下内視鏡検査
嚥下造影検査
咽頭期嚥下障害の分類
3.嚥下障害の治療
嚥下指導と嚥下訓練
嚥下障害に対する手術療法

セミナー要綱

セミナーNO. 319
開催日 2015年7月19日 15:30〜17:30
講師 ■梅野博仁 先生(久留米大学医学部耳鼻咽喉科 教授)
診療科目 耳鼻咽喉科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■7月19日(日)の夕刻に開催しました第319回医療技術セミナー『嚥下のしくみと嚥下障害の診断と治療』は盛会裏に終了しました。
講師には、久留米大学医学部付属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授の梅野博仁先生をお招きしました。スキルアップセミナーで『嚥下障害』を取り上げるのは初めてですし、梅野先生も初めてのご登場です。嚥下障害は、高齢者に多い肺炎の原因の主要な部分は”誤嚥”だそうですし、その肺炎は死因の第4位に位置しているということで、誤嚥を取り上げることは意義あることだと考えます。また、この嚥下障害を扱うのが耳鼻咽喉科であるというのも、「嚥下に関する解剖学的な構造やその機能を最も理解しているから」(広報用チラシから)ということで、うなづけることです。また、耳鼻咽喉科の後に、頭頸部外科という領域があるのも、ああそうだ!耳鼻咽喉科というのは外科の領域の診療科なんだと改めて認識することになりました。
講義の組立は、1.嚥下の生理(口腔の解剖含み、乳児期と高齢者の嚥下機能の解説)、2.嚥下の機能評価(?問診、?精神機能・身体機能の評価、?顔面・口腔・咽頭・喉頭・頸部の診察、?機能検査のいくつかを紹介)、3.嚥下障害の治療(保存的治療;嚥下指導、嚥下訓練;代償的アプローチと治療的アプローチ、外科的治療)でした。梅野先生は、特に外科的治療がお得意のようで、いろいろな外科手な治療法のたくさんの動画をお見せいただきました。
この日の会場受講者はさすがに少人数でしたが、?治療法、?そうした患者さんがおられた場合の紹介先を求めての受講だったのでしょう。そういう質問がたくさん出ました。
 
実は、この日、某関東の名のある大学病院の脳神経外科で、検査で見つかった脳血管の狭窄部分を切除された60歳前半の患者さん(奥さん)で、手術時に嚥下機能を持つ神経の片側を切断されてしまい、結局その後食物をうまく飲み込めない、食べるときにむせてしまい苦しがる、食べられない食品が多く十分量的にも栄養的にも摂取できない・・・という悩みを抱えられた主宰子の友達が、夫婦で、聴講されておりまして、真剣に聞き入られ、障害解決の見通しについて恐る恐る質問されておられました。その患者さんの旦那さんは、「梅野先生の供覧された動画の中で、頸部の癌の手術で迷走神経を切られてしまい、片方の嚥下機能が失われた方の神経再建する症例がありましたが、切った神経も同じで、片側だけの障害である点など、妻の症状に大変よく似ていて、大変、勉強になった」との声を残して帰られました。また、「手術をした脳神経外科医は障害の専門家でないため適切なアドバイスをすることが出来ないし、紹介された同じ病院の耳鼻咽喉科の医師は、妻の外見軽い症状を見て、手術で神経は切れなかったのではないかと言い出す始末で、患者の状態や気持ちに寄り添うという姿勢が見られず信頼できないのです」とも。
医療事故や医療過誤はあってはならないことですし、無い方が良いけれども、ある面つきものかもしれません。が、そうした可能性のある過誤や障害も十分予測し、適切に対応していただけるようになっていただきたいものです。
 
実地医家の日々の診療を応援するだけでなく、こうした悩みを抱えられた患者さん方に寄り添い、その期待にも直接応えられる医学、医療、そして医療セミナーでありたいと念願して止みません。

■講師 梅野博仁 先生(久留米大学医学部耳鼻咽喉科 教授)
<専門>
喉頭科学(嚥下・音声言語医学)、頭頸部癌
<略歴>
88年久留米大学医学部卒業
久留米大学付属病院耳鼻咽喉科
89年小倉記念病院耳鼻咽喉科
筑後市立病院耳鼻咽喉科
90年久留米大学耳鼻咽喉科専修医
91年聖マリア病院耳鼻咽喉科
久留米大学医学部耳鼻咽喉科助手
92年久留米大学麻酔科兼務
93年公立八女総合病院耳鼻咽喉科医長
94年国立病院九州がんセンター頭頸科
95年聖マリア病院耳鼻咽喉科
96年久留米大学耳鼻咽喉科助手
98年久留米大学耳鼻咽喉科講師
03年米国Yale大学耳鼻咽喉科客員助教授
04年久留米大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
助教授
14年久留米大学耳鼻咽喉科主任教授
<役職>
日本気管食道科学会理事・評
議員、日本嚥下医学会評議
員、日本喉頭科学会評議員、
日本音声言語医学会評議員、
日本頭頸部癌学会評議員、日
本頭頸部外科学会評議員、日
本耳鼻咽喉科免疫アレルギ
ー学会評議員、日本口腔・咽
頭科学会評議員、日本耳鼻咽
喉科学会倫理委員会委員、
アメリカ気管食道科学会
(ABEACorresponding
Member)、
福岡県地方部会学術委員長

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