循環器科系

腎保護を考えたいろいろな降圧薬の使用法

s00307
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降圧剤が蛋白尿を減らすメカニズムを知る−特にN型カルシウムチャネルブロッカーを中心に

■講師 西山成 先生(香川大学医学部薬理学 教授)
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【セミナー概要】
慢性腎臓病(CKD)に対する特効薬はありませんが、高血圧を合併する患者が多いため、腎臓の保護を考慮して降圧薬を選択するケースが多いと思います。これに対して高血圧ガイドラインが2014年に改訂され、CKD合併高血圧患者に対する降圧薬の選択基準にも変更がありました。しかし、この「CKD」という病態には、多くの異なった腎疾患が含まれており、これらを一律に考えることは難しいのが現状です。そのため、臨床エビデンスによって決められているCKD合併高血圧患者に対する降圧ガイドラインについても、なぜそういった降圧薬を選択するのかについて、なかなか理解が進みません。
今回の医療技術セミナーでは、高血圧や糖尿病などに合併する「蛋白尿」にターゲットを絞って、病態を理解した上で降圧治療を実践するために、必要な知識を身につけていただくことを目的としました。まず、蛋白尿とは腎臓のどういった病態の指標なのかについて、蛋白尿が生じるメカニズムを含めて解説します。続いて、なぜ蛋白尿を生じると心筋梗塞や脳卒中などのイベントが増えるのかについて考えて行きます。これらの理解を進めた上で、蛋白尿を生じるCKD合併高血圧患者に対する降圧薬として、最初にレニン・アンジオテンシン系阻害薬を選択する理由について、科学的データを示して説明します。最後にこの効果が不十分であった時に、次の一手をどう考えるのかについて、副作用も含めて薬理学的な見地から私の考えを述べ、皆さんとdiscussionしたいと思います。
今回の2時間のセミナーで高血圧の病態における蛋白尿の意義についての知識を身につけ、実際の診療での理論的な降圧治療につながれば幸いです。
皆さま、奮ってご参加下さい!
13:00-15:00
1.「2014高血圧ガイドライン」における、CKD合併高血圧患者への降圧治療の解説
2.蛋白尿とは何か、なぜ生じるのか(最新の話題も含めて)
3.蛋白尿が心血管イベントにつながる理由
4.蛋白尿を生じるCKD合併高血圧患者に対し、レニン・アンジオテンシン系阻害薬を第一選択薬として使用する科学的根拠
5.レニン・アンジオテンシン系阻害薬で効果不十分な場合の次の一手は薬理学的にどう考えるのか
6.おまけ:降圧薬ではないが、降圧作用がある薬剤についてのトピック

セミナー要綱

セミナーNO. 307
開催日 2015年5月10日 13:00〜15:00
講師 ■西山成 先生(香川大学医学部薬理学 教授)
診療科目 循環器科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■5月10日(日)午後に開催しました第307回医療技術セミナー『実地医家のための腎保護を考えた降圧薬の使用−降圧剤が蛋白尿を減らすメカニズムを知る』は盛会裡に終了しました。
講師には、香川大学医学部形態・機能医学講座(薬理学)教授西山成先生をお迎えしました。振り返ってみれば、これまではずうっと臨床系の先生をお呼びしておりましたが、初めて基礎医学の先生をお呼びすることになりました。この教室は、代々降圧薬の研究・開発をテーマとされており、先代の教授であります安倍陽一先生には、高血圧学会の理事をされておりました関係で、大変お世話になりました。若干身近に感じます。聞けば、講義の中では、何がしが臨床にも関与され、患者さんも持っておられる・・・とのこと、やはり、実際の臨床経験に裏打ちされた深みのある薬理学・降圧薬のお話でありました。
講義の組立は、講義の前半が、
1.「2014高血圧ガイドライン」における、CKD合併高血圧患者への降圧治療の解説
2.蛋白尿とは何か、なぜ生じるのか(最新の話題も含めて)
3.蛋白尿が脳心血管イベントにつながる理由
後半が、
1.蛋白尿を生じるCKD合併高血圧患者に対して、レニン・アンジオ
テンシン系阻害薬を第一選択薬として使用する科学的根拠
2.レニン・アンジオテンシン系阻害薬で効果不十分な場合の次の一手は薬理学的にどう考えるのか−N型カルシウムチャネルブロックの可能性
そして、おまけ:降圧薬ではないが、降圧作用がある薬剤についての話題を一つ、ということでありました。
もっと言うと、「蛋白尿が出ると、脳心血管リスクにつながる」という心理の深い回目でありました。一番、肝心な注意点は、『減塩』に尽きる・・・とのことでありました。その他に、”おまけ”として、最近開発された糖尿病薬が降圧にも効き目がある・・・という、興味深く、かつ実践的なお話を聞くことができました。
質疑も大いに盛り上がりました。素晴らしかった、デス。

■講師 西山成 先生(香川大学医学部薬理学 教授)
<略歴>
93年香川医科大学医学部卒業、
岡山大学医学部麻酔科蘇生科
94年国立岩国病院麻酔科
98年米国チュレーン大学医学部生理学教室ポストドクトラルフェロー
00年香川医科大学医学部薬理学講座助手、チュレーン大学客員講師(兼任)
07年〜香川大学医学部薬理学教授
09年〜香川大学附属病院先端医療開発センター・副センター長(兼任)
10年〜香川大学附属病院糖尿病センター・副センター長(兼任)
<主な学会活動など>
Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.編集長、米国心臓財団(フェロー)、米国腎臓学会、国際腎臓学会、国際高血圧学会、日本腎臓学会(幹事)、日本高血圧学会(幹事)、日本心脈管作動物質学会(理事)、日本薬理学会(代議員)、日本心血管内分泌代謝学会(理事)、日本循環薬理学会(幹事)など

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