耳鼻咽喉科系

実地医家が知っておきたい耳鳴りと難聴の最新臨床(補聴器の話)

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耳鳴りと難聴は脳のトレーニングで改善する!

■講師 新田清一 先生(済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科 科長済生会宇都宮病院 耳鼻咽喉科診療科長、聴覚センター長)
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【セミナー概要】
「耳鳴は治らない」は、医師の間だけでなく、もはや一般常識のようになっています。しかし、それはもう過去のこと。最新の医療では耳鳴りは‘治る’ようになったのです。その背景として、最近の基礎研究・臨床研究により耳鳴りのメカニズムが解明されつつあること、そのメカニズムに応じた新しい治療法が開発されていることがあります。そのキーワードは「脳」です。耳鳴りは、難聴(多くは蝸牛障害)に応じた脳の変化によって生じ、その変化を元の状態に近づけていく‘脳のトレーニング’によって改善することが分かってきました。今回の医療技術セミナーでは、最新の考え方と臨床の実際、そして耳鳴患者が納得するムンテラのコツ、などをお話しします。
難聴についても、「年だからしょうがない」「補聴器を使っても役に立たない」という訴えを良く耳にします。残念ながら医学の進歩をもってしても、加齢性難聴を元に戻すことはできません。しかし、補聴器を用いた聴覚リハビリテーションを、正しい方法で行うことにより、何歳になってもことばの聞き取りは改善します。そして、補聴器は生活に‘なくてはならないもの‘になるのです。ここでも、キーワードは「脳」です。今回の医療技術セミナーでは、難聴は治るのか、予防できるのか、補聴器はどれを使えばよいのか、どこで買えばよいのか、どうやってトレーニング(聴覚リハビリテーション)するのが良いのかなど、難聴の高齢者に教えてあげたいちょっとした知識を中心にお話しします。
10:00−12:00第1部耳鳴り
1.最新の研究で分かってきた耳鳴りのメカニズム
2.診療の実際〜耳鳴りの理解&‘脳のトレーニング’で改善する
3.耳鳴りで悩んでいる患者さんへの対応と話し方のコツ
 
13:00−15:00第2部難聴と補聴器
1.難聴を知る〜難聴は治るの予防できるの
2.「補聴器は役に立たない」〜本邦の現状と社会背景
3.正しい脳のトレーニング(聴覚リハビリテーション)の方法
4.補聴器は何をどこで買えばよいのか

セミナー要綱

セミナーNO. 305
開催日 2015年3月22日 10:00〜15:00
講師 ■新田清一 先生(済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科 科長済生会宇都宮病院 耳鼻咽喉科診療科長、聴覚センター長)
診療科目 耳鼻咽喉科系
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■3月22日(日)に開催しました第305回医療技術セミナー『実地医家が知っておきたい耳鳴りと難聴の最新臨床−脳のトレーニングで改善できる』は盛会裏に終了しました。
講師には、済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科科長新田(しんでん)清一先生をお迎えしました。つい先日のNHKの「ためして合点」に出演され、”難聴、耳鳴り、補聴器”について熱く語られたばかりですが、ご本人によると、若干、本人の意図とは別の結論に番組の構成上変わってしまって、困っている・・・とのことでした。
講義の組立は、午前が「難聴の最新臨床−補聴器・人工内耳による脳のトレーニングで聞こえを取り戻す」で、?難聴を知る【i)治る難聴・治らない難聴、ii)予防法、危険性、iii)患者に「自分の難聴」を知ってもらう】、?補聴器を知る【i)補聴器は役に立たないのか〜本邦の現状と背景、ii)正しい聴覚リハビリテーションの方法、iii)補聴器を選ぶ、買う、?人工内耳を知る【i)人工内耳のしくみと診療の実際、ii)人工内耳の治療成績と適応。午後は、?耳鳴り患者を知る、?耳鳴のメカニズムを知る、?耳鳴りを治す、?症例提示(5例)でした。講義は、順番を入れ替えた方が理解が進むということで前記の通り、午前と午後のテーマが入れ替えて進められました。また、資料として、『脳を変えて耳鳴りを治療する』冊子(A4判・32頁)とDVDも配布していただきました。
音を認識するのは脳なのだそうですが、難聴は、”聞く”ための感覚器である耳の内耳に異常があることで聞こえにくい現象が生じるのだそうですが、「伝音難聴」と「感音難聴」に分けられ、後者の蝸牛や三半規管に異常がある「感音難聴」は治療で治る・・・との話から始まりました。突発性難聴は、早く治療に取り掛かるのが肝心だとのこと。こうした疾患は健常者からみれば聞こえて当たり前なのでしょうが、患者さんの立場から考えれば、何とももどかしい疾患なのでしょう。一方で、治したいと積極的に補聴器を購入しても、高い割には、調整が難しく、つい”箪笥の肥やし”になって眠ってしまう・・・ということになり、本邦においては今や95%の補聴器はうまく使われていない現状なのだそうです。この選択にあたっては、医師と言語聴覚士の揃っている医療機関で相談し購入するのが肝心だそうです。そうした適切な診断と治療ができる機関がまだまだ多くない・・・とのことでした。
次に、耳鳴りの治療ですが、もともと人には雑音が聞こえており、それを気にするかどうか、脳が慣れてしまって、耳鳴りとして感じないのがほとんどなのだそうです。逆に耳鳴りの訴えに当たっては、ストレスや不安、心配等が背景にあり、それらを解決することと、具体的に「何で困っているのか、何でうっとおしいのか」をよく聞いて解決を図ることで、多くは解決する、あるいは治ってしまう疾患であるというより症状なのだそうです。主宰子は、「耳鳴り」といえば、患者さんにとってはもう”待ったなし!”の疾患であり、困っている多くの患者さんに福音を・・・と企画したセミナーでしたが、思わぬお話に感心してしまいました。
で、「先の「難聴」や「耳鳴り」の治療について、確実な診断や治療ができているのは、私の病院だけだ」と、胸を張って断言されました。素晴らしい!少しずつでも、こうした正しい診断と治療が普及して行って欲しいものです。

■講師 新田清一 先生(済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科 科長済生会宇都宮病院 耳鼻咽喉科診療科長、聴覚センター長)
<略歴>
94年3月慶應義塾大学医学部卒業
慶應義塾大学耳鼻咽喉科入局
98年慶應義塾大学耳鼻咽喉科助手
01年横浜市立市民病院耳鼻咽喉科副医長
04年済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科 主任診療科長(現職)
10年Sint-AugustinusHospital(ベルギー・アン
トワープ)にて臨床留学
16年済生会宇都宮病院聴覚センター長
<専門医・認定医>
日本耳鼻咽喉科学会専門医、補聴器相談医
補聴器適合判定医師
<著書>
「耳鳴りの9割は治る〜脳の興奮をおさえれば音はやむ」(マキノ出版)
「ゼロから始める補聴器診療」(中外医学社)

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