プライマリケアで扱う脱毛(抜け毛)・薄毛症の診断と治療
■講師 乾重樹 先生(大阪大学医学部皮膚・毛髪再生医学寄付講座(附属病院皮膚科兼任) 准教授 准教授)
>講師詳細はこちら
【セミナー概要】
受講者からの要望により、急遽、男性型脱毛だけでなく、女性型についても、取り上げていただくことになりました。ご期待ください。
脱毛症は皮膚科分野でも比較的マイナーな領域で、なかなか診断や治療が難しいことが多いです。
本医療技術セミナーでは、まず午前は毛髪の基礎と生理から説き起こし、ジェネラリストの先生方もしばしば遭遇される脱毛症を中心に基礎からていねいに解説させていただきます。午後は毛髪診断の最新手段であるトリコスコピー(スカルプダーモスコピー)について説明させていただきます。ひととおりの知識を得た後、確認のため実地症例を供覧、考えていただきながら、その診かた・考え方をさらにマスターしていただきます。この1日で脱毛症への苦手意識が払拭され、自信をもって診療できるレベルまでスキルアップできるよう、脱毛症についていっしょに考えていきたいと思います。
皆さま、奮ってご参加下さい。
10:00〜知っておきたい毛髪の基礎と生理
脱毛症を理解するためにはまず毛髪の基礎と生理の知識が欠かせません。学生時代にもあまり学ぶことがなかった事柄まで深く解説します。
11:00〜知っておきたい脱毛症とその治療法
プライマリケアにおいても知っておくべき脱毛症と治療法を紹介します。非専門医にもわかるようにやさしくていねいに説明します。
13:00〜新しい脱毛症の診断法:トリコスコピー(スカルプダーモスコピー)
脱毛症の新しくまた便利な診断法であるトリコスコピー(スカルプダーモスコピー)のみかた・考え方を解説します。その基本をマスターしていただきます。
14:00〜トリコスコピー診断の十番勝負
トリコスコピーの実践演習です。様々な症例の所見にあたり、少なくともプライマリケアレベルでは、これで脱毛症の診断には自信がついたというところまでスキルアップすることをめざします。
セミナー要綱
セミナーNO. | 285 |
開催日 | 2014年12月14日 10:00〜15:00 |
講師 | ■乾重樹 先生(大阪大学医学部皮膚・毛髪再生医学寄付講座(附属病院皮膚科兼任) 准教授 准教授) |
診療科目 | |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■12月14日(日)に開催しました第285回医療技術セミナー『脱毛症・薄毛症の診断と治療−この一日で脱毛症の診かたが変わる!プライマリケアから脱毛症専門医レベルまでスキルアップ』は盛会裏に終了しました。
講師には、大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学(寄付講座)、附属病院皮膚科准教授の乾重樹先生をお招きしました。乾先生は、メディカル・コア時代にお願いして以来、8年ぶりくらいのご登場です。企画としては、男性型脱毛症を中心に進められてきましたが、開催約1週間前になって受講者の方から、女性の脱毛も取り上げて欲しい・・・との要望が届き、急遽、取り上げていただきました。症例写真では女性の症例も多く供覧していただきました。
毛髪、髪といえば、普通であれば何のことはないテーマですが、病気やけが、年齢から・・・・・・等、いろんな事情で、さみしくなってくると深刻な問題となりえるんですね。
講義の組立は、午前は、?知っておきたい毛髪の基礎と生理、?知っておきたい脱毛症とその治療(円形脱毛症、男性型脱毛症、女性型脱毛症、他)。午後は、?新しい脱毛症の診断法:トリコスコピーによる観察(スカルプダーモスコピー);1.円形脱毛症(AA)でみられる所見、2)男性型脱毛症(AGA)でみられる所見、3)診断:円形脱毛症(AA)、4)診断:男性型脱毛症(AGA)、5)診断:瘢痕性型脱毛症でみられる所見、?トリコスコピー診断の十番勝負(演習問題)、というものでした。
講義を受けてみると、これらの症状の治療の上では、抜け毛の原因をきちんと調べ、確認することに尽きろ。要するに診断が重要である・・・という印象を持ちました。ただし、まだまだ分かっていないことが多いようです。また、トリコスコピーは、一般の皮膚科で活用されているダーモスコピーのことで、毛髪を見るときにはそう呼称している・・・というものでしたが、ゼリーを使わず、毛根や頭皮を調べると、特徴的なことが分かる・・・・・・というものでした。治療としては、内服薬(P、あるいはステロイドのパルス療法、等)、あるいは外用薬(塗り薬)に確かなものがあるようで、よく効くようです。
あと、気になるのは、トリコチロマニア(抜毛症)という、自然に抜けたり切れたりするのか、あるいは精神的な要因等で、自分の手で抜いたり切ったりするのか不明な症状・疾患がある、ということでした。そういえば、円形脱毛症も、多分に精神的な要因がある、ことは多少知られたことでしたでしょうか
■講師 乾重樹 先生(大阪大学医学部皮膚・毛髪再生医学寄付講座(附属病院皮膚科兼任) 准教授 准教授)
専門:脱毛症、接触皮膚炎、他
<略歴>
91年大阪大学医学部卒業
大阪大学皮膚科入局
92年大阪労災病院皮膚科医員
96〜98年米国留学(ウイスコンシン大学、ロチェスター大学)
この間、1997年大阪大学大学院博士課程修了、学位取得
00年大阪大学皮膚科学科助手
06年大阪大学皮膚・毛髪再生医学寄附講座准教授(附属病院皮膚科兼任)
日本メディカルスキルアップは対面形式のセミナー(会場受講)を重視し、2009年4月より計800回以上医療技術セミナーを開催してまいりました。製薬企業とは無縁の独立系セミナーで、臨床現場、専門領域の第一線で活躍する講師の質と圧倒的な学習時間で医療業界に貢献してまいります。医療セミナーDVD・テキストの他、さまざまなジャンルのセミナーを開催しております。