外来感染症アップデート
意外に教わらない経口抗菌薬の使い方・考え方、臨床の素朴な疑問、敗血症患者さんの見つけ方と熱源検索のコツ
■講師 岸田直樹 先生(一般社団法人 Sapporo Medical Academy(SMA)代表理事)
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【セミナー概要】
外来診療は難しい。受診した患者さんを即座に診断し、家に帰してもよいかどうかまでを判断しなくてはいけない。
特に「発熱のみ」の患者さんではその熱源がわからないことが多いが、敗血症だった場合には重篤になって戻って来うる。今回のセミナーでは、臨床で極めて切実な悩みである「敗血症患者さんをいかに早く見つけるか」の答えを可能な限り提示できればと思います。また、外来感染症では、経口抗菌薬をよく処方しますが、近年この濫用による耐性菌が世界的に問題となっています。しかし、経口抗菌薬の正しい使い方・考え方は体系的に教わる機会は意外にありません。それを伝授します!
皆さま、奮ってご参加下さい。
10:00-12:00意外に教わらない経口抗菌薬の使い方・考え方
経口抗菌薬の使い方が書かれている本は多くはありません。その使い方・考え方をお伝えします。
13:00-15:00臨床の素朴な疑問、敗血症患者さんの見つけ方と熱源検索のコツ
熱源がわからないと思っているのは自分だけかもしれません。そのコツをお伝えします。
セミナー要綱
セミナーNO. | 272 |
開催日 | 2014年8月31日 10:00〜15:00 |
講師 | ■岸田直樹 先生(一般社団法人 Sapporo Medical Academy(SMA)代表理事) |
診療科目 | |
DVD価格 | 5,500円(会員価格/税込) |
終了したセミナーの報告と開催の模様
■8月31日(日)に開催しました第272回医療技術セミナー『ジェネラリストのための外来感染症アップデート−意外に教わらない経口抗菌薬の使い方・考え方、臨床上の素朴な疑問、敗血症患者の見つけ方と熱源探索のコツ』は盛会裏に終了しました。
講師には、札幌メディカルアカデミーから、代表理事で、総合診療医・感染症医/感染症コンサルタントであります岸田直樹先生をお招きしました。岸田先生は、昨年12月7日の『誰も教えてくれなかった風邪の診かた・考え方』についで2回目のご登場です。岸田先生は経歴からみても約12年前の医学部のご卒業ですし、見たところはめちゃくちゃお若いのですが、自分は静岡がんセンター感染症科の大曲先生の門下生である・・・と言仰っておられますので、この時期にしっかり勉強されたのでしょう。
講義の組立としては、午前には、2時間半の時間を取られ、1.意外に教わらない経口抗菌薬の使い方・考え方、(2.感染症診療セファロスポリン系抗菌薬を使う、3.キノロン系の抗菌薬の考え方)をお話いただき、午後には、4.敗血症診療の本音と建前、という当初の計画に加えて、5.血液培養2セット検査が4月から保険適用されたことの意味と注意点、最後に「6.デング熱の病態と診かた」をお話いただきました(デング熱患者さんは、昨日現在の東京近辺で新たに増えて22名になったとの報道があり、タイムリーな企画となりました)。
『抗菌薬の使い方』のテーマと内容のお話では、先月13日の神戸大学の大路剛先生のお話もそうでしたが、抗菌薬の乱用により、耐性菌が増え高い方も対策もなかなかピシッと決まらない・・・、言い切れない・・・という印象でしょうかでも安価、安全、服みやすいをポイントに、用途を明確にして抗菌薬は使用する!多くの常識は間違っています。難しいテーマでしたが、素晴らしい内容のお話でした。
”耐性”の箇所でのお話の注意点ですが、?ウイルスではなく菌による疾患にしか処方しない、?服用し切るように指導する、?でも、患者さんは結局は途中で服用を止めてしまい、薬は保管しておき、次には自分の判断で似た様な症状の時に服用する・・ということが行われていることも、”耐性をつくる要因であるという箇所です。しかも、そういうことをやっている方々は、実は医療従事者に多いのではないか・・・と嘆かれました。実は主宰者の私も生半可な知識があるがゆえにそうやっております。
質問も会場からも、ネット受講者からもたくさん飛び出しました。
デング熱の疾患のところで、岸田先生ご自身の診療の経験についても披露されましたが、下記のURLni、「症例報告」が公開されております。
デング
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/97/5/97_1075/_pdf
■講師 岸田直樹 先生(一般社団法人 Sapporo Medical Academy(SMA)代表理事)
総合診療医・感染症医/感染症コンサルタント
【略歴】
北海道函館市出身
94年4月国立東京工業大学理学部入学
95年10月国立東京工業大学理学部中退
96年4月国立旭川医科大学医学部医学科入学
02年3月国立旭川医科大学医学部医学科卒業
05年3月手稲渓仁会病院初期臨床研修修了
08年3月手稲渓仁会病院総合内科フェロ−修了、手稲−ハワイ医学教育フェロー修了
10年3月静岡県立静岡がんセンター感染症科フェロー修了
10年4月手稲渓仁会病院総合内科・感染症科感染症科チーフ兼感染対策室室長
14年4月一般社団法人SapporoMedicalAcademy(SMA)代表理事
【資格】
■日本感染症学会指導医
■抗菌薬適正使用指導医(日本化学療法学会)
■インフェクションコントロールドクター
【学会・研究会活動歴】
■日本感染症学会/
日本化学療法学会JAID/JSC感染症治療ガイド気道感染症/中耳炎・副鼻腔炎ワーキンググループ委員2010年4月〜
JAID/JSC感染症ガイドライン気道感染症/中耳炎・副鼻腔炎ワーキンググループ委員2012年6月〜
■日本感染症教育研究会(IDATEN)世話人
【院外講師歴】
■旭川医科大学非常勤講師
■東京女子医科大学男女共同参画推進局女性医師再教育センターe-lerning講師
■2009年度東京医師アカデミー臨床教育講習会講師
■山口大学卒後臨床研修センター松下村医塾講師
■日本感染症教育研究会(IDATEN)感染症セミナー講師ほか
【書籍(単著)】
■感染症非専門医・薬剤師のための感染症コンサルテーションじほう2014年
■誰も教えてくれなかった“風邪”のみかた−重篤な疾患を見逃さない!−医学書院
【書籍(主編者)】
■ジェネラリストのための内科外来マニュアル医学書院
■「いきなり名医!見逃したらコワイ外来で診る感染症−感染症診療コツのコツ」jmedmook
■免疫不全の呼吸器感染症、南山堂
■感染症診療の手引き、シーニュ社
■がん患者の感染症診療マニュアル、南山堂
■「感染症チーム医療のアプローチ」、南江堂
【書籍(共著)】
■抗菌薬について内心疑問に思っていること羊土社
■感染症診療ガイドライン総まとめ「腹腔内感染症ガイドライン」総合医学社ほか
【連載中】
*月刊薬事(じほう)で「臨床推論から学ぶ薬剤師力」連載中
*調剤と情報(じほう)で「セルフメディケーションをサポートする!薬局薬剤師のための症候学」連載中
*ナースパートナーズ(メディカルプリンシプル社)で「看護師のための感染症サポート」連載中
日本メディカルスキルアップは対面形式のセミナー(会場受講)を重視し、2009年4月より計800回以上医療技術セミナーを開催してまいりました。製薬企業とは無縁の独立系セミナーで、臨床現場、専門領域の第一線で活躍する講師の質と圧倒的な学習時間で医療業界に貢献してまいります。医療セミナーDVD・テキストの他、さまざまなジャンルのセミナーを開催しております。