早期発見のために知識を深めよう−呼吸器科からのアプローチ

■講師　宮沢直幹 先生（済生会横浜市南部病院呼吸器科　部長）
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【セミナー概要】
睡眠時無呼吸症候群（Sleepapneasyndrome;SAS）は、寝ているときに呼吸が止まることによって無意識のうちに目が覚めてしまい、寝不足になることから、昼間の眠気や不注意による交通事故などをひきおこす病気として知られています。近年、それだけではなく高血圧、糖尿病、心房細動、脳卒中、心筋梗塞、大動脈解離など、心・血管系を中心とした様々な病気や突然死の原因がSASであることも多いことが解ってきています。先生方が診られている高血圧や心臓病のうらにSASが潜んでいるのかもしれません。
今回の医療技術セミナーでは、SASの合併症を中心に基礎知識、診断、治療の解説や症例呈示、治療のコツなどを詳しく解説いたします。
皆さま、奮ってご参加ください。
10:00-12:00睡眠時無呼吸症候群（SAS）の診断
1.SASとは
2.SASと心血管疾患
3.SASの診断
 
13:00-15:00睡眠時無呼吸症候群（SAS）の治療
1.SASの治療
2.CPAPについて
3．症例呈示

セミナー要綱

終了したセミナーの報告と開催の模様

■4月20日（日）に開催しました第255回医療技術セミナー「睡眠時無呼吸症候群（ＳＡＳ）の診断と治療−早期発見のために知識を広げよう」は盛会裏に終了しました。
講師には、済生会横浜市南部病院呼吸器内科部長であります宮沢直幹先生をお招きしました。横浜市立大学附属市民綜合医療センター呼吸器センター教授金子猛先生のご紹介です。
今回のSASは、「呼吸器科からのアプローチ」です。半年前の10月20日に同じテーマで開催しましたが、その時は「循環器科からのアプローチ」として聖マリアンナ医科大学循環器内科講師の長田尚彦先生にお願いしましたが。
講義の組立は、午前が、「SASの診断と治療」で、１．睡眠時無呼吸症候群（SAS）とは、２．SASと心血管疾患、３．SASの診断、４．SASの治療。午後が、「SAS診療の実際」で、１．診療のながれ、２．CPAPの設定、３．PPV療法など、４．南部病院での診療、５．トピックス、でありました。
SASとは「10秒以上の呼吸停止を無呼吸」といい、実際の睡眠中の患者さんの迫力ある動画を見せていただきましたが、それが睡眠中に度々・・・どころか、しょっちゅう起こり、あれでは本人も仕事や生活に支障が出ることうけあいで大変であろうし、なによりも傍で寝ている人や家族にとっては心配で夜も寝れない・・・（というより五月蝿くて寝れない！）ということになるなあ、と思いました。で、SASの症状は、?睡眠中のいびき、?日中の傾眠で、いつもとっても眠い、眠ってはいけない時に眠ってしまう、とのこと。身体的特徴は、体型は太っており、口はいつも開けている、鼻はだんご鼻や鼻筋が曲がっている、あごは下顎が小さく後退している、首は短く太い、のどは見えないけどいびきをかきやすい。主宰者にも大いに覚えがあり、ちゃんと真剣にお話をお聞きしました。
治療は、一昔前にはのどちんこを切除して広げる手術が流行ったようですが、根治が難しく今は廃れてしまったようです。現在では、下顎を後退させるマウスピース療法もあるようですが、やはりＣＰＡＰ療法が主流で、その適要や空気圧等について詳細な解説が行われました。
会場には、実は自分もSASを家族に指摘され悩んでいるんだという医師も参加され、質疑が大いに盛り上がりました。
その医師は、お話もテキストも素晴らしかった・・・と、満足されたお顔で帰って行かれました。ありがとうございました。

■講師　宮沢直幹 先生（済生会横浜市南部病院呼吸器科　部長）
＜専門＞内科、呼吸器内科、喘息、ＣＯＰＤ、睡眠時無呼吸症候群
 
＜略歴＞
90年横浜市立大学医学部卒業
96年横浜市立大学大学院医学研究科修了
97年米国コーネル大学内科呼吸器分野客員研究員
01年神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器科医長
06年横浜市立大学附属病院呼吸器内科助手
07年横浜市立大学附属病院呼吸器内科准教授
12年済生会横浜市南部病院呼吸器内科部長
（現職）
 
役員：日本呼吸器学会代議員、横浜市感染対策協議会委員
資格：総合内科専門医／呼吸器指導医／アレルギー専門医／感染症指導医／抗菌化学療法指導医／結核・抗酸菌症指導医／インフェクション・コントロール・ドクター／気管支鏡専門医／がん治療認定医／肺がんCT検診認定医師